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2024年4月30日(火)2日目
北海道ひとり旅、2日目の朝は札幌からスタートです。
朝食は昨晩のうちにセイコーマートで仕入れておいたクリームパン、メロンパン、シュガーバターパンです。特にセコマのメロンパンは税込140円というリーズナブルなお値段ながら人気の高い商品だそうで、パン屋さんのようなサクサク感がたまりません!
宿泊していた「アパホテルTKP札幌駅前」をチェックアウト。名前の通り札幌駅は目の前なので、徒歩数分で移動してくることができる便利な立地です。
さて、29日の午前中に北海道へ上陸してから約24時間。ここからはいよいよ道央・道東方面へ移動を開始したいと思います。
本日、まず午前中の目的地は道央に位置する富良野です。富良野駅は根室本線と富良野線の2路線が乗り入れ、札幌方面からだと鉄道での最短ルートにあたるのが根室本線経由となっています。札幌から特急〔ライラック〕〔カムイ〕等に乗車し、滝川駅で乗り換えるルートです。
しかしこの根室本線、本数は決して多くなく、1日わずか8.5往復。特に滝川→富良野の下りは9時台の次が13時台となり、実に4時間も列車の運行がない状態です。
これに対し、滝川より先の旭川まで特急に乗車しその先で富良野線に乗り換えるというルートもあります。距離は根室本線経由より50kmほど長くなりますが、富良野線の本数は根室本線より多く、かつ1日を通じて満遍なく列車の設定があるため、実は「富良野線経由の方が富良野に早く着く」ということも少なくないのです。
まず乗車するのは、札幌10時00分発の特急〔ライラック11号〕旭川行。北海道の2大都市である札幌と旭川の間は全区間電化されており、概ね終日30分~1時間に1本の間隔で特急が運行されています。
新幹線…ではなく特急大国の北海道。あらゆる方面への起点となる札幌駅のホーム頭上には、各列車の乗車位置を示したプレートが掲げられています。
〔ライラック〕に使用される789系0番台は、かつて青函連絡特急〔スーパー白鳥〕〔白鳥〕として本州と北海道の間を往来していました。2016年の北海道新幹線開業により青函連絡の役目を終え、その1年後の2017年から〔ライラック〕へ充当されています。
2017年はJR北海道管内で大規模な特急網の再編が行われた年でもあり、この時「ライラック」という愛称が約10年ぶりに復活しました。
〔カムイ〕と〔ライラック〕の違いの一つとして、〔ライラック〕のみグリーン車の設定があることが挙げられます。ただ今回は過度な贅沢をするつもりもないので、普通車指定席を利用していきます。
10時00分、列車は定刻通り札幌駅を発車。この先岩見沢、美唄、砂川、滝川、深川の順に停車して終点旭川へ至ります。この区間は〔カムイ〕〔ライラック〕の全列車で停車駅が統一されており、またパターンダイヤが組まれているため非常に利用しやすい運行形態です。
乗車率はまばらで、窓側でも多数の空席がある様子。ゴールデンウィークとはいえ中日の平日ですから、やはり学校や会社があるという人の方が多数派でしょう。果たして富良野には何時に着くのでしょうか…。
乗車にあたってオススメしたいのが、えきねっとの「トクだ値45」。列車・区間・席数限定で、運賃・特急料金が45%割引となる大変有難い商品です。札幌~旭川駅間は特急列車の指定席を利用すると通常5,220円(運賃2,860円+特急料金2,360円)ですが、運賃・特急料金がそれぞれ45%割引となるので合計2,860円となります。ちょうど運賃と同じ金額で特急に乗れてしまうわけです。
(北海道の特急に繁忙期・閑散期の区別はありません。)
札幌貨物ターミナル駅を横目に、千歳線と分かれこちらは北へ向かいます。
野幌や江別など札幌郊外の駅は全て通過。徹底的な遠近分離が図られています。6両編成のうち5・6号車の2両が自由席ですが、近頃の全国的な自由席廃止の動きを見ているともしかするとこれも過去のものになってしまうかもしれません。
10時25分、最初の停車駅である岩見沢に到着。2021年夏の「最長片道切符の旅」や、2023年GWに実施した「政令指定都市を通らずに日本縦断の旅」でも利用した馴染みの駅です。
