大分交通グループの一般路線バスを利用しました、国東半島を周回する一般路線バスの乗車記録の話題をご紹介しておりますが、前回その2では、国東観光バスの国東~伊美間、そして国東営業所内の撮影も併せてご紹介しました。
国東観光バスに所有します路線車は、そのほとんどが大分交通本体からの移籍車でありまして、しかも古参車両の場合でしたら幕式からLED行先に大分交通時代に改造されていた車が国東観光バス移籍に際しまして幕式行先に戻されると言った姿も見られております。
しかも、上の画像2のようにIKコーチ(現・ジェイバス)架装のジャーニーLR(大分22か19-65)あれば、画像1のように富士重工6E架装車のいすゞLR(大分22か18-20、いずれもU-LR332J)までも見られておりますので、見た目からも富士重工架装車の固い印象さえも感じさせられる所ではあります。
そんな国東観光バスも、現在はいすゞエルガミオワンステップの大分交通本体からの移籍車(大分200か・・61、KK-LR233J1)も導入されておりまして、大分地区で活躍していた車が移る事で、杵築営業所所属車とともに古い車の置き換えも徐々に進んでいるような状態ではあります。
そして、伊美への移動には、画像の車(大分22か20-07、U-LR332J)が使用されておりましたが、大分交通時代にも「国大線」で活躍していたトップドア車でもありますので、国東半島を知る車として引き続き活躍する姿は、まだまだ大きな存在であると言ってもいいかとも思います。
(側面行先)
(車内より周防灘を望みます)
さて、3回にわたってご紹介しました、大分交通グループの路線バスによります国東半島バス乗り継ぎの話題も最終回となります。今回最終回は、大交北部バス運行の伊美~宇佐駅間の乗車の模様を皆様にご紹介してまいります。
国東バスターミナルから約50分でやってまいりましたのが、その下の画像の国東市の北側、国見町の伊美バス停であります。このバス停が、国東観光バス・大交北部バスの実質的な境目となる所でありまして、待合所とともに、トイレや乗務員休憩室もこのバス停内に設置されております。
(待合室及び休憩室)
伊美バス停と時刻表です。時刻表はクリックしてご覧いただければと思いますが、国東観光バスの国東方面、そして大交北部バスの宇佐駅方面が運行されておりますし、それに国東観光バス運行の伊美~赤根間、そしてコミュニティバス「おでかけ号」が5路線と、このバス停発着で運行されている姿が見られております。
(時刻表)~竹田津・赤根・宇佐方面
(同)~国東方面
伊美バス停の待合室です。よく見ますと年季の入ったベンチに加えまして、これまた年季の入ったバスの座席も待合椅子として活用されている姿が見られておりました。ただ、正直どこ座ればいいのか?と思わせるほど椅子が様々な方向にも向いて置かれてもいますし、ほこりや鳥のフンまでも見られておりますし、壁も壊されていたり落書きされている部分もあるなど、状態はあまり良くない事が伺わせておりました・・・。
(路線バスから転用した椅子)
(落書きが見られる壁)
バス乗場の所には、待機場も設けられておりまして、その待機場には以下画像の車が見られておりました。
このラッピングが施されました車(大分22か18-34、いすゞU-LR332F)でありまして、この車は平成5年式、元は親会社大分交通の車でありまして、その後大交北部バスの前身でもありました旧高田観光バスに移籍しまして「トラバスカラー」と呼ばれますクリームに緑のラインが入ったカラーに塗り替えられております。そして、画像にありますようなラッピングが施されておりますし、後述のように車内もその仕様に姿を変えております。
(令和3年乗車時撮影)
画像がこの車の車内であります(令和3年乗車時撮影)。車内には「恋叶ロード」のシートカバーがありますが、この「恋叶ロード」に関しましてはこの後ご紹介しますが、豊後高田市内の国東半島沿いの海岸線を走ります国道213号線沿いにあるロードを意味しております。ちなみに、この時乗車しました宇佐駅→豊後高田間は私達夫婦以外はあと2名の乗車のみでありました・・・。
(「恋叶ロード」シートカバー)
