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あ、この瞬間が旅情だね。

北へ向かう新幹線に乗り、上野を出て4、5分ほど経った頃。
高架下に田端の街並みが広がると同時に、車窓右側には、
JR東日本首都圏本部の大きなビルが見えてくる。

このビルは一面が大きなガラス張りになっていて、巨大な鏡のようになっている。
自分が乗っている列車を外から眺めることは普通出来ないが、
このビルの横をかすめるほんの数秒間だけは、
列車がビルのガラスに反射し、窓越しに映る。
ビル建設の際、こういうことを見越して設計されたのだろうか。
真相は定かではないけれど、その僅かな時間が自分の旅に彩りを添える。

あの列車の窓の中に自分もいて、他にも沢山の人が乗っている。
それぞれの目的で、それぞれの場所に向かう。
みんなの思いで、一つの列車を形作っている。

どうか、みんなの旅がいいものとなりますように。

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