全国各地で開催されているマラソン大会の当日に運転される臨時列車のダイヤなど、最新情報も交えてまとめております。実はブログ筆者も過去に全国各地のマラソン大会に度々参加しており、マラソンの大会臨時列車には全てではないものの乗車経験があります。年に1日しか運転されない特別な列車ですので、可能な限り過去の運転履歴も追っております。鉄道好きのマラソンランナーの方がおりましたら、ブックマークお願いします!

 

  富士山マラソンとは?

大会公式ページ

 

ちなみに、ブログ筆者は河口湖マラソン時代の2019年から6〜7回くらい連続で参加していました(記憶があやふや)。ただ、前日宿泊、当日はバスで帰宅だったので今回紹介する臨時列車にはいづれも乗車経験はありません。

 

大会の概要:かつては河口湖マラソンと呼ばれた大会がリニューアルされて2012年から開催。大会規模は、フルマラソン(42.195km)で2023年は4500人の定員とのことですが、かつては10,000人を有に超えていたので最近は規模縮小傾向なのでしょう。その分短い距離の参加者を増やしているようです。

 なお、この大会は河口湖マラソン時代から前日エントリーも行っており、私も含めて河口湖畔のホテルに宿泊してから翌日スタートというランナーもかなりの数いることを付記しておきます。

 

スタート/ゴール:山梨県富士河口湖町の河口湖畔;最寄駅:富士山麓電気鉄道(旧富士急行)河口湖駅

 

ご存知の通り、河口湖駅は富士山周遊観光の玄関口であり、鉄道以外にも首都圏をはじめ、多くの高速バスが乗り入れる一大ターミナルです。マイカーで参加するランナーも一定数いますが、私の感覚では公共交通機関での来場が大半で、かつその割合も鉄道と高速バスで半々といった感じでおります。

 

 

  2024/25シーズンの富士山マラソン臨時列車

 

運転日:2024年11月24日(日) ※予定

 

運転区間:発表され次第更新予定

 

運転時刻表:発表され次第更新予定

 

運用に入る車両:発表され次第更新予定

 

 

  富士山マラソンの臨時列車 過去の運転状況

この列車は2012年の第1回富士山マラソンでは現地行き臨時列車の設定がなかったのですが、諸々の事象が重なって大半のランナーがスタート時刻に間に合わないというトラブルが発生。その改善策として翌年第2回大会からスタート時刻、ゴール後を見計らって臨時列車が運転されるようになっています。

 

 運転日と運転区間

 富士山マラソンは例年11月の最終日曜日に開催されています。このマラソンの臨時列車の歴史は第1回の2012年大会、急遽設定されたと思われる快速電車1本(帰りのみ)から。

 

 2013年以降のマラソン向け臨時列車は、しばらくの間は行き(現地行列車)は新宿発特急列車と中央線三鷹発の快速の2本が、帰り(現地発列車)は既存のホリデー快速などに加えて設定された立川行の快速列車1本の布陣でランナー需要をさばいていました。2018年以降、早朝の現地行き快速列車がなくなり、新宿発着の特急列車に集約されました。なお、かつて現地発で設定された快速列車ですが、現在ではマラソン開催日以外にも需要があるためか、開催日以外の週末にも運転されています(同じスジを使って快速山梨富士号として運転)。

 

 あと、2017年までマラソン専用で設定された現地発列車が「一部指定席」としてあえて自由席を設けていたところも、ゴール時間が読めないケースを想定して、当日でも飛び乗れるランナー目線の設定だったと考えます。その後ランナーのゴール後の動向(どの列車に混雑が集中するか)が明確になってきたことで、運転列車を絞ると共に、制限時間6時間(15時)以内にゴールできるランナーをターゲットに絞ると、全席指定でも充分間に合うと判断し、帰りも全車指定席にしたのでしょう。富士山マラソンの完走率(出走人数に対して時間内にゴールできるランナーの割合)は8〜9割なので、妥当な判断でしょう。

 

