今年の春頃から、いや、それ以前から話題が尽きなかったJR西日本の381系。3月のダイヤ改正で「やくも」は新型車両に置き換えかと思ったら、改正後もまだ走っているし、「いつ(ラストラン)なんだよっ!?」ってツッコミを入れたくなったりすることも一度や二度ではないと思います。

で、381系は今後どうなるの? 商魂逞しいJRのことだから、団体用で残存させるかもしれないし、老朽化が著しければそのまま廃車になるかもしれないし、まぁ、私は「やくも」用じゃないにしても、381系は何気に撮っているんで、いつ廃車になってもどうってことはないんですが、「生き長らえている」といえば、東にもいました。てっきり既に廃車になったと思っていた車両が。

 

 

185系です。

最近はそれこそ、団体用で彼方此方走り回っているのは話として聞いていますが、私的には「もう十二分に走り回ったから、いいんじゃない? 少しはゆっくりさせてやんなよ」というクチ。381系にも同じ事が言えます。

 

で、とどのつまり、「最後の国鉄形特急用車両」はどっちなんですかねぇ~?

185系の定期運用離脱で、381系が「最後の国鉄形特急用車両」になったわけですが、前述のようにもし381系が今後も団体用で残ったとしたら、また収まりかけていた論争が再燃しそう。ここまでくると「どうでもいい」。

 

画像は終焉迫る185系ではなくて、メジャーデビューを前に軽く足慣らしをしているシーンになります。

時に昭和56年と思われます。

185系は特急「踊り子」への充当がメジャーデビューになりますが、その約半年前から普通列車と急行「伊豆」の運用でプレデビューを果たしています。

急行「伊豆」といえば、田町電車区153系のフラッグシップ運用でしたが、その合間を縫って普通運用もこなしていました。185系は153系の運用に割って入る格好でプレデビューを果たすわけなんですが、56.10改正までは153系と185系は事実上の共通運用になります。

 

例えば、画像の185系ですが、列車番号札を見ると「708M」と読めますので、急行「伊豆6号」になります。撮影した日は185系でも、次の日は153系になることもあります。つまり、56.10改正まで185系の運用はあやふやで、どの「伊豆」に185系を充当するのか、それも決まっていませんでした。普通列車も同様ですが、これは153系運用に限られました。

その日その日によって乗客は天国と地獄を味わうことになりますが、もし私が利用者だったとしたら、153系でも文句は言わなかったと思います。そりゃあ、185系が充当されればラッキーですけど、113系が充当されるよりはマシじゃないかと。

ただ、 “共通運用” というだけあって、

 

① 基本+付属がオール185系。

② 基本+付属がオール153系。

③ 基本が185系で付属が153系。

④ 基本が153系で付属が185系。

 

というのも珍しくなかったみたいで、③と④の場合は、皆こぞって185系に乗ったんでしょうね。

 

ところで画像の「伊豆6号」ですが、伊豆急下田発が12時53分で東京駅着が15時54分。熱海で修善寺発の列車をくっつけるわけですが、本来「伊豆6号」は修善寺編成を含めた15両編成でなければいけません。でも、画像は10両基本編成(A編成)だけ。後の5両編成はどうしたんじゃい?

画像をよく見ると、「708M」のまま東京駅を発車していくシーンなので、もしかしたら田町電車区へ回送されるシーンなのかもしれません。

あまり考えにくいですが、5両だけ切り離して10両を回送、残された5両は別の編成に組み込まれる・・・・んな、煩雑が煩雑を呼ぶ運用はしないか。

 

たまにはMT54の “雄叫び” を聴きたくなってしまいました。

 

 

【画像提供】

タ様

【参考文献・引用】

時刻表 1980年12月号 (日本国有鉄道 刊)