「私はこの連休を西武(の貨車模型)に捧げようと思う」
というシリーズ(?)の第三弾は、何の変哲もない黒い有蓋車の登場です。
西武鉄道ワ1形といえば、10t積木製有蓋車をまとめた形式です。4種類に大別されていまして、ワ1~11は旧西武鉄道、ワ18~26は武蔵野鉄道にルーツを持ちます。ワ27~36は国鉄払下車(番号不詳)、ワ37・38も国鉄払下車ですがこちらは国鉄ワ1形出身です。
今回模型化したワ21は、武蔵野鉄道引継車で、大正4(1915)年天野工場製の武蔵野鉄道ワ4ということになります。
さて、模型はまたも津川洋行の半完成品「ワ1 雨よけカバー仕様」です。
ワフの時とは異なり、カプラー取付くらいしかやることはなく、後はレタリングです。記号の「ワ」は製品付属のインレタ、数字はくろま屋の貨車用、西武のマークは特注デカール、製品付属の各種標記は煩くならない程度に貼っています。
これといって特筆するようなことはありませんが、こういう普通の有蓋車、無蓋車というのは、何輛いても邪魔になることはありませんし、機会があればあと1輛くらいは増備してもいいかなと思います。
実は西武のワ1形、当鉄道では今回が初めてではありません。旧西武鉄道出身のワ9をすでに所有しております。
左が今回増備したワ21、右がワ9です。ワ9は同じ津川製のワ1(旧製品)を使用したものですが、大きさが随分異なって見えますよな。旧製品がかなり腰高なのですが、実は実物も、同じワ1形でも、旧西武と旧武蔵野では随分大きさが異なります。車体の高さが、旧西武車は3490mm、旧武蔵野車は3226mmだそうですが、その分旧武蔵野車の方が車体幅が広いようです。『鉄道ピクトリアル』884号の202頁(澤内一晃氏の「西武鉄道の貨車 多数派のなかのバラエティ」)に2種類の「ワ1」の大きさの違いがわかる写真が載っています。なお、今回の当ブログの実物解説も、ほぼこの澤内氏の記事に依っています。
私の「ワ9」は、製品の腰高なところを利用して大きく見せようとしたに過ぎない代物ではありますが、貨物列車の編成に変化を付ける意味では悪くないと自画自賛しています。
そして今回のワ21も、なかなか好ましいスタイルです。前々回のワフ共々、屋根を「黒く塗りつぶせ~」と永ちゃんの下手糞な物真似をしながら迫ってくる向きもあるのですが、模型的にはグレーのままというのも有りかなと思います。
これら古典的な「ワ1」たち、残された写真を見ると昭和30年代後半には未だ一部が健在でした。「赤い電機」にもギリギリ間に合ってしまうのですが、それでもやはり青いE21とかE42が欲しくなります。
さて、連休は明日までですが、この連休中の西武貨車はさすがにこの3輛で打ち止めでしょうか。とはいえ、連休が終わってもしばらくは西武の貨車と縁が切れそうもありません。今後も随時ご紹介しましょう。