 なお、富士急行線乗り入れの週末臨時列車はマラソン開催時含め多数設定されていましたが、ここで紹介するのはマラソン開催当日のみ設定された列車に限って取り上げます。
開催年 開催日 運転区間
2023年 11/26 特急 新宿〜河口湖 ※全席指定席
2022年 11/27 特急 新宿〜河口湖 ※全席指定席
2021年 11/28 特急 新宿〜河口湖 ※全席指定席
2020年 中止 ※本来は2020/11/29予定
2019年 11/24 特急 新宿〜河口湖 ※全席指定席
2018年 11/25 特急 新宿〜河口湖 ※全席指定席
2017年 11/26 特急 新宿→河口湖 ※全席指定席
快速 河口湖→新宿 ※一部指定席
快速 三鷹→河口湖 ※全車自由席
2016年 11/27 特急 新宿→河口湖 ※全席指定席
快速 河口湖→新宿 ※一部指定席
快速 三鷹→河口湖→立川 ※全車自由席
2015年 11/29 特急 新宿→河口湖 ※全席指定席
快速 河口湖→新宿 ※一部指定席
快速 三鷹→河口湖→立川 ※全車自由席
2014年 11/30 特急 新宿→河口湖 ※全席指定席
快速 河口湖→新宿 ※一部指定席
快速 三鷹→河口湖→立川 ※全車自由席
2013年 11/24 特急 新宿→河口湖 ※全席指定席
快速 河口湖→新宿 ※一部指定席
快速 三鷹→河口湖→立川 ※全車自由席
2012年 11/25 快速 河口湖→立川 ※全車自由席

 

 

 往復の始発・終着駅発時刻

次に現地行き、現地発の列車のダイヤのトレンドを追ってみます。マラソン大会のスタート時間にあわせて設定される現地行き列車と、五月雨でゴールを前提に利用しやすいと思われるランナーの「最大公約数」を意識して現地発列車が存在します。
 

現地行き列車(往路)

 スタート時間が概ね朝9時であり、通常ならスタートの1時間前に整列開始します。河口湖駅からスタート(ゴール)地点の徒歩での所要時間はおよそ15分ですので、ベテランランナーでも最低8時台には河口湖駅に着いておきたいところです。そのあたりの配慮については、第1回以外はすべて7時台到着の列車設定としているので、ランナーファーストのダイヤが成立していると思います。初期に設定された快速列車の到着時刻が早すぎると思われる方もいるでしょうが、それなりにマラソンを経験している方なら準備やアップのランニング時間を考慮するとむしろ「最適」な時間だったといえます。
 

 

現地発列車(復路)

 ここからは富士山マラソンのゴール制限時間は15時(6時間)であることを前提にどのように運行計画を立てたのかを勝手に推察してゆきます。
 行きと違って、少しトレンドの違いが見られます。2012年のダイヤは不明なのでコメントを省略しますが、まず2013年では14時台発と16時台発で大きく2グループにわけてさばく意図を感じます。ちなみに14時台の列車に乗る場合の目安のゴール時間は13時として、サブフォー(4時間以内にゴール)前後のランナーまでは乗車チャンスがありますが、それ以降のゴールの場合は、16時台の快速列車なら可能です。
 
