田本駅【長野県】(飯田線の秘境駅。2021年、2022年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
長野県南部、泰阜村(やすおかむら)西寄りの天竜川沿いの断崖に位置する飯田線の駅で、駅へ車やバイクでのアクセスが不可能で、さらに最も近い集落へも20分程度山道を歩かなければならない事から利用客が非常に少なく、今では秘境駅として多くのファンが詰めかける駅になっている、
田本駅 (たもとえき。amoto Station) です。
  
  
駅名  
田本駅 (駅番号なし) 
 
所在地    
長野県下伊那郡泰阜村    
 
乗車可能路線  
JR東海:飯田線  
 
隣の駅  
豊橋方……温田駅  
辰野方……門島駅    
  
訪問・撮影時  
2021年7月、2022年1月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1935年開業)。
駅舎………………ありません。
出入口……………南側の1ヶ所。

        豊橋方のトンネル坑口上からホームへ向けて下る形になります。
バリアフリー……×(段差あり、道路幅が狭小)。
点字ブロック……未設置。
駅前広場…………×(付近の集落を通るバス路線はありません)。
 
 

田本駅には車道が接続していません。また少なくとも田本集落方面からの道路は舗装されているものの、路面の状態は悪いです。
なので、駅前へ自動車でアクセスできません。自転車も無理です。駅前広場もありません。
約800m北東にある崖上の田本地区または約1km南にある天竜川対岸の阿南町北條地区から田本駅へ向けて、それぞれ山道(歩行者のみ通行可)が延びてきています。
2つの山道は右後方で合流して写真の地点に到達します。
ここからは左手に坑口がある飯田線のトンネル上を通って東側へ回り、左(北)へ曲がります。
 
 

トンネル上を通って東側へ出ると左へ曲がり、トンネル坑口沿いに設置の階段を下ります。
 
 

その後は線路沿いの細い通路を通って、さらに下ります。
 
 

そして最後は左へ曲がるとホーム南端部(豊橋方の端)に到達します。
ホーム出入口部分、左の手すり部分にはきっぷ回収箱が掛けられています。
駅へのアクセス通路は、ご覧の通りバリアフリー非対応です。
写真は辰野方を望む。
 
 

今度はホームから崖上の田本地区を目指します。
ホームを出て線路東側を豊橋方(南)へ歩き、階段を登って右へ曲がり、トンネル坑口上を通って西側へ抜けます。
 
 

そして左へ曲がると二股の分岐点に差し掛かります。南を望む。
左が上り坂で田本地区方面(約800m)、右が下り坂で天竜川を渡って阿南町北條地区方面です。
 
右を選択すると右崖下を流れる天竜川に沿って南東へ下り、天竜川の竜田橋を渡ると田本駅から1kmほどで北條地区に到達します。
北條地区は山の斜面に田畑や少数の民家が存在する地区です。北條地区の最寄駅は田本駅ですが、約2.5km南東には温田駅があります。温田駅と北條地区の間は車道が整備されているので、北條地区の住民は温田駅の方を利用しているかもしれません。
 
私は右へは行ったことがなく、左の田本集落方面へ行きました。
 
 

田本地区方面の山道は一方的な上り坂です。
舗装道路ながら落石や落葉が多くて路面の状態も悪く、1月に歩いたのですが汗だくになりました…。
概ね途中まで東へ進み、後半は北へ進む形になります。平坦な部分もありますが、ほぼ一方的な上り坂です。
右側に天竜川を見下ろせる場所もあります。
 
 

そして山道をひたすら登ると周囲が開けてきて、田本地区に到達します。
距離にして大体800mほどでしたが、ひたすら上り坂だったので駅から20分ほどを要しました…。
天竜川沿いの崖下にある田本駅との高低差は150mほどです。
この地点に着いた時の達成感は半端なかったですww
 
 

田本地区にて西を望む。
左手に田本駅へ下る通路があります。
山上のなだらかな部分に広がる田本地区は田畑主体で民家が点在していて、まとまった集落は見られません。
右側には商店(?)があり、軒先に飲料自動販売機があります。
写真奥の森の裏には、泰阜村立泰阜小学校と泰阜村立泰阜中学校があります。
田本駅は秘境駅ですが、田本地区は泰阜村の中央部に位置するため、泰阜村唯一の小学校と中学校が配置されています(以前は南北に1校ずつあったようですが、統廃合の結果、田本地区に設置されました)。
 
