思えば今から2年前、近鉄が新型通勤電車の導入計画を発表しました。近鉄のシンボルたる赤色を前面に出した塗装、前衛的なデザイン、初採用の内装・・・。
どれもこれもフルモデルチェンジという言葉にピッタリだと思いました。
その近鉄の新型通勤電車の実車が完成しました。
2024年10月、 奈良線・京都線で新型一般車両がデビューします!(近鉄公式リリース、PDF)
車両の名前は
8A系。
デザインが前衛的なら、名前も前衛的でした。
私はてっきり、5830系か、5230系(いずれも仮称)と命名されると思っていました。近鉄ではこれまで(たとえば奈良線・京都線向けでは)8000系、1230系、9020系のように4ケタの数字で通勤電車の車両番号を表すのが一般的でした。でも8A系だと、西武鉄道のラビュー(001系)や東京メトロの0x系シリーズ(01系、02系、03系など)を連想させます。
営業開始は今年10月を予定しており、
導入線区は奈良線、京都線、橿原線、天理線になります。まずは近鉄創業の路線でもあり、通勤通学や観光輸送で大忙しの奈良線・京都線地区に導入されます。
近鉄が通勤電車を新規に導入するのは実に16年ぶりのこと。阪神なんば線開業にあわせて9020系、9820系が追加で導入されて以来です。そして、
一から設計をやり直すフルモデルチェンジでは24年ぶりとなります。
さらに来年以降には、大阪線、名古屋線、南大阪線でも新型通勤電車を導入予定のこと。これは良い意味で予想外でした。
何せ名古屋線と南大阪線では、いずれも20年以上にわたって新型通勤電車が全く導入されていなかったからです。特に、名古屋線では1998年に導入された5800系(4両編成)が最後になっていました。
近鉄では1960年代、'70年代に導入された通勤電車がまだ大量に残っています。近鉄の「次の時代」を感じさせられた日でした。