また、反対側にはスクールバス専用車の姿もありました。こちらは地元の小学校のスクールバス専用車ではありますが、よく見ますと日産シビリアンやNV350キャラバンと、使用車両に関しましては、比較的新しい車が使用されている事がお分かりいただけるのではないかと思います。
バス乗場の向かいには、三菱エアロミディ(大分200か・850、KK-MJ23HE)の姿がありました。この車は元は京浜急行バスからの移籍車でありまして、九州では同じ大分県内に日田バス、佐賀県の昭和自動車にも同型が移籍しております。本当に、他の事業者からの移籍車の存在は古い車ばかりのこの事業者にあって、注目される所でもありましょうか。
まだ時間がありましたので、バス停近くのスーパーに飲み物などを買いに行きましたが、この日は天気が良くなっておりまして、数時間前にはゲリラ豪雨が降っていたとは思えないような気持ちよい姿が見られておりました。
さて、時間が迫ってまいりましたので、既に来ておりました大交北部バスの宇佐駅前行きに乗車します。乗車しますのは、いすゞジャーニーLR(大分22か21-31、KC-LR233J)であります。
この車は、平成9年式で大分交通別府営業所で新製導入された車でありましたが、その後大交北部バス高田営業所に転属しております。この車に関しましては、大分交通の路線塗装を維持したままで運行されている事もわかりますが、「トラバスカラー」ばかりの中では目立つ存在でもあります。
同車車内です。シートは赤地のチェック柄と、1990年代後半から全国各地で見られていたシート柄でもあります。また、座席はハイバックシートとなっておりまして、乗り心地も正直今の路線車よりもシートがふかふかしていいのではないかと思います。
(シート柄は赤地のチェック柄です)
さて、伊美バス停発の最終便に乗車しまして、宇佐へ約1時間10分かけまして移動してまいります。画像は、伊美バス停を発ちまして2分ほどにあります伊美港でありますが、ここからは離島の姫島へのフェリーターミナルも設けられておりまして、このバス停からも2名の乗客があっておりました。
(伊美~姫島間フェリー)
さらに、伊美バス停を発ちまして15分後には、山口県の徳山港へ運航されておりますスオーナダフェリーのターミナルであります竹田津港にもやってきておりました。国東観光バスの一部も、国東~伊美間とともにこの竹田津港へも運行されておりますが、かつては高速路線バス「別府ゆけむり号(大分交通・広交観光運行)」も、大分~別府~宇佐~豊後高田を経まして、この竹田津港フェリーターミナルよりフェリーに乗りまして、徳山港から高速道路を経由して広島まで運行されていた事もありましたが、平成29年に廃止されております。
(バス停)
(桟橋)~フェリーはこの時いませんでした
竹田津港より5分ほどで、豊後高田市に入ります。豊後高田市に入りますと、画像のように絵が描かれておりますバス停の姿を見る事ができております。
(香々地バス停)
このイラストがあるバス停の区間は、先述のハートのラッピングが描かれましたいすゞジャーニーLR、大分22か18-34にもありました「恋叶ロード」を表しておりまして、豊後高田市内の国東半島沿いの海岸線を走ります国道213号線沿いにあるロードを意味しておりまして、実際に「縁結びの神様・粟嶋社」や、「夕陽の絶景スポット・真玉海岸(後述)」、「花とアートの岬・長崎鼻」などと言ったスポットがある事から「恋叶ロード」と呼ばれているそうでありまして、まさにデートスポットがこの道路沿いに存在しております。
大分22か18-34の車内には、「恋叶ロード」沿線54箇所のバス停看板がのイラストが見られておりまして、大分市在住でもあります北村直登氏デザインの看板に変わっておりまして、絵の中には、動物をモチーフとした作品を中心に、車や楽器などの希少な作品もありますし、長崎鼻に続くバス停には花のデザインを集めているそうでありまして、まさに「恋叶ロード」にふさわしい車内外となっております。
(画像はいずれも令和3年乗車時撮影)
(一部アップ)
