東海道新幹線に個室が帰ってくる! | あさかぜ1号 博多行

東海道新幹線に個室が帰ってくる!

最近、ビジネスパーソン向けの指定席「Sワーク車両」の導入や喫煙ルームの廃止による全面禁煙化、最繁忙期の「のぞみ」全車指定席化、グリーン車のモバイルオーダーを除く車内販売の終了など何かと話題の多い東海道新幹線ですが、このほど2026年度を目途にN700Sで個室サービスを開始するとJR東海から発表がありました。
詳細についてはこちらからどうぞ。

東海道新幹線への個室の導入について(JR東海)
https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000043528.pdf

東海道新幹線で個室といえば、100系G編成が2003年9月に引退して以来となるので、20数年ぶりの復活ということになります。
以前から、東海道新幹線にもE5系やE7系、W7系の「グランクラス」に相当するグリーン車よりも上級のサービスを提供する座席が導入されるという話は目にしたことがありましたが、その答えがこの個室だったということなのでしょう。
個室内のイメージ図を私は残念ながら見ることはできませんが、どうやらなかなか豪華で上質な空間になるようで、「グリーン車よりも上質」という謳い文句も納得です。
個室専用のWi-Fiが設けられるのはまさにいまどきの新幹線の個室という感じで、個室内でPCやスマホを操作するのも快適になるのではないかと思います。
また個室になることで、新幹線の車内でweb会議に出なければならないなどという時には周囲の人の目や耳を気にしなくていい環境というのは歓迎されるのではないでしょうか。
あと、新幹線で移動する芸能人や有名人には個室復活はありがたいでしょうね(笑)

このN700Sの個室、1編成あたり2室が設けられるそうですが、その人気ぶりいかんではかなりのプラチナチケットとなることも予想され、将来的には個室数の増加も考えられるでしょう。
設備仕様やサービス内容、運転区間、価格等の詳細については今後順次発表されるそうで、個室を設置した編成がJR西日本区間まで乗り入れる列車にも投入されるのかやJR西日本のN700S(16両編成)にも個室が導入されるのか、また「のぞみ」だけでなく「ひかり」「こだま」でも個室が利用できるようになるのかなど、今後の発表が注目されます。
またプレスリリースには「新幹線の新たな座席のあり方については、引き続き検討を進めます」とあり、今後さらに新たなタイプの座席サービスが登場する可能性もあり、今後の展開が楽しみです。
個人的には現在JR西日本の700系「ひかりレールスター」編成に設置されているような4人用の不通個室があってもいいでしょうし、本格的な個室でなくても通路とパーティーしょんで仕切った1~2人用の簡易個室なんかもあっていいと思います。
さらにこれは座席サービスではないけれど、基本的に車内販売がなくなったのを補うサービスとして、近鉄80000系「火の鳥」にあるような飲み物や菓子類、「シンカンセンスゴイカタイアイス」などの自販機とコーヒースタンドを備えたミニラウンジ的なスペースがあると、新幹線乗車中に一息つける場所ができて歓迎されるのではないでしょうか。

私は以前から、東海道・山陽新幹線には100系のような個室のサービスが必要なのではないかと思っていましたが、あくまでも列車ごとの座席数や車両の設備を極力均一にする方針のJR東海にはそれは望み薄だと思っていましたが、ここにきて20数年ぶりに東海道新幹線で個室が復活するというのは、もしかするとリニア開業後少なくとも現状よりは輸送力にゆとりが出ることを見越して「量より質」の方向へ舵を切っていく流れを作っていきたいのではないか…などと考えてしまいます。
いずれにしても、東海道新幹線はただ多くの人を高速で運ぶことだけに注力するのではなく、新幹線ならではのゆとりやサービスを味わうことができる列車になっていってほしいものです。