(近江鉄道) 八日市から 米原ゆき | 菅沼天虎の紙屑談義

菅沼天虎の紙屑談義

交通機関を利用する為の切符・・・一般の方々にとっては使い終わってしまえばタダの紙屑で、最後は係員に渡して終わりになるモノです。
そんな紙屑に夢中になってしまった大馬鹿モノの戯言にお付き合い下されば幸いです。

昭和54年12月に近江鉄道本線の八日市駅で発行されました、「八日市から 米原ゆき」の乗車券です。

 

 

近江鉄道社章連続青地紋券となります。

 

経由として「鳥居本経由」の印刷があり、これは拙ブログの2008年8月29日のエントリ「長浜から 高宮ゆき」で申しましたように、近江鉄道本線は彦根~米原間で東海道本線と並行する形となるため、この区間を社線経由である明示するために、彦根~米原間の社線の途中駅である「鳥居本」を経由として印刷してあるものと考えられます。

 

 

 

 

 

こちらは昭和62年4月に発行されました、同じ区間の乗車券です。

 

 

「シンコー印刷」調製と見受けられる券から、「日本交通印刷」調製と見受けられる券に変わり、「鳥居本経由」の印刷は括弧で括られた上で発駅の右側に移動しています。

 

 

 

 

 

拙ブログの2008年8月31日のエントリ、「近江鉄道 米原発社線内乗車券の経由表示」でご紹介いたしました券の画像の再掲です。

 

 

 

「鳥居本経由」が発駅の右側に印刷されているのは、下段の券のように米原発の乗車券では着駅が2段書きとなるケースがあるため、券面スペースの都合で発駅の右側に印刷し、1駅着の乗車券も準じているものと思いましたが、上段の3等級制時代の1駅着の乗車券でも発駅の右側に印刷されている例があり、しかも後年の券のように括弧で括られておりますから、近江鉄道の社線内乗車券の「鳥居本経由」の印刷は、最初にご紹介いたしました券のように、着駅の下に括弧で括らずに記載する一般的な記載方の方が、逆に少数派なのかも知れません。

 

近江鉄道本線の彦根~米原間の途中駅は、当時は「鳥居本駅」の1駅しか無く、必然的に社線経由を表す表記に用いられたものと考えられますが、平成18年(2006年)3月18日に「フジテック前駅」が開業して、途中駅が2駅に増えてからも「鳥居本経由」の表記が用いられ、拙ブログの2019年12月25日のエントリ「近江鉄道 金額式乗車券」で申しましたように、2019年(平成31年)10月1日の運賃改訂から社線内の乗車券が金額式となり、米原発着の社線内乗車券の経由表記も取り止められてしまいました。