この区間の函館本線は線形が非常によく、ほとんどまっすぐに線路が敷かれています。最高速度は120km/hで、〔カムイ〕〔ライラック〕いずれも表定速度は96.6km/hほどとかなりの俊足です。
10時46分に砂川駅へ到着。ここからの停車駅は全て「~川」のため、驚異の4連続となります。余談ですが札幌~網走を結ぶ特急〔オホーツク〕の場合は旭川の次の停車駅が「上川」であり、さらに増えて何と5連続にもなるそうです。
それぞれの地名の語源は少しずつ異なり、また諸説あるためここでは割愛しますが、北海道の地名はアイヌ語由来のものが多いことがその一因でもありそうです。
10時52分、根室本線との分岐駅である滝川駅に到着。ここでうまく根室本線へ乗り継げれば…よかったのですが、何と次の根室本線は13時27分発。これを利用すると富良野駅には14時32分の到着となりますが、待つ時間がもったいないので旭川まで乗り通します。
曇り空ではありますが、車窓右手には雄大な山の景色が見えます。距離感がいまいち掴めないので何という山かは不明ですが…(分かる方いたら是非教えてください)。
11時25分、終着旭川駅に到着。ここで速やかに富良野線へと乗り換えます。
乗車するのは、旭川11時33分発の富良野行。ちなみにその下に表示されているのは1日1往復限定で旭川まで乗り入れる留萌本線の列車です。留萌本線は現在深川~石狩沼田駅間14.4kmのみを結ぶ路線で、度重なる廃止を繰り返し「本線」とは呼び難いほど短い路線となってしまいました。
現在富良野線で活躍するのはH100形。キハ150形などのイメージが強かったですが、それらは2023年3月のダイヤ改正にて一掃され、現在は全ての定期列車がH100形による運行となっています。
8分乗り換えですが無事に間に合い、列車は定刻通りに旭川駅を発車。
1両の気動車で、車内は4人掛けのボックスシートと2人掛けのボックスシートが並びます。座席はほぼ埋まり、旅行客や帰省客の方も多そうです。
北海道はゴールデンウィークがちょうど桜の季節。道内各地で桜が見頃を迎えています。
西御料、西瑞穂、西神楽、西聖和は4駅連続で「西」から始まる何とも珍しい区間。西神楽駅があるのは旭川市ですが、隣接する東神楽町には旭川空港があります。
また各駅では板張りのホームというところも珍しくなく、首都圏ではまず見ることのできない光景です。よりにもよって雪の多い地域でなぜこんな雪に弱そうな造りなのか…と思わずにはいられないのですが、そうでもないのでしょうか。
12時07分に美瑛駅へ到着。富良野線の途中駅としては最大の駅です。
旭川~美瑛のみの区間列車も多数存在し、日中でもこの区間では1時間に1本ほど列車の運行があります。北海道のローカル線としては上位に食い込む運行本数の多さではないでしょうか。
美瑛~富良野駅間は特に車窓が美しく、大雪山系の山々を望みます。この区間では臨時列車「富良野・美瑛ノロッコ号」も運行されており、時間が合えば乗りたかったところですが今回はスルーします。
また、この列車は「普通列車」ですが、途中の西中・鹿討・学田は通過します。加えて、西中~中富良野駅間にある臨時駅「ラベンダー畑駅」ももちろん通過します。
12時43分、終点の富良野駅に到着。旭川駅での接続が良かったこともあり、札幌から2時間43分でここまで移動することができました。
滝川駅で律儀に根室本線を待つ(富良野14時32分着)よりも2時間ほど早く到着できたことになります。
富良野駅は2面4線の地上駅と立派な構造です。
一部期間では札幌~富良野駅間を根室本線経由で直通する臨時特急が設定されることもありますが、基本的には普通列車が細々と入線するのみ。
そして駅名標の片側がステッカーで隠されていることからも分かる通り、かつてはこの先の狩勝峠を越えて十勝方面へと線路が続いていました。その辺の話は次回改めて詳しくご説明します。
駅構内には立ち食いそばのお店が現役で営業しており、駅舎へ入るやいなやつゆの香りに吸い寄せられ…。
思わず注文してしまいました。山菜そば(420円)です。というかほとんどのメニューが420円で、どれもリーズナブル。閑散とした駅の中で啜るそば、深みのあるつゆの味わいが最高で至福のひとときです。
この後は新得・帯広方面へ移動していきます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。