番外編/フランスの乗り越し精算券?(昭和60年・1985年) | 記念切符あれこれ

記念切符あれこれ

亡き父が集めていた記念切符、実家からもらい受けたものの、箱に入ったまま納戸にしまい込み10数年、あまりにも雑多に入っているので、少し整理をしようと思い立ち、それならブログに写真を貼ったら一覧代わりにになっていいかも・・・と思い、少しずつ記録することにしました。

「乗り越し精算券」と奇麗に書いていますが、はっきりいうと「キセルばれました」券です。
ここから当時の日記を参考に書いていきます。
 
SNCFに乗ってから一度も車内で車掌さんに会ってないよね?・・・と言う友人がおりまして
じゃ、ベルサイユから1駅区間だけ買って帰ろう!・・・とか言い出した友人もおりまして
昨日ご紹介した「ベルサイユからの切符」を5人それぞれが購入し、乗り込んだワケです。
(今調べたら、1時間半くらいはかかる旅路でした)

乗り換え駅であるJuvisyの5つくらい前の駅を過ぎたところで、車掌さんが回ってきまして
当然お支払いとなるワケですが、フランス語ペラペラの友人もいた中、みんな
「私たちフランス語分かりませ~ん」
って顔をして、ひたすら英語と日本語で話し、車掌さんは仕方ないなぁという感じで
乗り換えるJuvisyまでの料金を請求してきましたので、お支払い。
「やった!」
と思ったのもつかの間、乗り換えた直後に若い車掌さん来訪。
またさっきと同じパターンで乗り切ろうと思いきや、少ししてヒゲを生やした偉そうな車掌さん
までやってきて、ひたすら
「金はあるか?」「金を出せ」
しか言わず、みんなで抵抗していたら(今思うとなんて奴らだ、私たちって・・・)降車駅である
Evryに到着・・・すると車掌さん2人も降りてきて「金払え」と言うばかり。
・・・そりゃそうだよね、私らキセルしてるワケなので。(今頃めちゃ反省)
ヒゲ車掌は指をすり合わせて、まるで紙幣をペラペラするふりをしたかと思ったら、
ポケットから紙幣がを取り出して「これ払え」と。
実は、車内で相席していた一人の青年が車掌の話を英語に通訳してくれたり、一緒に降りて
「日本人で初めてなんだからまけてやってくれ」と交渉してくれたりもしまして、
最終的に5人で325フランのところ(まだユーロじゃない)、4人分の260フランにしてやるから
払えと・・・。
いや、私たちが全面的に悪いのですが、当時の私の日記には
「これって絶対二人のポケットマネーじゃない?」
とか書いてありまして、今頃マジで猛省している次第でございます。
 
・・・そんなワケで、二人の車掌がそれぞれ2人分・130フランの切符を切ってくれまして、
ここにあるのがその2枚。

私はこれらを友人からもらい、詳細に日記にしたためて・・・あまりにも貴重な体験だったし。
エブリーからリヨンまで16.4Fの切符が残っているので、多分かなり割り増しを取られていると思います。
ひとりあたり52フラン(260フラン÷5人)、当時1フラン30円前後かと記憶しているので、
決して安くないですが、二度と味わえないこの体験。
ホントに私ら悪い子でしたけど、記憶にも記録にも残っています。
車掌さん、ごめんなさい。
あと、仲裁に入ってくれたお兄さん、ごめんなさい、そしてありがとう。