小さい頃見た本では〝万座・鹿沢口〟が一番長い駅名と書いてあった覚えもある。長めの盲腸線、終着の〝大前〟まで行く電車は少なく、手前に日本一短いトンネル、関東近郊だけどやや遠い終着駅を目指した。
1997年。吾妻線大前駅。
下校向け電車で大前に着いた時はもう日没間近。電車は直ぐに折り返したが、一駅歩くことにしてしばらく大前駅にいた。
薄暗くなって鹿沢口の駅に戻る途中、中学生の集団が大声で〝こんばんは!〟かなりビビった。同行の友人によると郡部に生活してる知恵で、不審者を見かけたら大声でアイサツするように訓練されているのだとか。
鳥居峠手前の田代辺りまで開業していれば、今後の展開が変わったかも知れない。2023年に車で通り抜けた時、至る所で治水工事が見られた。素人が見ても派手に地形が変わり、大掛かりな対応工事が以前より増えている。生活道路の国道も橋脚がえぐられ片側通行に。こんな状況では鉄道の維持にお金を回す話どころでは無いだろう。