EF65PFが牽引する大鉄局の欧風客車「サロンカーなにわ」。
ある種、平凡な1枚のように思えますけど、今になって思えば結構、奇跡的な1枚になります。
まず、牽引機がPF型のトップナンバーである1001号機であること。
1001号機は「東日本の機関車」というイメージが強いですが、一瞬、関西にいました。
59.2改正で宮原機関区に転配されて、急行「銀河」を牽引して上京することもありましたが、基本的な活躍場所は京阪神を中心とした東海道本線と山陽本線になります。しかしそれも束の間、60.3改正で今度は吹田機関区に転配されます。吹田っちゅうことは、貨物牽引がメインなんでしょうね。そして国鉄最後のダイヤ改正になった61.11改正で古巣の新鶴見機関区に戻されて民営化を迎えます(1001号機の新製配置は新鶴見)。
もし、吹田転配の段階で牽引する列車が貨物メインになったとしたら、京阪神エリアで1001号機が旅客列車を牽引するシーンを見かけるのはそんなに多くなかったと思われます。
宮原にしろ、吹田にしろ、関西の水に慣れなかったんですかね。それとも人間関係ならぬ機関車関係がよろしくなかった?
一方、「サロンカーなにわ」ですが、こちらも現役車両なんですよねぇ~。
「サロンエクスプレス東京」や「ユーロライナー」など、国鉄末期からJR黎明期にかけて一大ムーヴメントを巻き起こしたジョイフルトレインですが、その頃に登場した車両で今もなお現役って「サロンカーなにわ」以外にあります?
平成6年に実施されたリニューアル工事で車体の色(窓回りとストライプ)が金色から黄色に変更されましたが、私は登場当初の金色時代がお気に入りで、実車は見たことがありませんが(リニューアル後は何回か見た)、Nゲージでも黄色の現行製品があるにもかかわらず、わざわざ金色の旧製品を探して購入したくらいです。
つまり、EF65 1001と「サロンカーなにわ」の組み合わせは結構、レアなのかなって思います。
そして1001号機は現在も残存しています。平成20年に第一線を退きますが、JR貨物が教材用として残しており、通常は非公開ながら、JR貨物のイベントには時折、参加することもあるようです。ついでにEF65は1号機も501号機も1001号機も解体されず残されているのも奇跡。
1号機はJR西日本(京都鉄博)が、1001号機はJR貨物がそれぞれ持っているので、もし501号機を保存するのであれば、やはりさいたまの鉄博かな。これで501号機を解体したら暴動ものです。
【画像提供】
ウ様
【参考文献・引用】
季刊 j train Vol.88 (イカロス出版社 刊)
ウィキペディア(サロンカーなにわ)