根室本線の廃線となった富良野~新得駅間にあった山部駅。

 駅周辺はそれなりの集落を形成しています。

 アスベスト(石綿)鉱山が複数操業していた時代の名残でしょうか、メロンやスイカ農家も含めて市街地を形成しています。

 駅からは芦別岳を目指す登山者のスタート地点とする人もいたようで、駅舎も山小屋風です。

 

 

 登山客は早朝到着する列車から降りて山を目指していたという記録を見た記憶があります。

 駅から見る山は目の前に感じますが、登山口まで距離はあると思います。

 土合駅から谷川岳アタックする人といい、山登りが好きな人は駅が登山口なんですね。

 私も高校時代登山していたから、そういう気持ちでいた青春時代が懐かしい。私たちはそこからバスで登山口まで行くケースばかりで、ヤワな山歩きだったと思います。山ボーイというかハイキング程度です。

 

こんな近く見えるけど

山はまだ先です

 

 

 廃駅となった他の駅同様入口は施錠されていますが、窓ガラス越しに中を覗くことはできます。

 

 

  普段静かな駅が廃線と決定されてから賑わう。それって駅好きからすると本望じゃないし、なにもなくても賑わってくれたら復旧もされていただろう……と恨み節の1つ2つ口を突くわけで……。

 

 この駅好きな場所は2番のりば。富良野方面に向かうのりば。

 

 柵の外からなので角度が難しいけど、日よけのある場所で接近する汽車を待つ。

 近くまで来てるように見えてなかなか着かない汽車。

 まんざら嫌いじゃないんです、スローなスピードで走る汽車。

 

 跨線橋はなく構内踏切で移動するので、ドアが閉まっても降りたお年寄りが駅側ホームに行くまで出発せずに待つ。鉄道の半分は優しさでできているんだと実感した駅です。

 そんなシーンに遭遇しただけで駅の印象って大きくUPします。

 

 駅好きがその駅を好きになる理由なんてなんでもいいんです。

 とにかく好きな駅の1つでした。

 

 

 

 明治33年12月2日 山部信号所 開設

 明治34年4月1日 山部駅 開業

 令和6年4月1日 廃止