メジャーなポイントの逆側から撮ったものは「裏」などと呼ばれる。
只見線なら「第三橋梁裏俯瞰」と言われる。
ちょっと発想を変えたよ、という意味が込められている。
人が集まるところを避けて写そうとすることが多いか。
いずれにしても最初に開拓した方の努力はたたえられる。
自分にはそんな発想力がないが、「これなら」という絵が残っている。自称「滝谷川橋梁裏」。
まともなら画面中央部に見える県道上で、スノーシェッドを抜けたあたりが好ポイント。
この時何を思ったか、一度そこで構えた後で橋の向こう側に台地状の地形を見つけ、もしかして撮れるのではないかと場所探し。
滝谷駅から北側に回り込み、しばらく小道を歩いたところで橋が見えた。
春浅き滝谷の里。只見線にまだキハ52がいた頃の話である。
はっきりしないが確か耕作地だったように記憶している。
それでも鬱蒼としていたところもあって当時でさえクマ出没が気になった。何せ会津はクマがよく出るところだから。
そういう場所だったが、今ではすっかり自然に還っていることだろう。
メジャーなポイントにはならなかったが、おそらく一番乗りという勝手な満足感を味わっている。
キハ52も40も、もうこの世にいない。