その「恋叶ロード」の周防灘が望める所へとやってまいりました。この時は大変美しい姿が見られておりまして、見ていて気持ちが良かったです。何と言いましても、本当に晴れてよかった、ただそれだけでしょうか・・・。
こちらは、「真玉海岸」であります。大分県で唯一、水平線に沈む夕陽を見る事ができる海岸との事でもありますし、夕陽の絶景スポットとしてテレビでも紹介されるほど「日本の夕陽百選」にも選定されている所でもあります。私自身も、本当に九州にこうした所があったとは・・・と思いましたが、まさに「行かないとわからない」と言う所でしょうか。
ちょうどこの海岸付近には、大交北部バスの伊美行きの路線バス(大分22か18-32、日野U-RJ3HGAA)とがすれ違っておりました。この車は、元々旧高田観光バスの塗装でありましたが、後に画像のカラーに改まっておりました。そんなこの車自体も平成5年式と言う事で、今年で31年になる車ではありますが、まだまだ元気な姿が見られていた事がわかる姿でもあります(車内からの画像のため、正直見にくい姿もある事をご了承ください)。
画像は、イラストも見られます浜内新田バス停であります。そんなこのバス停の所には病院もありまして、敷地内にバス停が設けられております。やはり交通弱者などにはこうした病院の前にバス停がありますと、通院には便利になるのがいいのではないかと思う所ではあります。
(引いてみますと病院敷地内にあるのがわかります)
そして、伊美バス停から約1時間、豊後高田のバスターミナルにやってまいりました。
この豊後高田バスターミナルは、かつては大分交通旧宇佐参宮線の始終着駅として旧豊後高田駅であった所でありまして、昭和40年に廃止後にバスターミナルに改まっております。バスターミナルに改められましたら、大分交通、そして分社化しまして旧高田観光バス、そして大交北部バスとして、豊後高田バスターミナル・高田営業所として現在に至っております。
(バスターミナル正面)~令和3年撮影
この豊後高田バスターミナルには、先述のように大交北部バス高田営業所としての姿が見られておりまして、停車中に画像のようにバスの姿を収めておりました。それにしても、画像からもわかりますように古参車両が見られているのもわかりますし、移籍車も見られておりますが、そのほとんどが「トラバスカラー」である事もお分かりいただけます。
(左・大分22か18-96、U-LR332F改(元大分交通) 中・大分22か19-67、日野U-RJ3HJAA(元大分交通) 右・大分200か・711、日野KK-HR1JEEE(元遠鉄バス))
(左・大分22か19-67 右・大分200か・711)
(大分200か・711)
(大分200か・673、日野KK-HR1JEEE)~元銀河鉄道
(大分200か・・14、三菱KK-MK23HH)~元大分交通
(大分200か・318、いすゞPJ-LR234J1)
それにしても、6月には中津営業所に訪問しまして収める事ができておりましたが、ここでこのような形で収める事ができていたのは正直よかったかと思います。まさに停車時だからこそ収める事ができていた訳ですので。
そして、約1時間10分で宇佐駅前バス停に到着、これで国東半島外周を乗り継ぎでの乗車も終了と言う事になりましたが、大分から約7時間かけましてたどり着く事ができましたので、こうした乗り継ぎもできている事がわかるのではないかと思う所ではあります。ただ、いずれも本数はそう多くはないだけに、そこの面に関しましては悩む所ではありましたが・・・。
(車は豊後高田行きとなります)
今回まで3回に分けまして、大分交通グループの路線によります、国東半島乗り継ぎの乗車記録をご紹介しましたが、営業所撮影などから見ましても、古参車両がグループ会社は未だに多いと言う印象が今回感じさせられましたが、そう言った事から30年前後の車が健在ぶりを見せている所からもよりそう思う所ではありましょうか。また、今回は3路線の乗り継ぎの乗車記録もご紹介しましたが、実際にそうした乗り継ぎの形でも利用できますので、ご覧の皆様も時刻表とにらめっこしまして行程を考えていただければと思っております。もちろん、本数も少ない訳ですので、そう言った事も考えまして利用していただく事をお勧めします。