中央線快速にグリーン車が連結される際の、詳細が発表されています。
10両編成に2両のグリーン車を増結して12両。
東京~大月・青梅間で運行。この2つは既に発表されていました。
【その1】発表の中身
今回の発表ですが、
《1》10月13日(日)から、一部列車でグリーン車連結。
当面は「お試し期間」として無料で乗れる。
多数の編成が走っていますから、短期間のうちにグリーン車を連結するのは困難です。9日間くらいで集中して連結するのかと予想していましたが、何か月もかけるようです。(グリーン車として営業開始する日は未発表です)
その間、グリーン車を「お試し期間」として無料開放します。
運賃だけで、定期券だけで、中央線グリーン車に乗れるのです。
《2》乗換時のグリーン料金の通し計算は無し。
東海道線から総武快速に乗り換える際などは、1枚のグリーン券で乗り継ぎが認められていました。
ただし、中央線・青梅線では、他の路線との乗り継ぎでは、別にグリーン料金が必要になります。
中央線から新宿駅で湘南新宿ラインに乗り換えたら、グリーン料金は別々に必要になります。
私は予想していたことですが、他路線とのグリーン料金の通し計算は、正式にできないと発表されました。
《3》「お試し期間」は、FREE Wi-Fi、グリーン車のトイレ等は利用できず。
FREE Wi-Fi無し、グリーン車のトイレ利用できず、ごみ箱の利用不可、アテンダントによる案内無し。
料金不要ですから、大多数の普通車の乗客と差が大きくなりすぎるのを防ぐためでしょうか。
夜の下り高尾行で、酒盛りしても、トイレ無し、ごみ箱無しになります。
《4》車内販売の有無については、発表無し。
お試し期間は通路まで埋まって車内販売は無理でしょう。
来春になりそうですが、グリーン車として運行される期間の車内販売の有無も未発表。
公式発表はこちら↓
https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240910_ho02.pdf
【その2】常磐線の導入時
2007年3月17日から、常磐線の普通列車グリーン車が導入されました。
今から18年前も、導入直前の2~3か月、グリーン車が連結編成と、非連結編成が混ざっていて、「無料お試し期間」として運転されました。
その時の様子をご紹介します。
《1》初期はグリーン車連結編成が少ない
2か月くらいかけて、少しずつ編成にグリーン車を組み込むわけです。
初日には、ほとんどグリーン車は連結されていません。2週間、3週間と経つうちに、少しずつグリーン車連結編成が増えていきました。
ですから、初日にお試しグリーン車に乗ろうとすると、大混雑になりそうです。
もともと中央線快速は、ラッシュ時でない昼間でも、座れずに立つ客が多い路線ですから、ものすごく少ないグリーン車に座るのは大変だと思います。
《2》グリーン車連結の列車を駅で案内
どの普通列車にグリーン車が連結されているかを、多くの駅では張り紙で案内していました。
日によって違いますので、「本日のグリーン車が連結されている編成」として張り出していました。
4扉の電車の中に、2扉のグリーン車が入るわけです。
グリーン車のことを知らない人が4号車の扉の前に並んでいたら、もう既に通路まで満員のグリーン車4号車が到着。隣の3号車に移るか強引に4号車に乗ろうとするかですが、時間がかかり遅れの元となります。
(中央線では公式の「JR東日本アプリ」でも、グリーン車の有無は案内するのだそうです)
《3》夜の上野駅は長蛇の列
当時は上野東京ラインは開業前で、常磐線はすべて上野始発でした。
無料グリーン車には、長い行列ができるのは予想していました。
そこで、上野駅から1本見送って15分後の普通列車ならグリーン車に座れるかもと思って行ったら、とんでもない大行列!
1本見送っても座れそうもない行列でしたので、断念しました。(番線が違うので次の列車でも座れるか微妙)
更に中央線と異なり入り口が狭く1列乗車でしたから、1列となっている行列がグニャグニャで最後尾がどこか分からない状態でした。(整列を誘導するJR職員はいませんでした) これはトラブルのもとになりそうです。
朝ラッシュで三鷹から「お試しグリーン車」に乗ろう、とすると座るのはもちろん不可、通路に立つのも厳しい気がします。
《4》1階2階の通路ではなく、デッキに立つ客多し
常磐線の無料お試しグリーン車は、昼間でも、ほぼ満席になっていました。
1両に15人くらい座れずに立つのですが、大半がデッキに立つのです。2階の通路ではなくて、扉付近のデッキです。
2階の通路の方が、降りる人がいたら、その後にパッと行って座れるのですが、扉の近くのデッキに立つのです。・
おそらく、《立つなら壁にもたれた方が楽だから》でしょう。
2階の通路だと、揺れるから座席の出っ張りにつかまる必要があり、スマートフォン(携帯電話)の操作がしにくいのです。
壁にもたれることが可能な「1等地」を奪われるのを防ぐためか、通路を絶対に動こうとしない人が目立ちます。
中央線快速のグリーン車の扉は、従来より広くデッキの通路は広くなっていますが、左右の壁に人が張り付いたら、乗り降りがしにくくなるのは確実です。
階段に座り込む人もいて、2階から降りにくくなるのはよく見る光景でした。
【その3】傾向と対策
《1》初めの数日は、マニアに任せては?
