ちょっと脱線いたしましたが、一連のエントリに戻します。
流鉄の運賃改訂の9回目です。
今回の運賃改訂の新運賃券は全てオフセット印刷券となりますが、(流鉄)の活版印刷とオフセット印刷の乗車券を比較してみました。いずれも上段が活版印刷券、下段がオフセット印刷券となります。
◆矢印式乗車券
活版印刷券は発駅の枠囲みの四隅に僅かな隙間がありますが、オフセット印刷券は枠の四隅に隙間がありません。
◆「幸谷」関連の乗車券
活版印刷券の「幸」のゴシック体の文字は、一番下の横棒がその上の横棒より長いのですが、オフセット印刷券の「幸」のゴシック体の文字は、一番下の横棒がその上の横棒より短くなっており、最初にご紹介いたしました表面の「幸」のゴシック体も同様の違いがあります。
矢印式乗車券と「幸谷」関連の乗車券は、上記の違いのいずれかで、活版印刷券かオフセット印刷券のどちらであるのか見分けられるのですが、これに該当しない券は、「発売当日限り有効」の「当」と「限」の文字の違いで見分けました。
「当」の文字は足の「ヨ」の部分が活版印刷券では天地寸法が大きく、オフセット印刷券では小さくなっており、「限」の文字は偏の右下の部分の脹らみが活版印刷券では大きく、オフセット印刷券では小さくなっています。
「流鉄」と同じく「山口証券印刷」調製の硬券を用いている「秩父鉄道」や「小湊鉄道」では、社名表記の「父」と「湊」の文字が活版印刷券とオフセット印刷券ではフォントが異なっていたため、見分けは容易でしたが、「流鉄」の場合は社名表記が短いせいもあってハッキリとした違いが見出せず、見分けるポイントを見つけるのに苦労?しました。
上記の点を踏まえて見分けますと、「流鉄」では2024年4月1日の運賃改訂前に、以下の9口座が活版印刷券からオフセット印刷券と見受けられる券に切り替わっておりました。
「馬橋←[幸谷]→鰭ヶ崎」の矢印式乗車券の裏面は、発駅の「幸」の文字と左側の券番の「5」の一部が重なってしまっており、このような事象は活版印刷券では殆ど見られないのですが、オフセット印刷券では表裏面の券面記載事項を印刷してから、券番を後から加刷しているように見受けられます。
運賃改訂前に活版印刷券からオフセット印刷券に切り替わっていた9口座のうち、8口座は新運賃券に引き継がれたのですが、「流山↔小金城趾」の小児専用券の1口座のみは新運賃券が調製されず、オフセット印刷化された券では唯一口座が廃止されました。
この区間の大人小児用の券は、一昨日、昨日のエントリでご紹介いたしましたように旧社名の(総武流山電鉄)表記の券でしたので、運賃改訂前は大人小児用の券は旧社名、小児用の券は新社名となっており、一般的には発売枚数が少ないと推察される小児用の券の方が先に新しい券に切り替わっていた事になりますが、小児用の活版印刷の旧券は大人小児用の券よりも調製した枚数が少なく、先に売り切れて新しい券に変わったのかも知れません。