国鉄からJRに変わって35年以上。橋上駅舎化され南北自由通路が新設されたJR新山口駅ですが、ホームで写真を撮っていると、かつての小郡駅時代の面影が感じられる場所もあります。山口線と山陽本線上りを取り上げた前編に続き、本稿では山陽本線下りと宇部線ホームの今昔を見てみました。

 

 

※前編の山口線、山陽本線上りホームは以下の記事をご覧ください

 

 

 

◾️ホーム先端に柵ができた山陽下り

 

東京からの寝台特急が毎朝到着した山陽本線下りの6・7番線ホーム。ヘッドマーク付きのEF65PF形やEF66形を追いかけていた私も、子どもの頃よく訪れました。

 

当時ブルートレインを撮影していたホーム先端は四辻方、嘉川方とも現在は柵が設けられていて立ち入れなくなりましたが、列車が7番線に入線するシーン自体は撮ることができます。

 

 

7番線に入線するEF66 45けん引の寝台特急「あさかぜ3号」=1991年

 

現在の7番線から。上写真と同位置に立つことはできませんが線形は変わっていません。写真はEF210-132けん引の貨物列車1051レ

 

 

大きくカーブした7番線を通過する寝台特急「富士」。先頭のEF66形の奥にはEF65形0番台の姿も見えます=1991年

 

現在の7番線を通過する1051レ。上写真より立ち位置はホーム中央寄りですが、似たような構図で撮れました

 

 

 

現在の新山口駅の6・7番線ホーム中央は、4・5番線と同様にかさ上げされ、小郡駅弁当の立ち食いうどんの店舗はなくなっています(現在は新幹線改札口近くに店舗があります)。

 

 

6番線に停車中の山陽本線115系2000番台の普通列車(左)。隣の5番線は九州から乗り入れてきた415系=1990年

 

上写真の方向の現在の様子。かさ上げされたホームがはっきり分かります。写真は6番線に到着した山陽本線115系3000番台の普通列車。5番線は広島方面に向かうキハ40系の回送列車

 

 

 

現在の嘉川方ホーム先端部分は、SLやまぐち号の蒸気機関車が京都から回送されてくる際などに地元ニュースで見ることがあります。

 

四辻方同様に柵が設けられていますが、屋根の骨組みなどは変わっておらず昔の雰囲気を残しています。

 

一方でホーム中央部分に目を向けると、荷物運搬施設のテルハがなくなり南北自由通路が設置されたため、景色が変わりました。

 

 

6番線の嘉川方で発車を待つEF65 1125と1129の重連=1992年

 

上写真と同じ方向の現在。ここから先は立ち入りできませんが、ほぼ昔のまま残っています。背後には「KDDI維新ホール」が整備されました

 

 

「カートレイン九州」をけん引して7番線に到着したEF65 1109。PF形をじっくり見られる場所でした。背後にはテルハが目立っています=1992年

 

上写真とほぼ同じ位置の現在の様子。背後の構造物はテルハから南北自由通路に変わり、新しい雰囲気になりました

 

 

 

 

◾️様子が一変した宇部線発着の8番線

 

宇部線が発着する新山口駅の8番線は、山口線や山陽本線からやや離れていて、そのホームは昔から独特の雰囲気がありました。

 

現在もここだけ、庵野秀明さん(山口県宇部市出身)のアニメ「エヴァンゲリオン」にちなんだ「シン・ヤマグチ」の駅名標が見られます。

 

JR初期の頃と比べると、現在の8番線は階段を降りた左側の線路に変わっています。全体的にレトロ感が漂っていたホームも広くきれいになりました。

 

国鉄末期には山陽本線側にEF60、EF62形など役目を終えた機関車が並んでいましたが、その光景はすっかり遠い過去になりました。

 

 

8番線で発車を待つ宇部線経由の小野田行き105系普通列車=1989年

 

上写真と同じ向きで撮った現在の8番線。ホームの位置自体は変わっていないと思いますが、私の知っている頃とはずいぶん変わりました(定期的に訪れて変遷を見ておけばよかったです…)

 

 

「シン・ヤマグチ」の駅名標。面白いアイデアです

 

 

 

 

以上、2回に分けて新山口駅の駅撮り今昔をまとめてみました。

 

山陽本線のホーム先端を訪れたのは今回本当に久しぶりで、既に失われたと思っていた80〜90年代の光景が残っていたのは感無量でした。

 

昔の私のように熱心に撮影する若い人も見かけました。現在の様子も10年、20年たつと変わり、そして写真は宝物のようになっていくことでしょう。


今後もいろんな人が思い出を刻んでいく新山口駅であってほしいと願っています。

 

 

新山口駅6・7番線ホームの先端部分。子どもの頃、次々と到着する下りブルトレに目を輝かせた場所で、個人的にはこのまま残っていてほしいと願っています…

 

 

 

※前編の山口線、山陽本線上りホームは以下の記事をご覧ください