ある意味、C58はD51や9600よりも汎用性に優れているような気がします。

基本的にはローカル線向けの機関車ですが、その気になれば幹線も走れるし、さすがに特急は無理にしても、急行から貨物列車まで何でもございのオールマイティな活躍ぶりで、21世紀に目を向けると、JR東日本で239号機が、秩父鉄道で363号機がそれぞれ動態で活躍中なのは周知の事実ですよね。239号機に関しては相方の客車(JR北海道からやって来たキハ141系)が老朽廃車になったことから、去就が注目されています。「(客車を)新製しろよ」っていつも思うことなんですけどね。

 

さて、昭和13年から22年にかけて431両が製造されたC58ですが、それだけの数になれば、中には “魔改造” 的、素っ頓狂な出で立ちのカマもあったりします。どのSLにも言えることですが、C58の場合は画像の304号機が特異機の筆頭株なのでは? と思います。

 

昭和16年に川崎車輌で産声を上げた304号機は、廃車まで東北地方で活躍し、終の棲家は秋田の横手機関区でした。

横手に移って1年後の昭和44年3月、横手駅構内で入れ換え作業中に脱線する事故が発生しましたが、土崎工場で修繕して同年4月には現場復帰しています。その時にデフレクターを取っ払い、テンダーを切り欠いたのでしょうか? 完全な “入換仕様” になっていますね。

入換仕様になると、デフが邪魔で取っ払うケースも少なくなく、あのD51も “デフ無し” が存在します。始めにデフありきの機関車がデフを取っ払うと、ちょっと間抜け。

廃車は昭和46年ですが、解体はされずに新庄市の金沢公園に静態保存されまして、現在でもその姿を見る事が出来ますが、デフは取り付けられ、切り欠きのテンダーもノーマルに戻されていますが、デフはともかく、テンダーはおそらく廃車になった他機のテンダーに挿げ替えたのでは? と思ったりします。

ただ、保存状態が思わしくないですけど、地元の鉄道愛好者が修繕すると言っています。期待したいですね。

 

 

【画像提供】

ウ様

【参考文献・引用】

ウィキペディア(国鉄C58形蒸気機関車)

C58 304号機を扱った各サイト