今回の【駅】シリーズは、
京都府京都市右京区中央部の住宅街に位置する山陰本線【愛称:嵯峨野線】の駅で、快速停車駅であり、JRにおける嵯峨野地区および嵐山地区への玄関口となる駅、そして保津川沿いの旧線にて運行している嵯峨野観光鉄道(嵯峨野観光トロッコ列車)との乗換駅でもある、
嵯峨嵐山駅 (さがあらしやまえき。Saga-Arashiyama Station) です。
尚、今回の記事ではJR駅のみ紹介いたします。
嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅の記事につきましては後日UP予定です。
駅名
嵯峨嵐山駅 (JR-E 08)
所在地
京都府京都市右京区
乗車可能路線
JR西日本:山陰本線【愛称:嵯峨野線】
隣の駅
京都方………………太秦駅
園部方・幡生方……保津峡駅
乗換可能駅
嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線………トロッコ嵯峨駅まで徒歩4分
京福電気鉄道【嵐電】:嵐山本線……嵐電嵯峨駅まで徒歩7分
(※)阪急嵐山線の嵐山駅までは約1.6km、徒歩25分ほどを要します。
訪問・撮影時
2021年3月
駅概要
駅形態……………地平駅(1897年、嵯峨駅として開業。1994年に現駅名へと改称)。
駅舎………………2008年完成の橋上駅舎。南北自由通路を兼ねています。
出入口……………南口、北口。
バリアフリー……○(各出入口~橋上階、橋上階~各ホームにエレベーター設置)。
点字ブロック……各出入口~改札~各ホーム間に設置。
駅前広場…………南北にあり(ロータリー・タクシー乗り場併設。バス停なし)。
正面口に相当する南口です。北を望む。
橋上化以前はこちらの南側にレトロな駅舎が鎮座していました。
現在の橋上駅舎も景観に配慮したデザインとなっています。
階段と上りエスカレーターの出入口が正面と右側にあり、エレベーター出入口が正面奥にあります。
左手には嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅があります。
南口にはロータリーを有する駅前広場が整備されており、タクシー乗り場や公衆トイレ(左前方。多機能トイレ併設)が設けられています。
但し、北口を含めて駅前に乗り入れるバス路線は存在しません。
南口から最寄りのバス停留所は駅前通りを500m少々南下、桂川北岸を通る三条通沿いにある角倉町停留所になります。ちょっと遠いです。
写真は東を望む。左手に南口の正面出入口が、後方にトロッコ嵯峨駅があります。
南口の西隣(写真奥)には嵯峨野観光鉄道のトロッコ嵯峨駅があります。
冬期運休ですが、運行期間中は多くの観光客で賑わいます。
尚、嵯峨野観光鉄道線は全てトロッコ列車での運行で、全席指定となっています。
きっぷ購入時にトロッコ嵯峨駅で指定を受けられますが、既に満席だと乗車できないため、事前にJR西日本・京阪神地区の主要駅「みどりの窓口」でも購入可能です(発売駅は嵯峨野観光鉄道のHPhttps://www.sagano-kanko.co.jp/index.phpを参照)。
南口駅前です。南を望む。右側にトロッコ嵯峨駅があります。
奥に延びる駅前通り(府道135号線)沿いには商店街が形成されていますが、観光ムードはあまり出ていません。
駅前通りから左右の路地へ入ると住宅街が広がっています。
地域柄、景観に配慮してか中層以上のマンションは見られません。
駅前通りを250mほど直進すると、京福電気鉄道嵐山本線【嵐電嵐山本線】の嵐電嵯峨駅に到達します。
また、嵐電嵯峨駅前の交差点を右折して400mほど西へ進むと、嵐山地区の中心部にたどり着きます。
この中心部に天龍寺や嵐電の嵐山駅があり、南北方向に延びる目抜き通り沿いには観光客向けの店舗が軒を連ねています。その南側に桂川を渡る渡月橋があります。
こちらは橋上化により2008年に新設された北口です。南西を望む。
南口が嵐山への玄関口だとすると、こちらの北口は嵯峨野への玄関口になります。
駅前広場西寄りに階段・上りES・エレベーターの出入口があります。南口よりこぢんまりとしています。
左側にある駅舎と同じデザインの建屋は有料駐輪場です。
北口もロータリーを有する駅前広場が整備されており、タクシー乗り場は設けられていますが、やはりバス停留所は存在しません。
