所有事業者:東京都交通局(東京)

仕様・用途:一般路線仕様

登録番号:足立200 か 4256

局番:V-H971号車

配置:江戸川営業所

初年度登録:2022年

シャシー製造:三菱ふそうトラック・バス

搭載機関:三菱6M60(T6)型

車体架装:三菱ふそうバス製造

車両型式:2PG-MP38FK

車名:三菱ふそうエアロスターノンステップ

撮影日:2024年4月21日(日曜日)

撮影場所:西葛西駅

その他:都営バス100周年記念ラッピング車

 

 

予てより「撮りたい」と思っていた、都営バス100周年記念ラッピング車を撮ることが出来ました。

10年前の90周年の時は全車が2004年度納入車(局番:M)のいすゞエルガでしたが、今回は「ナックルライン」と記念デザインラッピング車を除いた4台が2022年度納入車(同:H)の三菱エアロスターで統一、さらに90周年の時は巣鴨と渋谷配置車が選ばれたのに対し、今回は「濃淡グリーン」が渋谷、エンジ+赤帯の「都電色」が巣鴨、アイボリー+青帯の「みのべカラー」が千住、「ナックルライン」が深川、そして黄色+赤帯の「からし(または鈴木色)」が江戸川と、1台1台分かれました。

 

「からし」をあらためてお復習いしますと、利用者サービスの一環として都バスにも冷房車を導入することになり、1979年度納入車(同:G)の後期分で各営業所と支所に2台ずつ導入したことに端を発します。一目で冷房車と非冷房車の識別が出来るのと、遠くから見ても「都バスだ」と判るという意味合いから、ボディカラーを一新。配色パターンは従来車に準じていますが、黄色をベースに腰部と腹巻きに赤色をいれたツートンカラーという派手な色調を採用しました。この色合いから、バスマニアの間で「からし」と呼ばれるようになった一方、当時の都知事の名を取って「鈴木色」とも呼ばれるようになります。

 

しかし、事前のプレゼンが無かったことから、都バス利用者は大困惑し、「こんなんは都バスやないばってんっ!」と扱き下ろされてしまいました。都議会の定例会でもこの問題は大々的に取り上げられて、賛否のうち、9割以上が “否” だったとか。そこで、交通局はあらためて都バスのカラーデザインについて交通局関係者は勿論のこと、第三者も入れてプロジェクトをスタートさせ、候補となった3色+岡本太郎画伯が手がけた「参考出品車」でプレゼンを開始、都内を練り歩き、都民による投票の結果、白地に緑のナックルラインを入れた案が採用されることになりました。時に1982年のこと。

 

現在の都バスのボディカラーはこの「ナックルライン」にオレンジのストライプを入れていますが、元々、オレンジのストライプはノンステップバス用のデザインでした。現在は全車がノンステップバスになっているので、FCバスとフルフラットバスを除く全車がナックル+オレンジになっています。

 

私はこの「からし」の復刻ラッピング車を今まで2回乗りましたが、間近で見ると、元のデザインが見え隠れしてしまい、一発で興ざめしてしまうのですが、当初は酷評の嵐だった「からし」も令和に置き換えて考えれば、もしかすると幸せの黄色い都バスなのかもしれませんね。

「からし」復刻ラッピング車は1台しかない上に、いつも同じ系統に充当されているわけではありません。だから、見かけた時は新幹線のドクターイエローの如く、幸せになれるかも・・・しれませんよ。

 

 

【参考文献・引用】

バスラマインターナショナルNo.202 (ぽると出版社 刊)

バスマガジンMOOK「都営バス全型式アルバム」 (講談社ビーシー社 刊)