 

駅の紹介へと戻ります。
こちらはホーム辰野寄りにある平屋建ての待合室内の様子です。
当然ながら空調は設置されておらず、奥の右側にベンチが設置されています。
左側の壁面には時刻表と運賃表が掲示されており、運賃表の下にある棚には駅ノートが置かれています。

また、改札設備はありませんので、乗車時は車掌に申し出てきっぷを購入して下さい。

下車時は車掌にきっぷを渡して下さい。

尚、『TOICA』などの交通系ICカードは利用不可です。ご注意下さい。
 
 

建植式駅名標です。電照式ではありません。
JR東海・在来線の標準デザインで、国鉄タイプと同じく所在地も併記されています。
アルファベット部分にはJR東海のコーポレートカラーであるオレンジが塗られています。
尚、飯田線において、豊川駅より北(辰野方)の各駅においては駅ナンバリングが導入されていません。
 
 



駅構造……地平駅(概ね南東~北西方向。ホームはカーブを描いています)。
配線………単式ホーム1面1線(棒線駅)。
 
番線は設定されておらず、下り飯田・辰野方面、上り中部天竜・豊橋方面とも同じホームに発着しますので、乗り間違えないよう注意が必要です。
側線は一切ありません。
  
ホーム有効長……4両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………全体的に狭いです。奥の豊橋方は断崖の法面により圧迫感があります。
上屋(屋根)………全くありません。待合室でしか雨をしのげません。 
ホーム上設備……待合室(空調なし)。ベンチは待合室内のみ。
 
待合室は手前の辰野寄りに設置されています。
豊橋方の端のみにに出入口があります。
  
写真は3枚ともホームより豊橋方を望む。
 
 



上1枚はトンネル上の通路より、下2枚はホームより、いずれも辰野方を望む。
田本駅は天竜川東岸の断崖に張り付くような形で設置されていて、地形的にはとても険しいです。
左の崖下を天竜川が流れていて、右の崖上に田本地区がありますが、木々に覆われているため地形の険しさを実感しづらいです。
天竜川は木々の間から何とか望めますが、田本地区は断崖に阻まれており、ホームから見ることができません。
大雨や台風に見舞われるとリスクが増大します。
 
 


豊橋方を望む。
ホーム端の左側に出入口があり、手すりには集札箱が設置されています。
上写真は1月撮影、下写真は7月撮影です。夏は通路に草が生い茂る状態になってしまいます。夏の訪問も長袖長ズボンが賢明でしょう。
この先、すぐトンネルに入りますが、右下を流れる天竜川に沿って右へカーブしながら、短いトンネルの連続で断崖区間を走ります。所々で右側に天竜川を望めます。いくつものトンネルを潜り、やがて進路を南西に変えると天竜川沿いの集落内を走るようになり、特急『伊那路』の停車駅である温田駅へと至ります。
 
 

辰野方を望む。こちらもすぐトンネルに入ります。
この先、左下を流れる天竜川に沿って右へ左へカーブしながら、短いトンネルの連続で断崖区間を走ります。所々で左側に天竜川を望めます。概ね北西方向へ走り、やがて左下に小さな集落と天竜川が見えてくると門島駅へと至ります。
  
  
あとがき  
下車(乗車)時・・・2021年、2022年          
 
単式ホーム1面1線の棒線駅で、無人駅です。駅舎は無く、出入口の通路は舗装されておらず、夏は草が生い茂っています。駅前には民家が全くなく、最寄りの集落まで山道を登って最速で20分程度を要します。山道は車、バイク、自転車の通行は無理で、飯田線を利用しない形での駅訪問は困難を極めます。逆に、秘境駅ゆえの到達難易度の高さが人の殺到を防いでいる一面もあります。
  
鉄路のみで  
東京から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。

       東海道新幹線~豊橋から飯田線(中部天竜以遠行き)へ乗継。 
大阪から・・・当日到達可能、日帰り往復可能。

       東海道新幹線~豊橋から飯田線(中部天竜以遠行き)へ乗継。 
 
食料・飲料 (500m以内)  
コンビニ・・・・・・なし    
飲食チェーン店・・・なし   
 
東京、大阪とも到達難易度が高いですが、飯田線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は田本駅でも途中下車してみて下さい!
  
(参考:JR東海のHP、Google地図、Wikipedia)