

コンクリートとアスファルトで固められた都心部でも、夏になるとどこから出てくるのか、セミの鳴き声が聞こえてくるのだが、今年は全く聞けなかった。それがここ数日になってようやく聞こえてくるようになった。あまりにも暑い日々が続いていたので、セミも活動を止めていたのだろうか。
確かに朝夕はやっと空気が和んできた気がする。暑さ寒さも彼岸まで・・と言われるが、まだ一か月以上はジッと耐える日々だろう。来週の台風も心配だ。
さて、16番スケール鉄道模型の新製品をチェックしていたら、少し前に近鉄3000系のキットが発売されていた。オッと思ったものの、今はキットでも高価だし、また不良在庫が増えるだけだしなあ・・と考えていたら、すぐに市場から消えたようだ。最近の製品は生産数も少ないから発売を知った時には品切れというのは、よくある話だ。
3000系は、車種が多い近鉄の通勤車で異色の存在だった電車。確か、一度だけ乗った時に撮った写真があるはず・・と探して見つかったのが本日の画像。近鉄には割と乗っているが、名阪間か伊勢志摩方面が大半なため、京都線系統限定運用だった3000系に乗ったのはこの時だけだ。
1979年に4両1編成のみが製造された3000系。当時予定されていた地下鉄乗り入れ対応や省エネ(チョッパ制御)など試作要素満載だった電車。現在に至るまで、近鉄で唯一のステンレス車両だ。
模型ではエンドウが同時期にデビューした30000系ビスタカーと共にNゲージで製品化しており、金属製品ならではの質感が光る好アイテムだった。

地下鉄烏丸線の開業が予定より遅れたため、近鉄からの乗り入れ車両としては技術の進化(アルミ車体、VVVF制御)を採り入れた3200系が作られた。結局、3000系は一度も乗り入れに使われることなく廃車になっている。