東京メトロ銀座線の特別仕様車「さらにレトロ」イベント走行 「瞬間消灯」の再現は?



東京メトロは4月25日、銀座線で1000系電車の特別仕様車によるイベント走行をゴールデンウィークに実施すると発表した。かつて銀座線で運行されていた旧型車両のレトロなデザインを再現した特別仕様車だが、東京メトロは「銀座線開業当時のレトロをさらに感じられる状態で運行します」としている。

銀座線1000系の特別仕様車。【撮影:草町義和】

イベント走行の実施日は5月3~6日の4日間。時間帯と本数は渋谷方面行きが上野発8時34分と浅草発9時44分~21時03分の合計11本で、浅草方面行きは渋谷発9時04分~21時39分の11本の予定だ。いずれも臨時列車ではなく土曜・休日ダイヤの定期列車で実施する。

イベント走行の列車の時刻。【画像:東京メトロ】

イベント走行では室内灯の照明を暖色系照明に変更するとともに、車内の側面予備灯も点灯する。これにあわせ、地下鉄博物館(東京メトロ東西線・葛西駅に隣接)で展示している銀座線旧型車両(旧1000形電車1001号)の車内特別公開も5月3~6日に実施する。見学時間は10~12時と14~16時。

地下鉄博物館で展示されている旧1000形1001号の車内特別公開も行われる。【撮影:草町義和】

銀座線では電気を車両に供給するレール(第三軌条)が一部途切れており、かつては第三軌条が途切れている部分に車両が入ると車内照明が瞬間的に消灯。蓄電地から電気の供給を受ける側面予備灯が点灯したものの、車内はかなり暗くなった。1983年から導入された01系以降の電車は、編成中の第三軌条が途切れていない部分に存在する車両からほかの車両にも電気を供給できるようになったため「瞬間消灯」はなくなった。

現在の1000系電車のうち第39・40編成は銀座線の旧型車両を模した特別仕様車として製造され、2017年にデビュー。瞬間消灯を再現できる機能も搭載している。機構的には旧型車両とは異なり、第三軌条が途切れたことを検知して列車速度などを元に計算。先頭車両から順番に車内照明の消灯と側面予備灯の点灯を行うことが自動的にできるようにしている。

1000系特別仕様車の車内。【撮影:草町義和】
車内の側面予備灯も再現されている。【撮影:草町義和】
車内照明の瞬間消灯にあわせて点灯した側面予備灯(左)。今回のイベント走行では車内照明の瞬間消灯は行わない。【撮影:草町義和】

東京メトロの広報部によると、今回のイベント走行は通常の営業列車で行うものになるため、側面予備灯の点灯は行うが車内照明の瞬間消灯は実施しないという。

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