『鉄道ピクトリアル』誌の私鉄特集増刊号、今年は京成電鉄特集です。
何と17年ぶりの特集ということで、その間には最速160kmの空港特急もデビューするなど、随分様変わりしています。
現況を紹介する記事も興味深く拝見しましたが、オールドファンの私としては、歴史的な記事を楽しく読みました。特に、寺西知幸氏の「列車運転の興味今昔」「開運号からスカイライナーへ」、白土貞夫氏の「京成電鉄歴史雑話」、石本祐吉氏の「思い出の京成電車 青電の時代」澤内一晃氏の「704・750系の技術史」、荒井浩司氏と西山久氏の「めくり・単板ourメモリー」といった記事が、今まで疑問に思っていた点に触れていたこともあり、印象に残りました。
とはいえ、「現在(いま)の京成」を知りたいという皆さんにとっては、今回の増刊は少々不満が残ったかもしれません。新形式3200形は、最近メーカーから回送されたばかりではありますが、締め切りの関係からか写真はなくイラストのみでした。また、刊行が来年以降であれば、旧新京成線合併後の姿を見ることができたのではないかと思います。新京成については、その終焉に合わせて通常号で特集を組んでくれるものと(勝手に)思い込んでいます。(新京成関連の記事としては、江原光昭氏の「成田街道踏切の古城」があり、これも「秘話」として興味深く拝見しました)
ともあれ、今回の特集を一読すれば、地味な存在と思っていた京成電車の魅力を再発見できるのではないかと思います。『鉄道ピクトリアル』誌の私鉄特集増刊号、以前は年2回の刊行でしたが、今では年1回となっています。従って次回の京成特集はまたも十数年後となる可能性が大ですが、その頃には成田空港のターミナルビル再編が終わり、新装成った空港駅に新しい「スカイライナー」が乗り入れているかもしれませんし、旧新京成線もすっかり京成電車に馴染んでいることでしょう。いや、ひょっとすると系列の関東鉄道や小湊鉄道のディーゼルカーも、京成の一員として登場していたりして。そう考えると次回の特集も楽しみですね。