先日、実家のあれやこれやを片付けていると、「ひかりレールスター」がデビューした当時のパンフレットが見つかりました
インテリジェント・サルーンのキャッチコピーを引っ提げて、”レール上を駆け抜ける流星”をイメージしたスタイリッシュなロゴマークが特徴的な「ひかりレールスター」は2000年3月のダイヤ改正で登場しました
国鉄の分割民営化以降、福岡空港の便利すぎる立地に山陽新幹線を保有するJR西日本は対航空機のシェア争いのなかで、0系を改造した「ウエストひかり」を登場させました
ビュッフェ車の連結や車内で映画鑑賞ができるシネマカーと、なりふり構わず航空機からお客さんを分捕ってやろうという積極策が展開されていました
そんななか、1995年1月に発生した阪神淡路大震災で山陽新幹線が不通になったことから、関西~福岡間は航空機が優勢な状況が続いていました
1997年3月に登場した500系「のぞみ」に続いて、対航空機の切り札としてJR西日本が生み出したのが「ひかりレールスター」です
「ひかりレールスター」専用として製造された700系E編成は8両編成で、16両編成のB・C編成とは違って、500系に似たライトグレーをベースに、陽光溢れる山陽路をイメージしたサニーイエローをラインを配した独自のエクステリアに仕上がっています
車内はモノクラスとなりましたが、普通車指定席については横4列配置のサルーンシートとなっており、シートピッチやフットレストの有無を除けば、グリーン車並みのアコモデーションが提供されています
供食設備はバッサリとカットされましたが、4人用のセミコンパートメントが設けれたほか、緊急時を除いて車内放送が行われないサイレンスカーが導入され、ハード・ソフトの両面で「ウエストひかり」から進化が見られます
車内設備で面白かったのは、乗換案内ができる「旅指南」ではないでしょうか?
デッキに設置された端末で、時刻表や乗換案内が検索できるもので、いわばYahoo乗換案内の先駆けともいえます
当時はようやくガラケーでiモードのサービス提供が始まった頃で、タッチパネルで乗換案内が検索できる旅指南は時代の最先端をいくものでした
最盛期は定期列車が1日25往復運行されていた「ひかりレールスター」も、九州新幹線全線開業による山陽新幹線との直通運転開始に伴い、N700系7000・8000番台車を使用する「さくら」「みずほ」に発展的解消を遂げる形で徐々に本数が削減されていきました
いまや「ひかりレールスター」の定期列車は、早朝の新下関→岡山の片道1本(590号)のみの設定で、絶滅危惧種となっています
700系E編成については、JR西日本の社長会見において、短編成化されるN700系により、2027年までに全16編成中、半数にあたる8編成が500系共々置き換えられることが明らかになりました
レールスターの全面置き換えはまだ先のことになりそうですが、平成を彩った名車の引退はやはり寂しく感じますね