これまでも当ブログでご紹介しましたように、西肥自動車(西肥バス)では、平成25年まで夜行高速バスが運行されておりまして、その運行区間は、大阪・名古屋と佐世保発着にて運行されておりました。
これら車は、昼行の場合が「ハイウェイエクスプレス(HIGHWAY EXPRESS)」と言う愛称であるのに対しまして、夜行用車両の場合は「コーラルエクスプレス(CORAL EXPRESS)」と言う愛称で運行されておりまして、実際に路線の愛称からもその愛称で運行されておりました。
けれども、平成23年に名古屋線が廃止、平成25年に神戸・大阪(なんば・堺)線が廃止されまして、その結果西肥バスから夜行高速バスは姿を消す事になりましたが、廃止後も上の画像のF551(三菱BKG-MS96JP)・F534(三菱PJ-MS86JP)が福岡線「させぼ号」に転用されておりまして、廃止の際にいずれも4列シートに改造・仮眠室撤去されておりまして、見かけは夜行時代の姿を残しつつ引き続き西肥バスに籍を置きながらいずれも「ハイウェイエクスプレス」に変わりまして運行されておりました。
(F551)~左2トランクが仮眠室があった部分
しかし、これら車はトイレが中央にあった事もありまして、令和4年4月から予約定員制から予約指定制に変わる事を機に4列シート・後部トイレに統一を図った事から定期運用を離脱・廃車売却となっております。したがって、
西肥バスの夜行高速車両は全て姿を消すに至っておりまして、F551のように
「最終運行を知らない車」である車でも、自身が(西肥バスで)
最終運行となるに至っております。
さて、今回ご紹介しますのは、西肥バスの夜行高速車両のうちの1台でもありましたMS8形式の三菱エアロクィーンでありまして、唯一のU-規制車でありましたF473(U-MS821P)に関しまして皆様にご紹介してまいります。
この車は、平成7年に所属先の東部営業所に新製配置されまして、導入されましたら名古屋・大阪(なんば・堺)方面の高速バス車両として運行されておりまして、独立3列シート車であった事もありまして非常にゆったりできていたようであります。尚、平成7年式・U-規制車であった事もありまして、画像にもありますように、フロントはMS8形式では前期タイプのフロントとなっていたのが特徴でありました。
こちらの画像は、平成19年に武雄温泉駅前にて撮影していたものでありますが(画像が乱れておりまして申し訳ありません)、この時は「コーラルエクスプレス」の名古屋線に使用されておりまして、上の画像1にもありますMS96エアロクィーンのF551が導入されます平成20年頃までこのように活躍する姿が見られておりました。
しかし、そのF551が登場しますと、この車も運行される機会も少なくなりまして、さらには大阪地区の排ガス規制のために大阪へ運行する機会を失った事もありまして、あとは名古屋線の続行に使用される程になりましたが、その後平成22年に定期運用を離脱しまして、その後は画像のように伊万里営業所に留置されている姿を見る事となりました。
さらに、その後はナンバープレートも外されまして、翌平成23年初頭に正式に除籍・廃車という事に至ってしまっております。この撮影時は、これから伊万里営業所からは福岡県の解体工場へ向かう直前の姿でありましたが、既に車体には汚れが見られるなど残念な姿でもありましたし、私もまさか「廃車回送」の姿をも見る事になるとは、正直思わなかったほどでもありました。
今回は、西肥バスの夜行高速車両の1台でもありまして、唯一のU-規制のMS8形式の車でもありましたF473を中心にご紹介しましたが、この車に関しましては以前から存じていた車であった訳でもありましたが、上の画像のような姿は正直残念でならなかった事を覚えております。現在は西肥バスからは夜行バス自体なくなりまして、使用されていた車両も冒頭でもご紹介しましたように全2台が廃車売却となりまして姿を消しておりますが、この車に関しましては、夜行バス運行時に離脱した事でもっぱら夜行路線に使用されていたでしょうから、まさに中心的な存在であった事には間違いなかったのではないでしょうか。