今年で開業60年を迎える東海道新幹線。

“夢の超特急” と日本中の期待を一身に背負った高速鉄道は今や、北海道から九州まで路線網を構築し、その存在は揺るぎないものになっています。

その東海道新幹線には、波瀾万丈の歴史にその名を残す名車両が数多く走っていました。 “初代” の重責なぞ何するものぞ、今もなお “レジェンド” の名を欲しいままにしている0系、初代「のぞみ」専用車両で、時速300キロまであともう少しというところまで “夢” を近づけた300系、そして300系のDNAを受け継いで前車未踏の300km/hを具現化した500系・・と、常に「東京-大阪間をどれだけ短縮出来るか?」という至上命題を技術的にクリアしてそのニーズに応えていきました。

そしてもう一つ、東海道新幹線の歴史を語る際に外してはならない車両があります。あくまで「個人の感想です」の範疇ですが、東海道新幹線において唯一といっても過言でないほど、ホスピタリティを重視した車両がありました。それが100系です。

ゆくゆくはゴリ押し的に開業させるであろうリニア中央新幹線同様、あくまでもビジネスライクに徹しているのが東海道新幹線。でも、たった2時間半でも、移動空間は優雅なものにしたい。100系はそれを具現化しました。

東海道新幹線に「ゆったり旅」は不要ですか?

東海道新幹線に「くつろぎ」は不要ですか?

100系はその難問疑問(愚問という方もいますが)に応え得る車両でしたが、その栄華は永く続きませんでした。でも、私的にはたった2時間半でも卓越したホスピタリティは必要と思っているクチ。

今だからこそ、100系のような車両が必要なのかもしれませんね。