多くの方がメディア等でご存じと思いますが、函館市の大泉潤市長(俳優の大泉要さんの兄上)が「北海道新幹線を函館駅まで延伸する!」とおっしゃっています。
今日はそのことについて。
無理があるような・・・
この函館市長の考えに賛同する函館市の企業も少なからずあるようで、寄付をする企業まで出始めました。
先日発表された「消滅可能性都市」の一つである函館市は、青函連絡船廃止後、交通手段の乗り継ぎ都市ではなくなったため、人口減の一途。
さらに北海道新幹線すら乗り入れない街に。
となると人口増に向けた手段として、北海道新幹線に乗り入れてほしいと考えるのは非常にわかりやすいです。
しかも函館駅乗り入れ開業は「札幌駅延伸開業と合わせたい」と言ってます。
そうなるとJR北海道は面白くない。
新函館北斗駅から札幌駅方面に向かって国の支援も貰いながら既に着工している中で、札幌駅とは反対向きに延伸してほしいと言われているものです。
さらに延伸にあたっては地元自治体である函館市も当然費用負担すると言っているものの、現状の函館本線に第3軌条を敷設することで、在来線と新幹線併用路線などという浅はかな考え。
鉄道マニアからすると、いろいろな疑問が湧いてきます。
新函館北斗駅からスイッチバックして函館駅に向かうの?
(秋田新幹線がスイッチバックしているが、車両は在来線規格)
現状のE5・H5形で運用するならば、函館駅までのすべての駅の新幹線規格化改修が必要になる。
現在開発中のE10・H10形はフル規格で開発中。
函館本線は交流20,000 V、北海道新幹線は交流25,000 V
現在新函館北斗駅乗り入れ本数は概ね1時間に1本であり、札幌駅延伸後の本数がどうなるかわからないものの、収益面を考えると函館駅行き用に増便することはあり得ない。
札幌市内⇔函館市内間の移動は飛行機が主流のため、そもそも北海道新幹線へのニーズがどれだけあるか・・・
などなどです。
専門家によってあらゆる検討を重ね、現状の終着駅を「新函館北斗駅」と決める段階で、函館駅を終着駅とする案は消滅したはず。
その考えを再燃させても、函館市の財政や市況、JR北海道の収益などあらゆる面で公表かとならない限り、函館駅延伸はあり得ない気がします。
JR北海道も乗り気ではないようですし。