この「あそ1962」とは、運行を終了しました「あそBOY」のつなぎ役として、平成18年から平成22年まで運行されていた列車でありまして、「1962」はこの編成に存在しておりますキハ58-139の製造年であります昭和37年から取ったものでありました。
この「あそ1962」自体は、昭和37年製の車両が存在していた事から、それに関しましたデザインとなっていたのが特徴でもありまして、レトロ感を感じつつ運行されていた観光列車でもありました。しかし、この「あそ1962」は平成22年に運行を終了しまして、以来所属先の熊本車両センターに留置されておりまして、保留車として在籍しておりましたが、老朽化も進んだ事もありまして、平成30年に小倉総合車両センターへ廃車回送、その後解体されております。
その後は熊本~宮地間にはつなぎ役でありました後述の列車を経まして、キハ183系1000番台気動車を使用しました観光特急列車「あそぼーい!」が以下画像のように運行されておりましたが、平成28年に発生しました「熊本地震」のため豊肥線が寸断した事から、その下の画像のように別府・大分~阿蘇間などで運行されておりましたが、令和2年夏に豊肥線が全線運行を再開した事に伴いまして、熊本~阿蘇~大分・別府間で運行されております。
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(令和元年撮影、別府・大分〜阿蘇間運行時の「あそぼーい!」)
さて、ここまでご紹介しておりますように、先述のように「あそ1962」の前に運行されておりましたのが、8620形58654号蒸気機関車+50系700番台客車の「SLあそBOY」と言う流れが一般では考えられる所であります。
しかし、実際は「SLあそBOY」の後には「ディーゼルあそBOY」として運行されておりまして、不調により運行する事ができなくなりました8620型58654号蒸気機関車のピンチを救ったと言う事が平成17年にありました。今回は、その「SLあそBOY」のつなぎ役でありました、その「ディーゼルあそBOY」に関しまして皆様にご紹介してまいります。
平成17年6月、これまで運行しておりました「SLあそBOY」が、牽引機の8620形58654号蒸気機関車の台枠などの老朽化による不調によりまして、運行を終了する事になりました。しかし、年内の運行日が決まっておりましたので、完全に運休する訳にはいかず、平成17年7月よりDE10形ディーゼル機関車牽引によります「ディーゼルあそBOY」が運行開始する事になりました。
この列車の運行は、DE10形ディーゼル機関車+「あそBOY」用の専用客車であります50系700番台客車3両で運行されておりまして、ダイヤに関しましてはほぼ変わらずに運行されておりました。それでも、ディーゼル機関車牽引と言う流れでありましたので、SLとは違った形であった事が残念な所ではあったようであります。
以下画像が、その「ディーゼルあそBOY」としての姿でありまして、当時の撮影技術もありまして、編成もフルには収めていない事に関しましてはご容赦いただきたいと思いますが、よく見ましても現在はJR九州では営業用では存在しておりません赤の塗装、そしてウエスタンスタイルでありました50系700番台客車の塗装の姿がそれを伺わせるのではないかとも思います。
(先頭はDE10 1206)
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しかし、やはりと言うべきか利用者はSLに比べましたら半減しておりまして、やはりSLほどの人気がなかった事が伺わせてもいましたが、それでもこの年の運行でありました11月末までは運行されました。
そして、翌年の運行からは同区間では冒頭ご紹介しましたキハ58系気動車運行によります「あそ1962」に変わりましたが、ご紹介しておりますように平成22年に運行を終了しまして、そして平成23年からは再び同区間のつなぎ役として、キハ185系気動車運行によります特急「阿蘇ゆるっと博」を経まして、キハ183系1000番台気動車運行で、呼び名は違えども「あそぼーい!」となりましたが、現在はご紹介しておりますように「熊本地震」を経まして、全線運行再開しました豊肥線の特急列車の一つとして運行されております。
また、ご存知のように8620型58654号蒸気機関車+50系700番台客車の編成も、8620型58654号蒸気機関車が台枠を新製した事もありまして復活を遂げておりまして、熊本~人吉間に運行区間を変えまして「SL人吉」として引き続き運行を続けておりましたが、「令和2年熊本豪雨」により豊肥線は寸断しまして列車自体は運休となりましたが、8620型58654号蒸気機関車の引退に伴い、3月の運行終了まではその下の画像にありますように熊本~鳥栖間に変わりまして運行されておりました。
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(「SL人吉」)~現在は運行終了
確かに、本来の運用ができなかったら、何と言いましても代わりが出てくるのは当然の事です。しかし、代わりが出て来ましてもこの「ディーゼルあそBOY」みたいに逆効果な場合が生じる訳ですので、やはり目玉をなくす事になりましたら、どれだけ残念な事なのかが本当によくわかるのではないかとも思います。
尚、この8620形58654号+50系700番台客車の「SL人吉」は、これまでもご紹介しておりますように3月で運行を終了しております。これに関しましては残念ではありましたが、100年にわたって運行してきた蒸気機関車ではあるだけに、致し方ない所ではありますが、今後は人吉市に戻りまして余生を過ごすとの事で、引き続き雄姿を見せていただければと思う所ではあります。
今回は、「SLあそBOY」の代役として運行されておりました「ディーぜルあそBOY」に関しましてご紹介しましたが、この編成でありますDE10形ディーゼル機関車+50系700番台客車3両の編成に関しましては、現在は以下画像のように団体などの臨時列車におきまして実際にその姿を見る事ができております。しかも、こういった形で運行されております列車は引き続き好評を得ておりますので、かつて運行されておりました「ディーゼルあそBOY」の時の姿を思いますと複雑な感じにも見えておりますが、過去にはSLの運行をつなぐために同様の運行列車がが存在していた事を存じていただければとも思っております。
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