今回の【駅】シリーズは、
三重県伊賀市南部、旧・青山町の中心部近くに位置する近鉄大阪線の駅で、青山町車庫が併設されているため当駅を始発・終着とする列車が多数設定されており、また一般列車の10両運転の東限である、
青山町駅 (あおやまちょうえき。Aoyamacho Station) です。
駅名
青山町駅 (D 53)
所在地
三重県伊賀市 (旧・名賀郡青山町)
乗車可能路線
近畿日本鉄道:大阪線
隣の駅
大阪上本町方……伊賀神戸駅
伊勢中川方………伊賀上津駅
訪問・撮影時
2020年12月
駅概要
駅形態……………地平駅(1930年開業)。
駅舎………………南側に一部2階建ての駅舎があります。
出入口……………南側のみ。北からは約350m西のガード
or約200m東の踏切を通って南側へ。
バリアフリー……×(地下道は階段のみ。車いすでのご利用時は事前に近鉄へ連絡を)。
点字ブロック……駅前広場~改札~各ホームに設置。
駅前広場…………○(ロータリー有。バス停留所・タクシー乗り場併設)。
駅舎です。北を望む。
一部2階建てで、右の平屋建て部分に改札口があり、左の2階建て部分が駅事務室と思われます。
平屋部分の屋根は塗装が剥げて錆びていますが、後に青く塗り直されています。
出入口に段差はないものの、改札とホームを結ぶ地下通路には階段しかないため、青山町駅はバリアフリー非対応です。ご注意下さい。
また、出入口前には郵便ポスト、電話ボックス、飲料自動販売機が設置されています。
駅舎の前には駅前広場が整備されており、大きなロータリーを有しています。
バス停留所とタクシー乗り場が設けられています。無料駐輪場もあります。
写真は西を望む。
駅前です。南を望む。
駅前広場は立派なのですが、駅前通りは狭く、路線バスなど大型車が通行するとすれ違いに難儀します。
駅南側は旧・青山町の中心市街地で、駅前通り沿いには商店街が形成されているものの、寂れているといった印象です。
駅前通りを南下し木津川を渡ると、旧・初瀬街道沿いに古くからの町並みが残っています。駅から500mほどしか離れていないため、気軽に町歩きできます。
木津川の北岸(手前側)を国道165号線が東西方向に延びています。
約300m南西に伊賀市青山支所があり、約1.3km南東の丘陵上には桐ケ丘ニュータウンがあります。
そして約1.3km南東、桐ケ丘の近くには私立の愛農学園農業高等学校があり、全寮制となっています。
ホームより駅北側を望む。
青山町駅に北口がないため、駅北側は完全に「駅裏」の風景となっています。
民家が少なく、駅近くには田園風景が広がっていて、バックに丘陵地が控えています。丘陵上には小さなニュータウンがあります(川上地区。駅の約700m北東)。
また、丘陵上には私立の桜丘中学校・高等学校があります(駅の約2km北)。日生学園第一高等学校と日生学園附属中学校が前身で、中学校はわかりませんが高校は全寮制で有名でした(現在は自宅通学も認められているそうです)。
改札口です。北を望む。
駅員配置………あり(有人駅。不在時に対応するため窓口前に呼び出しボタンあり)。
自動改札機……あり(2通路)。
ICカード………『PiTaPa』のエリア内。
幅広通路………あり(窓口に面した左側通路。点字ブロック設置)。
有人通路………左側幅広通路を兼用。
窓口……………あり(改札窓口、出札窓口。但し、特急券・定期券は購入不可)。
自動券売機……あり(改札口の左手前。ICチャージ可。特急券・定期券は購入不可)。
自動精算機……あり(ICチャージ可)。
トイレ…………あり(改札内のみ。多機能トイレなし)。改札を通って右側。
付帯設備………ベンチ(改札外)。郵便ポスト・電話ボックス・飲料自販機(いずれも建屋外)。
売店……………なし。
コンビニ………なし(最寄店舗は約500m南西の「ファミリーマート」)。
尚、以前導入していた『スルッとKANSAI』カードや『Jスルーカード』は近鉄線において青山町駅が東限で、当駅より東(伊勢中川方)はエリア外でした。
また、大阪・奈良・京都エリアで発売されているフリーきっぷなど企画乗車券は、青山町駅以西で有効なものが多いです。
そして改札を通り、右へ曲がると写真の地点で、各ホームとは地下道で連絡しています。
但し、地下道には階段しかありませんので、青山町駅はバリアフリー非対応です。車いすで青山町駅をご利用の場合は事前に近鉄へお問い合わせ下さい。
地下道の右側にはトイレがあります(多機能トイレはありません)。
地下道です。北を望む。
下り2番線ホームに設置の建植式駅名標です。非電照式です。
駅ナンバリング導入時に一斉に置き換えられた新デザインです。
また、駅ナンバリング「D 53」が大きく書かれています。
右側には建植式の「ごあんない(名所案内)」が併設されており、神社仏閣を中心に羅列されています。