最寄りのバス停留所は、駅前通りを約200m北上、交差する丸太町通沿い(交差点西側)に嵯峨嵐山駅前停留所が設けられています。
北口駅前です。北を望む。左手に北口出入口があります。
元々「駅裏」だったため駅前に商店は少ないですが、約200m北を東西方向に延びる丸太町通沿いには商店が点在しています。
丸太町通沿い、駅から約450m西北西にある「コーヒーショップヤマモト」は人気店だそうです。
駅前には住宅街が広がっている一方、500mほど北や北西へ進むと、田畑が見られるようになるのが特徴です。
約1km西は小倉山地区で、嵯峨野竹林の小径、小倉池や二尊院などの寺院があります。
約1km北は北嵯峨地区で、大覚寺や嵯峨天皇陵などがあります。北嵯峨地区は田畑の割合が高いです。
橋上階にある改札口です。東を望む。
右が南口(トロッコ嵯峨駅方面)、左が北口です。
駅員配置………あり(業務委託駅。改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載インターホン有)。
自動改札機……あり(4通路)。
ICカード………利用可能(『ICOCA』エリア内。
交通系ICカード全国相互利用サービスの各種カードもOK)。
幅広通路………あり(一番右の自動改札通路。点字ブロック設置)。
有人通路………あり(窓口に面した右端の通路。車いす対応幅)。
窓口……………あり(改札窓口のみ。右側にあった『みどりの窓口』は2019年3月廃止)。
自動券売機……あり(改札口の右手前。ICチャージ可。『みどりの券売機プラス』を併設)。
自動精算機……あり(ICチャージ可)。
トイレ…………改札内(多機能トイレ併設)、改札外南口駅前広場(多機能トイレ併設)。
改札外設備……インバウンド向け観光案内所・コインロッカー・銀行ATM
改札内設備……AED(自動体外式除細動器)・駅スタンプ・ベンチ・飲料自動販売機
売店……………あり(改札外左側に「セブン-イレブン キヨスク」があります。
コンビニ………なし(最寄店舗は南口の約70m南「ローソン」)。
『みどりの窓口』跡には訪日外国人向けの案内所が設置されています。
そして1階にある各ホームとの間は階段・上りエスカレーター・エレベーターで結ばれています。
嵯峨嵐山駅はバリアフリーに対応しています。
改札内より改札口を撮影。西を望む。
左側には自動精算機が設置されています。
改札内コンコースにはやたらとベンチが多いです。
下り3番のりばに設置の吊下式駅名標です。蛍光灯による電照式と思われます。
JR西日本の標準デザインで、下部は嵯峨野線のラインカラーである紫色に塗られています。
尚、嵯峨嵐山駅の駅ナンバリングは「JR-E 08」ですが、この駅名標には記載されておらず、柱に掛けられている縦型の駅名標のみに記載されています
また、嵯峨嵐山駅は特定都区市内制度における京都市内駅であるため、右側には「京」マークが表示されています。
縦型の駅名標です。3番のりばに設置されているものです。
こちらには駅番号「E 08」が併記されています。「JR-」は省略されています。
駅構造……地平駅(概ね東西方向)。
配線………島式ホーム2面4線。
右ホーム(北)は右から1番のりば・2番のりばの順でともに上り京都方面、左ホーム(南)は右から3番のりば・4番のりばの順でともに下り園部・幡生方面です。
北側の1番のりばと3番のりばが主本線(通過線)で、南側の2番のりばと4番のりばは副本線(待避線)です。
3番のりばと4番のりばは上り方への発車にも対応しているため、京都方面からの当駅折り返し列車の一部は4番のりばから発車します。
3番・4番のりばから見て、1番・2番のりばは若干幡生方(奥側)にずれています。
ホーム有効長……1・2番は11両分(但し京都方1両分、幡生方の2両分は柵により立入禁止)、
3・4番は8両分。
ホームドア………なし(2021年3月時点)。
ホーム幅…………2面3線から2面4線へ改良したこともあり、全体的に若干狭いです。
上屋(屋根)………1・2番は列車が停車する8両分に設置(両端の一部は雨ざらし)、
3・4番は中ほどの6両分に設置。
ホーム上設備……ベンチ、冷暖房完備の待合室。飲料自販機は無かったと思います。
各ホーム中ほど付近は橋上駅舎に覆われています。
上写真と下写真は3番のりばより、中写真は2番のりばより、全て園部方・幡生方を望む。
また、4番のりば幡生方の南側(左)には嵯峨野観光鉄道線のトロッコ嵯峨駅ホームがあります。