 2015年では現地発時刻をこれまでより1時間(15時台発)、2016年にはさらに1時間(16時台発)繰り下げしておりますので、このあたりも現場の感覚が合ってこその微調整なのかなと感じます。その後と現地発列車が特急列車に絞られて以降は16時台、または16時前に出発するのが定石となるダイヤが敷かれています。17時にはとっぷりと日が暮れ寒いので、ランナーにとっても極めて妥当なダイヤ設定と考えます。今後も大会概要が大きく変わらない限り(制限時間が延びる、スタート時間が遅くなるなど)はこのトレンドは続くでしょう。
開催年 始発・終着駅発時刻
2023年 9189M 特急 富士回遊89号(富士山マラソン号) 新宿発5:21→河口湖着7:15
9188M 特急 富士回遊88号(富士山マラソン号) 河口湖発15:50→新宿着17:58
2022年 9189M 特急 富士回遊89号(富士山マラソン号) 新宿発5:21→河口湖着7:17
8192M 特急 富士回遊92号(富士山マラソン号) 河口湖発15:57→新宿着17:59
2021年 9595M 特急 富士回遊95号(富士山マラソン号) 新宿発5:21→河口湖着7:17
9596M 特急 富士回遊96号(富士山マラソン号) 河口湖発15:57→新宿着17:59
2020年 ※中止
2019年 9527M 特急 富士回遊89号(富士山マラソン号) 新宿発5:25→河口湖着7:25
9528M 特急 富士回遊94号(富士山マラソン号) 河口湖発16:28→新宿着18:44
2018年 9527M 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:25
9528M 特急 富士山マラソン号 河口湖発16:14→新宿着18:21 
2017年 9527M 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:33
9528M 快速 富士山マラソン号 河口湖発16:14→新宿着18:30
9775M 快速 三鷹発4:52→河口湖着7:04
2016年 9527M 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:33
9528M 快速 富士山マラソン号 河口湖発16:14→新宿着18:28
9775M 快速 三鷹発4:52→河口湖着7:04
9776M 快速 河口湖発17:27→立川着19:23
2015年 9527M 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:32
9528M 快速 富士山マラソン号 河口湖発16:16→新宿着18:28
9775M 快速 三鷹発4:52→河口湖着7:04
9776M 快速 河口湖発15:15→立川着17:22
2014年 9525M 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:32
9526M 快速 富士山マラソン号 河口湖発16:17→新宿着18:30
9775M 快速 三鷹発4:52→河口湖着7:03
9776M 快速 河口湖発14:44→立川着16:41
2013年 特急 富士山マラソン号 新宿発5:25→河口湖着7:32
快速 富士山マラソン号 河口湖発16:17→新宿着18:30
9275M 快速 三鷹発4:52→河口湖着7:03
9276M 快速 河口湖発14:39→立川着16:40
2012年 快速 河口湖発??→立川着??
※時刻表掲載締め切り後の追加設定だったのか情報なし

 

 

 使用車両、編成

 初年2012年が一番レア感を醸成していますが、、それ以降は新宿発着は波動用特急型電車が、三鷹発/立川着は、ホリデー快速等と同じくE233系が運用につくという、首都圏多客臨を追っている人なら納得のラインナップだったと思います。
 
 富士山麓電気鉄道(富士急行)線のホーム有効長がドアカット対応を前提として6両分のため、2017年までは最大両数の編成が運用に就いていたことがわかります。2018年以降は両数制約はもとより、波動用のE257系(付属編成)が5両固定編成なので、6両編成時代から減車と見える最大の理由と考えるのが自然でしょう。
 
 現在もマラソン大会以外でも富士山周辺の観光目的のインバウンド客の利用で大変利用率が高い富士山周辺から臨時列車なので、2023年秋ダイヤでの15時台〜17時台にかけて30分事に河口湖駅を出発する特急富士回遊号の頻度をみれば、1編成の両数に頼るだけでなく、河口湖駅からの発車本数で捌こうとする意図を垣間見ることができます。
開催年 使用編成と編成両数
2023年 E257系5両編成(E257系5500番代OM-52編成)
2022年 E257系5両編成
2021年 E257系5両編成
2020年 ※中止
2019年 E257系5両編成
2018年 E257系5両編成
2017年 新宿発着 189系6両/三鷹発・立川着 E233系6両
2016年 新宿発着 189系6両/三鷹発・立川着 E233系6両
2015年 新宿発着 189系6両/三鷹発・立川着 E233系6両(推察)
2014年 新宿発着 189系6両/三鷹発・立川着 E233系6両(推察)
2013年 新宿発着 189系6両/三鷹発・立川着 E233系6両(推察)
2012年 115系6両(3両編成の2本)豊田車両センター所属M40編成

・運用に入った形式は各種情報サイト、情報誌を参考にまとめたもので、運転日次第では異なっていた場合があります。

 

本日は、以上です。

 

参考ページ:富士山マラソン(Wikipedia)、JR東日本プレスリリース、大会公式ページ、鉄道コム、鉄道ホビタス

参考資料:JR時刻表、JTB時刻表(各年)

カバー写真:ブログ筆者撮影(東京マラソン)