バスネタ2連発。
自動車でも「EV」の普及に伴って、そのバス版ともいえる「電気バス」があちこちに登場しています。管理人の地元の東急バスでも、一般路線車としての「電気バス」が目黒や弦巻に投入され、営業運転に入っているのを確認していますが、まだ乗車・撮影する機会はありません(厳密に言うと撮影の機会は一度あって記事にしているが、きちんと撮影したことはない)。
さて、今回発表されたのは、その「電気バス」の集電方法に関して。
「電気バス」を含めた通常のEVは、車両に充電用ケーブルを接続することで充電しますが、流す電流の量が多いためかケーブル・接続端子とも大きく重くなっていて、その脱着はかなりの重労働となるもの、また充電そのものにも時間がかかることがネックとなり、充電時間の短縮も課題となっていました。
それらを解決する方法は、何と「バス車体の屋根上にパンタグラフを置き、そこから集電することで充電を可能にすること」でした。
↑の記事から一部を引用します。
以下引用開始
EVバスは通常のEVのように、充電ポートから充電プラグを挿し込んで充電します。しかし普及に向けた課題として、充電に時間がかかることや、重い充電ケーブルを車体につなぐ作業の負担などが浮き彫りになっていました。今回試験導入されるバスは、車体の天井から、電車車両と同様の「パンタグラフ」が立ち上がり、営業所の上空に設置した充電ポートに接触して集電するものです。鉄道でいう架線集電のようなものです。走行中は集電しません。このシステムは超急速充電に対応し、充電完了まで「約10分」というハイスピードを実現します。バスにはこの急速充電に耐えうる東芝製バッテリーモジュール「SCiB」が採用されています。
川崎鶴見臨港バスでは今後、既存のディーゼルエンジン車両を「パンタグラフEVバス」へ改造し、バス営業所に充電器の設置をすすめ、2025年11月を目標に実証運行開始するとしています。
以上引用終了(赤字は管理人)
バスの走行に必要な運動エネルギーを内燃機関に頼らず、外部から得るエネルギーで駆動させて得る方式は、既に「トロリーバス」が存在しますが、あれは架線のあるところしか走れませんし、仮に走れる仕様にしたら内燃機関を搭載しなければなりません。勿論、走行中に充電させることも技術的には可能ですが、そうすると停留所での長時間停車が難しくなります(停止時に大電流が流れるため、通常の架線では対応できない)。
そうではなく、EVとしてのバスに営業所で停車中に充電するというのですから、システム的にはこちらの方が近いです↓
こちらと発想は同じ
写真はJR烏山線で走っているEV-E301系ですが、この車は電化区間ではパンタグラフを上げてそこから走行に必要な電気エネルギーを得て走行し(勿論その間にも充電はなされる)、非電化区間では蓄電池に蓄えた電気で走るというもの。そして折返し駅には写真のような充電用の架線が用意され、そこで折返しを待つ間に充電するというわけです。勿論、停車中に大電流が流れるので、架線もそれに耐えられる仕様になっています。
恐らく「パンタグラフ集電の電気バス」は、営業所構内にこのような架線が用意され、その下でパンタグラフを上げて充電することになるのでしょう。
そして実証実験を行う事業者はこちら↓
臨港バス!
発表によると、川崎鶴見臨港バス(臨港バス)で試験運行されるとのこと。
それにしても、バスの車体の屋根上にパンタグラフですか…一体どんな風貌になるんだろ。その風貌と使用路線が、今から楽しみです。
【おことわり】
当記事で使用している写真は、全て以前の記事からの転載です。