2024.3.9 ふたつのさよならに、ただいまを添えて。〜5年ぶりの銚子、別れと再会の旅④ | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

さて、3月9日にわざわざ255系に乗って銚子に向かったのには、もう一つ大きな理由があった。


▶︎ここまでの旅、怒りを背中に持ちながら


銚子駅の跨線橋を渡り…

この日は、幸いにして快晴。

花粉はキツくなり始めていたけど、体の銚子…調子はまずまずw


ここでも、歩きながらも255系の記録は怠らず。


定番とも言える、2番線からの記録。

実は意外すぎるほど、この画角でほとんど撮ってこなかったことも明らかになっている。

その場合は2番線に電車が停車していたり、さまざまな要因があるのだが。


…さて、この日2つめにして最大の目的は!

銚子電鉄!


このほど南海電鉄から2200系が譲渡され、22000形としてデビュー。

それにより、老朽化の著しかった2000形のうち、2001Fが引退することとなった。

銚子電鉄の公式サイト等では3月10日までしか運用が公表されておらず、既に10日は先約済みで

銚子に足を運ぶには、この3月9日の日中にしか時間を取ることができなかったのである。


しかも、銚子電鉄はコロナ禍以降、一時の利用急減などで本数が減少しており…

日中は1時間に1本になっており、朝以降は1編成が終日単純往復する状況になっていた。

場合によっては行けても2001Fが運用に入らない可能性もあり、現にこの数日前は変更がかかり

朝の2往復だけ運用して入庫する事案も発生していたが…

SNSで終日運用される確証を掴み、晴れての訪問となったのである。


さて、銚子電鉄に訪問したのは2019年8月以来実に約5年ぶり。

この時もふらっと突発的に1年ぶりに訪問していたが、それから約5年も開くこととなった。

以降、鉄道等のイベントでの物販やPR、更には銚子電鉄が制作した映画『電車を止めるな!』等

さまざまな機会で、竹本社長や社員さんと折々に交流を深めてはいたものの…

銚子に足を運ぶ機会がなかなかないまま、この日まで時間が過ぎていた。


2000系そのものは2010年の運行開始後にすぐに乗りに来ていたし、この2001Fは2018年夏の

シアターキューブリックのローカル鉄道演劇『銚電スリーナイン』の時に使用されていた編成で

さまざまに思い出深い記憶が、オオゼキタクさんの音楽と共に次々と出てくるのである。

そんな思い入れの深さが、今回の銚子電鉄再訪の大きな原動力となった。

JR東日本255系と銚子電鉄2000形2001F、ふたつの車両へのさよならを告げる旅。

それが今回の旅の、大きな大きなウィークポイントだったのである。


2019年訪問時には、既に2両とも旧標準色になっていたが…

毎度のことではあるが、その後の車体の疲弊ぶりには改めて胸に詰まされるものを感じた。

決して海に近いからというだけでない、銚子電鉄の経営の厳しさを痛感する。


そんな中でも、かつての京王帝都電鉄での引退時に似ているヘッドマークを付けて送り出す。

その車両への愛情は銚子電鉄らしく、また感慨深く胸に迫るものがある。

三度にわたる引退、車齢60年長という新性能車両としては稀有な長命を全うした。


外川方のクハ2501は、伊予鉄道時代に京王5000系に類似したスタイルで先頭車化。


こちらにもヘッドマークが付いたが、ベースは「大正ロマン電車」のデザイン。


それにしても…老朽化の進み具合は想像以上だった。

至る所の塗装が剥げ落ち、錆が露わになってしまっていた。

ここまで満身創痍で、よく動いてきたなと思う。


…と。

ふと、発車準備中の運転士と目が合った。


すると、


手を振られた?!!


いったい誰?!と思ったら、


袖山さんだ!


銚子電鉄きっての“アイドル”として有名な存在の袖山里穂さん。

運転士になったことは知っていたが、偶然にも担当列車だったのである。


それにしても、


5年ぶりなのに、よく覚えていたねぇ


って言ったら


そりゃあ覚えてますよ〜


と返された。

プロやな。素晴らしい。


そんな袖山さん、踏切操作のためにホームを駆け出した。

12:20、いよいよ発車の時間だ。


じゃあよろしくね〜


と袖山さんに声を掛けて…


って俺、誰やねんw


2両編成に結構な乗客を乗せて、5年ぶりの銚子電鉄の旅はこうして始まった。


ああ、久しぶりに帰ってきたな


という、他ではなかなか感じない不思議な感覚を抱えながら、いざ6.4kmのミニトリップへ。