JRの急行復活 | 京阪大津線の復興研究所

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 自由席は着席保障が得られない反面、指定席より安いのが魅力ですが、空港輸送に話を限ればさらに重要なポイントがあります。それは、時間に縛られず利用できる点です。

 空港の場合、特に国際線の到着時刻は乱れやすく、乗り継ぐ鉄道の座席指定券を事前に購入しにくいのが実情です。よって、到着後に任意の自由席車を選ぶ需要は確実に存在するのです。しかし、「はるか」の自由席特急料金では「ラピート」に歯が立たないのは前回見た通りです。

 これらの問題を総合的に考えると、最善の策は「はるか」を急行に格下げすることです。JRの定期運転の急行は、2015(平成27)年3月14日の「はまなす」を最後に全廃されて久しいですが、制度としては存続しています。その自由席料金は50キロまで560円、100キロまで760円、150キロまで1,000円です。

 関西空港駅ー大阪駅間の営業キロは56.7km、運賃は1,210円なので、合計額は1,970円です。「ラピート」は1,810円なので、差は縮まります。JRの急行の復活は郷愁の観点から語られがちですが、列車種別としての急行の価値は、一にも二にも「料金の安さ」なのです。

 

 スピードは特急より速くても一向に構いません。例えば国鉄時代にも札幌駅ー旭川駅間をノンストップで結ぶ電車急行「さちかぜ」が、気動車特急を上回る速さで運転されていました。

 指定席利用の場合、閑散期は330円、それ以外は530円が加算されるので、合計額はそれぞれ2,300円、2,500円です。「オーバーツーリズムの荷物対策」の記事で述べた「ラピート」の隣席同時購入を適用した場合、通常時は400円、混雑時は790円が加算され、合計額はそれぞれ2,210円、2,600円となるので、価格上はほぼ互角になります。

 なお、「はるか」は9両編成の指定席車が6両、6両編成では指定席車が4両(いずれもグリーン車1両を含む)であり、自由席車はそれぞれ3両と2両です。

 

 飛行機の搭乗時間に合わせる往路はこれで良いですが、復路は自由席車が少なすぎる感があり、「ラピート」にはない強みを押し出すには力不足です。関西空港駅発の上り列車に関しては、指定席車のうち1両を自由席車に変更するのが妥当でしょう。

 

 

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