初日に、どれだけの本数にグリーン車が連結されるか、そして何人が乗ろうとするか予想つきません。
とはいえ、グリーン車連結本数が少ないのにかなり注目されていて、予約も不要ですから、「初日は空いていた」は期待しにくいでしょう。
一般の人や軽い鉄道ファンは、初日のグリーン車に途中駅から乗ろうとするのは避けるのが無難だと感じます。
初日の状況は、鉄道マニアがツイッター(現在のX)に情報を乗せるハズです。
たとえば「朝の豊田駅始発でも、おためしグリーン車は豊田を発車した時点で満席だった」とか、ツイッター(X)で情報を流してくれるでしょう。アクセス数目当てのユーチューバーも、参戦しそうです。
それで情報を仕入れているうちに、少しずつグリーン車を連結する編成が増えてきて、利用しやすくなるのでは?
《2》末端区間なら空いていそう。
末端区間なら、空いていると思います。
たとえば夜の上り「大月→八王子」「青梅→立川」とか、夜の下りでも「八王子→大月」なら比較的空いているのでは?と予想します。
私は2007年の常磐線グリーン車の「無料お試し期間」の1月2月に、15回ほど千葉県内から水戸まで仕事に行っていました。
往きは「フレッシュひたち」(現在の「ときわ号」)、帰りは20時過ぎの普通列車を利用しました。その際には5割くらいの確率で無料グリーン車が連結されていて利用しました。
夜の上りとは言っても、さすがに県庁所在地の水戸から友部あたりまでは乗客が多かったですが、その先はガラガラ(乗車率約20%)でした。常磐線のグリーン車導入時も、末端区間の逆方向なら空いていたのです。
駅で弁当とビールを買って、ゆったりと帰ったものです。途中の特急通過待ちで、缶ジュースを自販機で買うのも定番でした。
《3》扉付近に立たずに、1階の通路中央に
デッキの扉付近に立たれると、乗り降りがしにくくなり、電車の遅れにつながります。
乗降デッキの扉付近に立つのは、止めましょう。
だったら、ぜひとも1階の中央に立ちましょう。揺れが比較的少なく、乗り降りの邪魔になりません。さらに空席ができたらサッと座れます。(写真は似た形式の総武線グリーン車↓)
《4》コンセントが利用可能?
18年前の常磐線と異なる条件の1つは、「電源が使用できる」と思われる点です。
中央線快速グリーン車は、横須賀線・総武快速線の新型車両と同じく、全席に電源コンセントがあります。
スマホの充電や、ノートパソコンの利用に便利です。(Wifiは利用不可ですが、電源は利用可なのでは?)
すると、東京駅から八王子駅まで帰る会社員なら、無料グリーン車に座れれば、約1時間文書作成ができて、家での持ち帰り残業が減らせることになります。
普通車のロングシートでノートパソコンは厳しいですが、テーブルとコンセントがあるグリーン車両なら問題なく可能です。(写真はそ横須賀線・総武快速線の新型↓)
《5》遅れが慢性化するとJRも対応とる?
普通車が停まると思っていたら、満員のお試しグリーン車が停まって、乗り切れないから隣の車両に移動・・・でしたら、対策は取りやすいです。駅の駅員が「次はグリーン車が連結されています。料金不要ですが満席でお座りいただけません」などと案内することで、グリーン車と隣の車両の乗り降りが長引くことを防げます。
ですが、遅れが慢性化すると、何らかの対応を取るのでは?と推測しています。
★新宿・四谷・お茶の水、神田から朝ラッシュ時の上りに乗車を規制。
★朝ラッシュ時に、東京駅での座席転換を休止。(座席が後ろ向きで発車)
★交互に座席回転させて固定し、ボックスシート状態にしてグリーン車の魅力を低減し混雑回避(ここまではやりすぎかな)
《6》特急「はちおうじ」との比較
同じような区間に、特急「はちおうじ」も運転されています。
特急は指定席で早く着きますから、立川・八王子の利用者は特急が有利です。
料金はほぼ同額ですが、特急は割引が活用できることがあります。
普通列車グリーン車が有利なのは、国分寺など特急が停まらない駅の利用者も使える点と、本数が多い点でしょう。
●8/12の中央線グリーン車の予想の記事↓