KATO製285系の2編成を併結した際に使用する「前面扉(開)パーツ」に関して、「着脱自在な装着方法」の記事(→こちら)を投稿し、多くの方々にご覧頂きました。仕掛けは、ネオジム磁石をボディ内側に仕込み、開放扉の裏面側に磁性テープを貼り付けた構成ですが、使用した部材の発売元模型店が現在は一時休業中(ご病気療養中)であり、当該部材の入手が困難な状況が続いています。そこで、入手可能で代替可能な相当品がないかを調べてみました。

 

最初に磁石から調査します。ボディ内に装着可能な小形で強力な物を探してみました。なお、従来装着のネオジム磁石は、円形(直径4.5mm×厚さ0.5mm)の物で、前面扉装着での走行にも問題ないよう4枚重ね(厚さ2mmに相当)で使用しています。

 

【第一候補】

KATOの電気機関車で、ヘッドマークを装着する際に機関車側に装備されているマグネットです。写真は「EF81 ヒサシ付・JR東日本色」(品番3021-8)です。

 

マグネットは、スカートと一体成型されたプラ枠内に装着されています。

 

マグネット自体は、形状が角柱(縦4mm×横5mm×厚さ2mm)で、ASSYパーツとして「ヘッドマーク用マグネット」(品番Z03-1206)が4個入・定価440円(税込)で販売されています。左正面だけ極性を示すために白色塗装されています。素材はフェライトの様ですので、ネオジム程の強い磁力はありません。

 

2個を並べるとこのような連結状態(後方のマグネットも塗装面が左側にある)で相互に吸着しますので、白色塗装面をヘッドマーク(今回は前面扉パーツ)を付ける側に来るよう装着します。

 

前回と同様に、クハネ285のライトケース内に両面テープで貼付けました。

 

磁力が弱く、前面扉(開)パーツを装着できません。

 

磁力を強化するため、マグネットを二段重ねしてみましたが、前面扉パーツの装着に至りませんでした。マグネット単体の磁力が弱過ぎるようで、第一候補は不採用です。

なお、ライトケースに角穴を開けて、マグネットがボディ前面に密着するようにすれば、使えるかも知れませんが、穴開けはしたくないのでこれは没。

 

【第二候補】

KATOのEF66後期形が2023年5月にフルリニューアルされて発売された製品(品番3090-3)には、もう少し磁力が強いマグネットが採用され(→こちら)、やはりASSYパーツとして「EF66用ヘッドマークマグネット(4個入)」(品番Z03-3279)が定価550円(税込)で販売されています。これを第二候補として検証する心算でしたが、手持ちパーツが行方不明で検証に至りませんでした。

 

ただ、当該記事では、マグネットに関して従来品との磁力比較を行った結果を定量的に記載しており、この結果からも前面扉パーツ装着用にはまだ磁力不足と推定されますので、第二候補も不採用とします。

 

【第三候補】

百均(ダイソー)の文具コーナーで、小形のネオジム磁石を見つけました。

 

8個入りで110円(税込)とお手軽な価格です。

 

形状は、円柱(直径6mm×高さ3mm)です。

 

従来使用品(左側)よりも一回り大きいサイズですが、ライトケース内に装着できました。

 

前面扉パーツを左から車両に近付けていき、吸い寄せられて装着される位置を確認してみました。従来使用品は5mmで吸着されましたが、一回り大きい百均製品では10mmで吸い寄せられ、磁力が強力であることが判りました。

 

そこで、2両に同一種類のネオジム磁石を取り付け、前面扉パーツを装着した状態のボディを向かい合わせにして、磁力の影響による反発の度合いを確認しました。

 

従来使用品通しを近付けても、ホロ部分での隙間は生じません。

 

ボディを立てた状態で近付けても、ホロ部分に隙間が生じることなく理想的な状態でした。

 

次は、一回り大きい百均製品の場合です。

一回り大きい百均製品通しでは、磁力反発による影響でホロ間で6mmの隙間が生じました。

 

ボディを立てた状態で右側ボディを左側ボディに近付けると、磁力反発により、左側ボディは横方向に大幅に逃げてしまう状況となりました。この状態では安定走行が出来ません。

 

そこで、ボディ前面での磁力を弱める対策をしてみます。磁石相互間の距離を広げることで反発力を弱めることが出来ますので、プラ板(白色)のスペーサーを磁石の前に挿入してみました。

プラ板の厚さを色々変えて検証した結果、前面扉パーツの装着具合と2両の反発具合で妥協できたのが、プラ板の厚さが1.2mmの場合となりました。このとき、ホロの隙間は1mmでした。

 

ボディを立てた状態で近付けても、横方向に逃げることなく、ホロ部分での隙間も1mmに収まりました。隙間がなくなるまでスペーサーを厚くすると、前面扉パーツの装着状態が不安定となり、スペーサーの厚さ1.2mmが妥協点となりました。

 

スペーサーは、厚さ1.2mmのプラ板を5mm角に切り出して両面テープで貼り付けてあります。

 

ライトケース内ではヘッドライトレンズに支障しないように、目一杯高い位置に貼り付けました。

 

下回りを装着して走行試験を行いました。前回同様に直線区間に加え、R315の通常カーブ及びSカーブで構成した区間も、なんら問題なく通過。高速~低速でも問題ありませんでした。第三候補の百均ネオジム磁石がスペーサー使用を前提として代替品に採用決定です。

 

最後に、前面扉側のステンレテープは、薄手の磁性体箔であれば大丈夫で、一例として下記製品があります。(厚さが0.04mmで既使用品と同一です)

 

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