Eisenbahn Österreich誌を参考に、2008年年初時点で計画されていた2009年から12年にかけてのオーストリア連邦鉄道(ÖBB)年間ダイヤ計画に関する寄稿を日本語でまとめてみました。なお、原本はドイツ語のため、機械翻訳で日本語、または英語に変換し、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで文章化しております。

 

プラン9-12:ÖBBの新しいタイムテーブル

 

西部鉄道線(ウェストバーン)

2009年から2012年にかけて、ÖBBは新しい時刻表システムを徐々に構築していく計画で、そのベースとなるのは、ウィーン〜ザルツブルク間を1時間等間隔で運行される西部鉄道線のレイルジェットである。偶数時間帯には、ウィーンからザルツブルグからインスブルック経由でチューリッヒまたはブレゲンツへ、奇数時間帯にはウィーンからミュンヘンへ向かう列車がそれぞれ運行される。ウィーン〜ザルツブルクまたはインスブルック間は、途中停車駅の削減を予定している。

 

その代替えとして、ウィーン〜ザルツブルク間に途中停車駅を追加したインターシティ列車が設定され、ザルツブルグでのレイルジェットへの乗継に便宜を図っている。なお、このインターシティは奇数時間帯にウィーンを発車する場合、クーフシュタインとインスブルックを経由してランデックまで運行され、レイルジェットでは通過となる駅に途中停車する。さらに、西部鉄道線ではウィーン〜リンツ〜パッサウ〜フランクフルト・アム・マイン間を結ぶICEが2時間間隔で運行される。

 

レイルジェットはリンツとザルツブルクで、インターシティ列車はザンクト・ペルテン、アムシュテッテン、アットナング・プッフハイムで途中停車する。

 

 

南部鉄道線(シュッドバーン)

南部鉄道線では、ウィーン発グラーツ行のインターシティ列車が1時間等間隔で運行される。フィラッハ行はグラーツ行と30分程度ずらした発車時刻で2時間等間隔で設定されており、途中停車駅の削減により目的地への所要時間が若干短縮されている。

ウィーン中央駅に停車中のIC列車(2016年:ブログ筆者撮影)

 

 

タウエルン(タウアーン)線

グラーツ〜ザルツブルク間のタウエルン峠越えの線では、ザルツブルクで西行レイルジェットと接続する。そのため、グラーツからツェル・アム・ゼー経由で運行されていたインスブルックとブレゲンツへの直行便は廃止される。

 

 

ピュールン(Pyhrnbahn)線

ピュールン線の長距離列車は、3往復の快速列車運行はほぼ従来どおり。コラルムトンネル開通を控える中、グラーツとクラーゲンフルトを結ぶ郵便バスが2時間間隔で運行開始される。この地域・地方の交通サービスは、オーストリア連邦各州の財政的関与のもと、鉄道とバスで統合される予定である。

 

 

国際列車

ハンガリー、スロベニア、イタリアへの国際列車も、国内の等間隔運行ダイヤに組み込まれる。

  • 西部鉄道線ではミュンヘン〜ブダペスト間のレイルジェットが2時間間隔で運行される。
  • グラーツからスロベニアのマリボルの間では、インターシティ列車が2時間間隔で運行され、マリボル以降については、スロベニア鉄道のICS列車に接続するか、従来通りリュブリャナまたはザグレブまで直通運行される。
  • イタリアのウディーネ、ヴェネツィアへの4時間間隔運行は、実現可能性が見え、かつイタリア鉄道側の意向次第ではタルヴィジオ経由で運行予定。
  • 西部鉄道線・南部鉄道線の列車は、要望と可能性次第で、ウィーン中央駅経由でチェコ、ポーランド、スロヴァキアへ直通運転される。

 

まとめ

新設される各定期列車(便)は以下の日程で導入される: 

2007年10月 グラーツ〜クラーゲンフルト間の郵便バス運行開始

2007年12月9日から ウィーン〜フランクフルト間でICE運行開始

2008年12月から ミュンヘン〜ウィーン間のレイルジェットがブダペストまで延長運行

2009年12月から オーストリア西部およびスイスへのレイルジェット、ならびにランデックへのICE乗り入れ開始。

2012年12月から ウィーン〜ザンクト・ペルテン間の高速新線開業と、全長距離列車のウィーン中央駅への乗り入れ開始。あわせて、ウィーン・マイドリング駅でのインターシティ西線と南線の相互乗り入れ予定。その上、2時間に1本はウィーン空港への延長運転も計画されており、ザンクト・ペルテンとウィーン・ノイシュタット地域との接続が改善される。

ウィーン中央駅に停車中のドイツICE列車(2016年:ブログ筆者撮影)

 

最後に、ウィーンから主要都市への所要時間について。ザルツブルグまでは約2時間15分、ミュンヘンまでは約3時間50分、インスブルックまでは約4時間10分である。今後(2008年時点)長期的な視野に立つと、全体計画への変更は幾度と発生する可能性がある。

 

本日は以上です。

 

参考資料:Eisenbahn Österreich 1/2008 Plan 9-12: neuer Taktfahrplan für die ÖBB、当該年度のEuropean Rail Timetable

写真:ブログ筆者が現地で撮影したもの(撮影2012年、2016年)