『JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ』を使用した静岡県の私鉄路線を巡る旅。
2日目の後半戦は静岡駅から。
JR線で浜松へ向かい、そこから浜名湖を周回するように2つの路線に乗車します。
2024年2月18日(日)
静岡 10時42分 → 浜松 11時53分 東海道本線 普通 浜松行き
列車は3両編成で、静岡地区なのでロングシートです。
列車を待つ列がけっこうあったのですが、ほぼ全ての乗客が入れ替わったので
座ることができました。
焼津・島田あたりまでが静岡都市圏で、大井川鐵道と接続する金谷辺りは
山間部を走行します。駅間距離が長くなるので、立っていると辛い区間。
再び町が続くようになり、浜松へと着きます。
静岡から約1時間10分で浜松に到着。
静岡駅と浜松駅の在来線ホーム、
雰囲気がすごく似ている気がするのは私だけでしょうか。
JR浜松駅の北東側には百貨店が建っています。
これから乗る遠州鉄道が経営する遠鉄百貨店。ターミナルデパートですね。
遠州鉄道線
遠州鉄道線は、新浜松を起点に、西鹿島まで17.8kmを結ぶ路線。
全線が単線ながら、早朝深夜を除いて12分間隔のネットダイヤが組まれています。
全線が浜松市内を走り、住宅街が続きます。
電車は2両編成で、平日朝夕には増発できない代わりに4両に増結しています。
新浜松駅はビル2階が改札口、3階にホームがあります。
磁気券用の自動改札機は導入されておらず、ICカードは自社のもののみが使えます。
ホームに上がると、使用されていない方の線路に車両が留置されていました。
これが遠州鉄道の車両の標準的な塗装であり、外観。
現在運用されている車両は2形式ありますが、性能・機器こそ異なれど
40年近くほぼ同じデザインで車両が作られていることが特徴です。
新浜松 12時12分 → 西鹿島 12時44分 遠州鉄道線 西鹿島行き
全面広告の編成に当たりました。
この日、沿線でイベントがあったようで、乗客は多かったです。
少し遅れて到着して2分の爆速折り返し。
混み合っていたので乗車中の写真はありません。
路線の三分の一ほど、上島駅まで高架を走行します。
17.8kmに18の駅があり、駅間距離は短いです。
ほとんどの駅で行き違いを行うことができ、それを最大限活かして
ダイヤが組まれているようで、交換の待ち時間はほぼありません。
ワンマン運転を行っておらず車掌が乗務していて、
無人駅では集札も行っていて、忙しそうでした。
遠州鉄道の特徴的なサービスとして、『お帰りきっぷ』サービスがあります。
浜松の遠鉄百貨店や駅ビル、沿線ショッピングモール等で一定額以上の買い物を
した際に帰りの遠鉄電車・バスで使用できるチケットがもらえるサービス。
遠鉄のポイントカード会員であることなど条件はありますが、
利用客の囲い込みを行った上で、利用者もお得に交通機関を利用できる
画期的なサービスだと思いました。
大手・準大手私鉄ではない私鉄の中で、
売上げランキングTOP2が上から遠州鉄道、静岡鉄道といわれています。
都市の規模から本業以外にも手を広げられる土壌があるようで、
静岡の私鉄、やはり元気です。
32分で終着の西鹿島に到着。
こちらでは列車別改札が行われているようで、乗客が全て降りてから
乗車客を中に通していました。
遠州鉄道の車庫が併設されています。
天浜線の2駅掛川方にある天竜二俣駅は、エヴァンゲリオンの映画に登場した
「第3村」のモデル地とされていて、コラボ広告が設置されていました。
天竜浜名湖鉄道の旅
天竜浜名湖鉄道 天竜浜名湖線は、JR東海道線の掛川駅から分岐し、
天竜二俣、西鹿島を経て浜名湖北岸を経由し新所原駅で再び東海道線に合流する
全長67.7kmの非電化ローカル線。
旧国鉄の二俣線であり、1987年に第三セクター天竜浜名湖鉄道に転換されました。
日中は毎時1本程度の運転。拠点駅は車庫のある天竜二俣駅で、