こちらは下り2番線ホームに設置の吊下式駅名標です。今は電照式かどうか不明です。
自駅名が中央に書かれており、色褪せた感じもして、旧タイプの駅名標を流用していると思われます。
駅ナンバリングは小さく書かれています。
駅構造……地平駅。ホームは西南西~東北東方向。
配線………島式ホーム2面4線。
右ホーム(北)は右が1番線、左が2番線で、いずれも下り伊勢中川方面です。
左ホーム(南)は左が3番線、右が4番線で、いずれも上り大阪上本町方面です。
当駅を始発・終着とする列車が終日設定されていますが、少なくとも大阪上本町方の列車は上下線ごとに発着ホームが固定されていると思われます(伊勢中川方の列車は不明)。
偶数番線(2番線・4番線)が主本線(通過線)、奇数番線(1番線・3番線)が副本線(待避線)です。
また、1・2番線ホームから見て3・4番線ホームは若干大阪上本町方(前方)にずれています。
そして、1番線の右(北)には留置線が3本あります(中写真)。
ホーム有効長……10両分。
ホームドア………なし(2020年12月時点)。
ホーム幅…………全体的に標準レベルですが、1・2番線の大阪上本町方の端は相当狭いです。
上屋(屋根)………中ほどの約2.5両分。
ホーム上設備……ベンチ、飲料自動販売機、空調完備の待合室。
3・4番線中ほどの左(南)には駅舎があります。
各ホームと駅舎は地下道で結ばれています。各ホーム中ほどに地下道出入口があります。
上写真は2番線より、中写真は1番線より、下写真は3番線より、いずれも大阪上本町方を望む。
2枚とも3番線より伊勢中川方を望む。左から1番線~4番線の順です。
右端4番線の右には側線が存在しません。
手前の大阪上本町方はホーム幅が狭く、特に左の1・2番線は超狭いです。通過列車にご注意下さい。
また、2020年の時点でホームには反転フラップ式(ソラリー式・パタパタ式)の発車標が残っていました。
今も現役なのでしょうか?
3番線より大阪上本町方を望む。
こちら側の上下線間には渡り線がありません。なので、大阪上本町方からの列車は当駅の伊勢中川方にある引上線を利用して折り返し、引上線または1番線を利用して青山町車庫へ出入庫を行います。
また、右前方には青山町車庫の留置線を望めます。大阪上本町方は1番線のみが青山町車庫と繋がっています。
この先、右へカーブしながら農村風景の中を走ると、やがて山林の中を走るようになり、西へ進みます。そして田園地帯に出ると右手に伊賀鉄道伊賀線が見えるようになり、右へカーブして木津川を渡ると伊賀線が寄り添い、伊賀神戸駅へと至ります。伊賀線との乗換駅です。近鉄における伊賀市の代表駅ですが、伊賀市の中心市街地は伊賀線の上野市駅周辺になります。
上写真は2番線より、下写真は3番線より、いずれも伊勢中川方を望む。
ホーム端の先は各線路が複雑に絡んでいます。上下線間に引上線が1本あります。左から来た青山町車庫の出入庫線は下り本線とは交差するのみで、その先の引上線に合流しています。引上線は当駅折り返し列車の入換のほか、青山町車庫出入庫線の一部を兼ねている形です。
この先、左手に丘陵地帯を見ながら盆地の田園風景の中を東北東へ走ると、丘陵地の山林の中を走るようになります。そして丘陵地を抜けると再び田園地帯を走るようになり、木津川を渡ると伊賀上津駅(いがこうづえき)へと至ります。伊賀上津駅以東の普通のみ停車駅は、大阪線の駅とは思えないほどホームの有効長が短い駅が多くなります。
あとがき
下車(乗車)時・・・2020年
近鉄大阪線を乗り鉄時に下車(乗車)しました。2面4線の駅で、北側や西側に青山町車庫が併設されており、南側に駅舎を有しています。乗降客は少ないものの快速急行が停車し、ホームも10両編成に対応しています。四日市でも一般列車は6両が最長なのに、10両編成がここまで来るとは驚きです。駅前は住宅地で、木津川(京都府南部も流れるあの木津川の上流)の対岸には旧・青山町の中心市街地が広がっています。
鉄路のみで
東京から・・・当日中到達可能、日帰り往復可能。新幹線~名古屋から近鉄名伊乙特急。伊勢中川で大阪線普通へ。
大阪から・・・当日中到達可能、日帰り往復可能。近鉄大阪線の快速急行・急行で。特急は名張下車で乗換。
食料・飲料 (500m以内)
コンビニ・・・・・・あり (最寄店舗は約500m南西の「ファミリーマート」)
飲食チェーン店・・・なし
東京からの到達難易度もさほど高くありません。近鉄大阪線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は青山町駅でも途中下車してみて下さい!
(参考:近畿日本鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)