平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

新京成の京成合併後 京成車両が松戸まで乗り入れる可能性はあるか?

京成車両の松戸乗り入れが条件的に難しい、京成側と新京成側とで異なる別の事情

2024年4月12日未明に、京成3000形新京成に乗り入れたことが話題になっています。

新京成で架線検測を行なうにあたり、架線検測装置を備えた京成の3002編成を充てたとのことで、京成車両が新京成に乗り入れたことに驚きがありました。

2025年4月からの京成合併を前にして、新京成線内での架線検測の効率化や合理化、架線検測装置付き3002編成の有効活用等を考慮して、京成編成の新京成乗り入れ試験も兼ねたのかと思われます。

現在まで、新京成車両の京成千葉線乗り入れは行なっているものの、京成車両の新京成乗り入れはありません。

 

今回は来春、新京成の京成合併後、京成車両が旅客輸送で新京成に乗り入れる可能性があるかどうかを考えてみたいと思います。

毎回のことですが、何の根拠もない勝手な想像ですので予めご了承ください。

 

京成編成が旅客輸送で新京成に乗り入れる可能性はないと思われる

今回の京成3002編成の新京成乗り入れは架線検測が目的で、旅客輸送としての乗り入れ試験を兼ねたものとは異なると思われます。

とはいえ、来春の合併後、京成車両も新京成に乗り入れて、現在の新京成側の片乗り入れが、京成と新京成との相互乗り入れに変わるかどうかは興味深いところです。

 

結論として、京成車両の旅客輸送における新京成乗り入れはないと考えます。

理由は以下のとおりです。(順不同)

① 現ダイヤでの必要性

現在の、新京成から京成への片乗り入れと20分間隔ダイヤにおいては、京成の車両による新京成乗り入れの必要性がないこと。

② 車両性能

仮に、京成車両が新京成に乗り入れて、新京成車両が余剰となった分、京成本線を走行するとした場合、とくに8800形において性能面で京成車両と異なり、京成のホームドア位置とも異なること。

③ 車両数での管理面

新京成の全車両数156両(6両✕26編成)に対し、京成の通勤形車両は約650両、100編成以上あり、管理が複雑なこと。

④ 編成両数での管理面

新京成の全車6両編成に対し、京成は8・6・4両編成の3種類があり、編成上の

管理も必要なこと。

⑤ 乗り入れ先の状況

新京成京成千葉線だけの乗り入れに対し、京成は都営浅草線京急の乗り入れがあること。

⑥ 路線規模の違い

新京成は松戸-京成津田沼の一区間26.5kmに対し、京成は本線、東成田線押上線、金町線、千葉線千原線成田空港線の7路線152.3kmあること。

⑦ 最高速度の違い

新京成の最高速度は85km/hだが、京成車両は120km/hの性能が必要なこと。

⑧ 保安設備の追加

新京成京成千葉線用の保安設備、仕様の追加で足りるが、京成は都営浅草線京急成田空港線等の保安設備や共通仕様及び性能が求められること。

⑨ 乗り入れ路線数による編成管理

新京成京成千葉線の乗り入れ有無により、2種の編成に分かれるだけだが、京成は電車形式、編成両数、都営浅草線京急成田空港線等の乗り入れ有無、列車種別の用途等でも車両管理を行なう必要があり、そこに京成車両の新京成の乗り入れ有無の区分も加えることは、車両管理がさらに複雑になること。

 

以下は新京成側の固有の事情です。

⑩ 運転士背後の遮光幕

新京成での乗務員室と客室との境の窓について、運転士背後の窓と、中央部の窓には茶色の遮光幕を貼っているのに対し、京成の窓は透明であるため、京成車両が新京成に乗り入れると、新京成の乗務員が嫌うことも想定されること。

⑪ 乗務員室の助士席側のカーテン

同じく、新京成固有の考え方として、新京成での乗務員室と客室との窓で、助士席側の位置の窓については、新京成独自に日除け幕を設置し、夜や早朝はこの幕を下げて、客室から乗務員が見えないようにしているが、京成は助士席側に幕を設けていないため、京成車両が新京成に乗り入れると、新京成の乗務員が夜間の安全確保を名目に嫌うことが想定されること。

⑫ 過去の、北総線車両の新京成乗り入れ時の新京成乗務員の印象度

1979年3月から1992年7月までの約13年間、北総線車両が北初富から松戸へ乗り入れていた際、北総線電車を運転する新京成の運転士は、夜間及び早朝に客室から終日運転する姿が見えることを嫌っていた印象を受けたこと。

(当時は、新京成車両に運転士背後の茶色の遮光幕はなかったが、その代わりに運転士は自身の背後の幕を終日下げていた。

逆に言えば、茶色の遮光幕は、日中の運転士背後の幕を全開することへの交換条件だったようにも感じられた。)

 

万一、京成の車両が新京成に旅客営業で乗り入れるとしたら

現在まで、新京成において、暗くなる前の時間帯以降、客室側から運転士がまったく見えない乗務員室の光景は変わっていません。

仮の話ですが、京成車両が新京成に乗り入れるとしたら、新京成側の乗務員室の幕事情により、日中10時から15時の明るい時間帯に限るのではないかと思います。

一方、そうした新京成の現況の中で、新京成に乗り入れる場合の京成車両に対し、新京成特有の乗務員室の幕を追加設置することは考えられないことです。

 

新京成側の乗務員室の幕の議論をするよりも、そもそも現在の新京成車両の数だけで京成との乗り入れは十分であり、また、京成が新京成に乗り入れることでの京成側の車両管理面の複雑さも生じないということで、議論自体を避けるかと思います。

従って京成の編成が新京成に乗り入れるのは、京成車両による検測関係に限られると考えます。

 

今回、京成3002編成が夜間に新京成線区間を走行の際、旅客は乗っていないものの、客室から入ってくる蛍光灯の明かりを乗務員室でどのように感じたでしょうか。

客室からの明かりが乗務員室に入ってくることで、新京成線内では運転がしにくかった、あるいは安全に支障をきたしかねず、望ましくなかったでしょうか。

 

合併まで1年を切りましたが、合併を機に、新京成の乗務員室の幕を除去し、今後の80000形新製車には当初から設置しないという画期的な変化が生まれるのでしょうか。

2025年4月の新京成の京成合併後、ダイヤ改正による京成車両の運用と新京成車両の乗務員室窓に注目したいと思います。