下り列車を中心に同駅で乗り換えとなる便があります。
時間帯によって、遠州鉄道との接続を考慮して西鹿島~天竜二俣の折り返し列車が
設定されているほか、二社共通の一日乗車券も発売されています。
西鹿島駅の天浜線ホーム。一面一線の構造で、遠州鉄道のホームから
地下通路を抜けた先にあります。
西鹿島 12時54分 → 新所原 14時09分 天竜浜名湖鉄道 新所原行き
主力車両のTH2100形気動車。
国鉄キハ20形の復刻塗装の車両が来ました。
国鉄時代の写真や資料が貼られています。
各ボックスに1人程度の乗車率です。
昔の街道、本坂通の関所があった気賀を過ぎると、浜名湖が見えてきます。
渡り鳥のゆりかもめがたくさん飛来することで有名な駅です。
時間の都合で今回は下車しませんでしたが、
昨年3月に訪問したときの様子を少し。
ポスターが貼ってあるとおり、アニメ『ゆるキャン△』にも登場する駅で、
聖地となっています。
駅舎内にもポスター。
12月から3月頃にかけて、ゆりかもめが飛来します。
地元の人がエサをやる時間が決まっているようで、
タイミングが合えばすごい数のゆりかもめを見ることができます。
我が物顔で線路やその周辺にたむろするゆりかもめたち。
足やくちばしで上手にエサをゲットしていきます。
なお、エサ(パンの耳)は喫茶店でも販売しています。
ゆりかもめを傷つけないよう、列車は最徐行で入線してきます。
この日、たくさん見たような気がするゆりかもめはこれでも全然少ない方だそうで。
時を戻して、浜名湖佐久米駅を出発。
車で来たのか、餌やりをしている人たちが大勢いますね。
当初、掛川より二俣を経て明智、恵那方面へと計画された路線でしたが、
時節柄、浜名湖を鉄橋で横断する東海道本線の緊急迂回路として現在のルートで
1940年に全通した二俣線。開業時からの駅舎や施設が多く残ることから、
36件の建造物・施設が国の登録有形文化財に登録されており、
該当の駅に到着する際にはアナウンスでも紹介されます。
また、有人時代の駅舎を利用して喫茶店や飲食店等が入居して営業している
ケースが多く見受けられます。
みかんで有名な三ヶ日。
オリジナルの駅名標が使用されています。
あと2駅西に行けば豊橋駅であり、国鉄時代には豊橋駅まで列車が直通していた
そうですが、現在は全て新所原折り返しとなっています。
浜名湖名物といえば、うなぎ。
新所原駅では、うなぎの蒲焼きや、そのお弁当を購入することができます。
以上で、今回の静岡私鉄路線めぐりは終了。
JR線で西へ帰るのみです。
新所原駅からの豊橋行きは、ダイヤが乱れていてすごい待ったのを覚えています。
豊橋 15時02分 → 米原 17時09分 東海道本線 快速 米原行き
夕方の下り列車は大垣駅での乗り換えがないので楽です。
今回使用している『JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ』。
実は近江鉄道線にも乗れるため、貴生川や近江八幡が本当の西限ですが、
次の日は仕事ですし、早く帰りたい、が勝ってしまいました。
なんかこの新快速、時速280kmくらい出してるし速いな。
なんていうのは冗談で、京都まで東海道新幹線にちょい乗り。
新幹線は高い!っていう固定観念は捨てましょう。
実は、新幹線の自由席特急券には一駅間の乗車の場合、特定料金が設定されていて、
割安に乗車することができます。
米原~京都間は67.7kmと東海道新幹線で最も長い駅間距離の区間ですが、
新幹線自由席特急券は990円。これが新大阪までになると2530円にまで上がります。
これだけで30分以上の短縮になるので、活用してみては。
ちなみに同区間、在来線の自由席特急券は1200円、と逆転現象が起きています。
(自由席が設定される特急は『ひだ』1往復のみですが…)
春の静岡私鉄旅は、これにて完結。
次回はまた、少し前の旅行記をお送りします。
お楽しみに。