当ブログでもこれまでもご紹介しておりますように、平成29年のダイヤ改正におきまして、肥薩線系統では「かわせみ やませみ」と呼ばれます観光特急列車が熊本~人吉間で運行されておりました。
この列車は、画像からもわかりますように、キハ40系気動車(←人吉 キハ47-8087+キハ47-9081)2両で運行されておりまして、車内もリクライニングシートが設けられましたり、展望用に横向きに設けられたカウンター席や、テーブルまで設けられましたボックス席もあるなど、まさに観光列車としての印象を出しているのが特徴でもあります。
また、サービスコーナーやショーケース・ビュッフェも併設しております。ビュッフェでは、地元特産の軽食類や球磨焼酎などと言ったお土産物などを販売しておりますし、ショーケースでは、子供も楽しめられるような絵本などと言った書籍類が見られましたり、「ヤマセミ」・「カワセミ」の置物、さらには肥薩線沿線の「きじ馬」などと言った民芸品や球磨焼酎など、様々なものが棚の中で見られておりまして、乗車時間を無駄にしないような姿も見られております。
尚、この平成29年の改正では他にも「いさぶろう」・「しんぺい」も熊本~人吉間では特急化されておりまして、計4往復が熊本~人吉間で特急列車が運行されるに至っておりました。
しかし、これまでも皆様にもご紹介しておりますように、運行区間であります肥薩線の八代~人吉~吉松間が「熊本豪雨(令和2年7月豪雨)」によりまして大きな被害を受けておりまして、現在肥薩線の優等列車や普通列車はこの区間では運休となっております。
けれども、「かわせみ やませみ」・「いさぶろう」・「しんぺい」は、その後博多~門司港間で臨時運行を行っておりまして、画像のように北部九州でもその姿を見る事ができておりました。
(「かわせみ やませみ」サボ)
しかし、令和4年9月改正で「かわせみ やませみ」は新たな運行区間として熊本~宮地間で運行されるようになっておりまして、2年ぶりに熊本県内を運行する特急列車として土日祝日限定で運行されております。正直、これまでの球磨川から阿蘇の山並みを見る形で運行されている事に関しましては仕方ありませんが、それでも熊本県内を運行する特急列車として戻ってきているだけでもいいのではないかと思う所ではあります。
また、「いさぶろう」・「しんぺい」に関しましては定期運用を終了しましたが、終了後は小倉総合車両センターへのツアー客のために運行されておりましたが、今年新たなD&S列車として「かんぱち いちろく」として博多~由布院~別府間を往復2日かけて運行されております。
そんな現在は特急列車が運行されていない肥薩線系統でありますが、かつて平成28年の改正から平成29年の改正までの1年間はこの区間には快速列車が運行されておりまして、肥薩線系統では、平成28年の改正前までには、熊本~人吉間におきましては特急「くまがわ」、そして別府・大分~熊本~人吉間を運行しておりました「九州横断特急」が運行されておりまして、計5往復10本が運行されておりましたが、これら列車がこの改正で廃止される事になりまして、先述のように肥薩線系統の特急列車は一度姿を消す事にもなりました。
さて、今回ここからご紹介しますのは、廃止1ヶ月となっておりました平成28年2月に特急「くまがわ」の撮影を行っておりました姿を皆様にご紹介してまいります。
肥薩線系統に運行されておりました、別府・大分駅発着で豊肥線経由でありました特急「九州横断特急」、熊本駅発着の「くまがわ」は、以下画像にもありますようにキハ185系気動車によりまして運行されておりまして、これら列車に関しましてはかつてキハ58系気動車で運行されておりました急行「くまがわ」・「えびの」を特急に昇格させたものでもありました。
(九州横断特急)~熊本~人吉間運行時
しかし、運行の効率化によりまして「くまがわ」は平成28年のダイヤ改正を機に廃止されまして、「九州横断特急」も熊本駅発着に短縮されましたが、この約1か月後に発生しました「熊本地震」におきまして、肥後大津~阿蘇間が寸断されておりましたので、約4年間は熊本地区で「九州横断特急」の姿は見る事はできませんでした。
ここからは、平成28年に廃止されました「くまがわ」の姿を熊本駅で収める事ができておりましたので、皆様にご紹介してまいります。この時私が撮影しましたのが、以下の画像にあります人吉駅へと向かいます「くまがわ1号」でありました。この「くまがわ」自体は、急行時代には熊本~宮崎間を運行れておりました「えびの」が平成12年に廃止以降最高6往復が設定されておりましたが、特急化後は「九州横断特急」の運行もありまして、熊本発2本・人吉発2本のみの運行となっておりまして、本数自体は大きく減っておりました。
以下画像は熊本駅の発車標でありますが、「くまがわ1号」は平成27年新たに設けられました高架ホーム内にあります行き止まりホーム5番ホームからの発車となりまして、8時37分に熊本駅を発つ事になっておりました。
この時の「くまがわ1号」は2両編成でありました。折り返しの「九州横断特急」の関係もありまして、団体さんなどの利用や多客期などには3両に増結しまして運行される事もあるこの列車でありましたが、この日は2両で賄っていた事が伺えておりました。尚、この列車には「くまがわ」の愛称表示はなく、「九州横断特急」の表示のままとなっている事もお分かりいただけるのではないかとも思います。現在は、ボタンで愛称が変わるように改造されておりますが、当時はそんな機能がありませんでしたので、そんな形となっていた事は仕方なかったでしょうか。


こうして、定刻8時37分に「くまがわ1号」は熊本駅5番ホームを発ちまして、人吉駅へと向かいました。これから約1時間30分かけて運行してまいりまして、人吉駅着後はわずか8分で「九州横断特急4号」として折り返しまして、別府駅へ折り返す事にもなっておりました。
