寝台特急「あけぼの」実車に泊まれる宿泊施設、5年ぶり営業再開



秋田県小坂町の観光産業課は4月25日、小坂鉄道レールパークで保存している実物の24系寝台客車を活用した宿泊営業「ブルートレインあけぼの」について、5月4日から営業を始めると発表した。5年ぶりの営業再開になる。

小坂鉄道レールパークの「ブルートレインあけぼの」。【画像:掬茶/wikimedia.org/CC BY-SA 4.0】

レールパークで保存されている24系は、電源車(カニ24 511)+A寝台個室車(スロネ24 551)+B寝台個室車(オハネ24 555)+B寝台開放車(オハネフ24 12)の4両。このうちA寝台個室車とB寝台個室車に宿泊でき、B寝台開放車は休憩スペースになる。

2024年度は10月までの週末を中心に宿泊営業を実施する。宿泊利用時の車両は停止した状態。ただし一部の日は宿泊当日17時ごろと翌日9時ごろ、車両をホームから展示場に移動する際、有料で乗車できるようにする。

宿泊料金はA寝台個室(定員二人)が7000円で、B寝台個室(定員一人)は4500円。レールパーク入園料や寝具・浴衣が含まれる。予約は電話で受け付けている。

小坂鉄道レールパークは、2009年に廃止された小坂製錬小坂線(小坂鉄道)の終点・小坂駅の施設を活用した鉄道テーマパーク。小坂鉄道で使われていた車両に加え、JRの寝台特急「あけぼの」で使われていた24系客車を動態保存している。

2015年度から24系客車の車内にある寝台を活用した宿泊営業を始めたが、コロナ禍を受け2020年から休止に。小坂町は2023年度の再開に向け同年度一般会計当初予算案に車両の修繕費として塗装工事費を計上したが、町議会は費用が高すぎるとして否決した。

このためふるさと納税制度を使ったガバメントクラウドファンディング(CGF)で費用の一部を調達することになり、2023年6月に補正予算案が可決。2023年10月から実施したGCFでは、目標額の350万円を超える607万9000円の寄付が集まった。

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