JR線との間に乗換改札はなく、乗り継ぐには一旦改札外(南口)へ出る必要があります。
写真は幡生方を望む。
上写真は1番のりばより、中写真は2番のりばより、下写真は3番のりばより、全て京都方を望む。
左から1番のりば~4番のりばの順で、4番のりば幡生方(手前側)の右にはトロッコ嵯峨駅ホームがあります。
上写真は2番のりばより、下写真は3番のりばより、いずれも京都方を望む。
前方に下り線から上り線への片渡り線があり、京都方からの当駅折り返しに対応しています。
この先、盛土高架区間になって畑も残る住宅街の中を一直線に東へ走りますが、途中の有栖川を渡る手前に踏切があります。有栖川を渡っても盛土高架区間で住宅街を走り続け、やがて地平区間に変わるとほどなくして難読駅名である太秦駅(うずまさえき)へと至ります。
上写真は3番のりばより、下写真は2番のりばより、いずれも園部方・幡生方を望む。
左側にはトロッコ嵯峨駅ホームが見えます。
また、前方では府道29号線の陸橋が嵯峨野線を跨いでいますが、この陸橋は嵐山駅(現在の嵐電・嵐山駅と同一地点)と清滝駅(嵯峨嵐山駅から約3.3km北西の山中)を結んでいた愛宕山鉄道平坦線の廃線跡を転用しています。
この先、すぐに嵯峨野観光鉄道線が嵯峨野線下り線に合流し、しばらくの間、下り線は嵯峨野観光鉄道線上下線との共同使用区間になります。府道29号をくぐると左へカーブして住宅街を脱し、竹林の中を西南西へ進むと右へカーブして小倉山トンネルに入りますが、このカーブ地点で嵯峨野観光線が直進する形で分岐し、すぐの地点にトロッコ嵐山駅が設置されています(嵯峨野線列車からトロッコ嵐山駅ホームを確認できます)。小倉山トンネルで小倉山の直下を北西へ走り、左カーブで進路を西に変えると小倉山トンネルを出て、嵯峨野観光線をオーバークロスすると保津川とも呼ばれる桂川も渡ります(同時に西京区に変わります)。その直後に第一保津トンネルをくぐり、トンネルを出ると同時に嵯峨野観光線のトンネルを乗り越して、保津川を渡る橋梁にホームが設置されている保津峡駅へと至ります。保津川が京都市西京区と亀岡市の境界になっており、保津峡駅ホームは両市にまたがっています。駅舎は川を渡った先の亀岡市側にあるため、現在の保津峡駅は亀岡市に所在する駅ですが、旧線時代の保津峡駅(現・トロッコ保津峡駅)が京都市西京区に所在する駅だったことから、現在地に移転後も保津峡駅は特例として京都市内駅扱いとなっています。ちなみにトロッコ保津峡駅は保津峡駅上り線ホームから見ることができますが、実際に乗り換えるとなると北側の保津川対岸へ迂回しなければならないため、1.2kmほど歩かねばなりません(両駅ホーム間の直線距離はその半分以下の500mほどです)。
あとがき
下車(乗車)時・・・1991年、2002年2回、2014年、2021年
橋上駅舎化以前と以降に訪問しています。以前は南側にレトロな駅舎が鎮座していました。現在は島式ホーム2面4線で、ラッシュ時は緩急接続が行われます。駅前は南口西側にトロッコ嵯峨駅があるものの、嵐山からは少し離れていることもあり、駅前は普通の住宅街で商店街はあるものの観光地の玄関口としてはやや不足あり、といった印象でした。とは言え、嵐山の中心部までは600mほどしかなく、じゅうぶん徒歩圏内です。
鉄路のみで
東京から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。
東海道新幹線で京都下車、嵯峨野線の快速・普通に乗換。
大阪から・・・当日中に到達可能、日帰り往復可能。
JR京都線の新快速で京都下車、嵯峨野線の快速・普通に乗換。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・あり (南北の駅近くにあります)
飲食チェーン店・・・なし (駅周辺にカフェが多いです)
東京からの到達難易度もさほど高くありません。
嵯峨野線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は嵯峨嵐山駅でも途中下車してみて下さい!
そして嵯峨野や嵐山を観光の際はぜひとも嵯峨野線をご利用になり、駅も観察してみて下さい!
(参考:JR西日本のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)
テーマ:近畿の駅(兵庫県を除く)