なぜ「相鉄12000系 JR横浜駅行き」が誕生?行かざるを得なかった事情とは?


こんにちは!
今回は埼京線に関する記事を書いていきたいと思います。
一昨日の3/19に相鉄12000系がJR横浜駅に入線しました。昨日、相鉄線二俣川~鶴ヶ峰間で人身事故が発生し、相鉄直通線が直通中止になっており、それに伴う措置であったようです。しかし、そもそもなぜJR相鉄直通線が運転見合わせになると、普段相鉄直通線を走っている車両がJRの横浜駅に入線することに繋がるのでしょうか。そのことについて、少しだけ詳しく触れていきたいと思います。

JR横浜駅に入線する理由は…横須賀線湘南新宿ラインの運転に影響を与えないため

さっそく、見出しで答えを書いてしまいましたが、一番の目的は横須賀線湘南新宿ラインの運行に影響を与えないようにするためということになります。要するに、JR相鉄直通線を完全に止めてしまうと、横須賀線湘南新宿ラインまで止まってしまうので、それを防ぐ策ということになります。どうしてこのようなことになるのでしょう。まずは、下の簡単な路線図をご覧ください。

実際の駅の位置関係などはめちゃくちゃですが、合流・分岐の仕方だけ参考にしていただければと思います。このように、埼京線横須賀線湘南新宿ラインは複雑に合流・分岐を繰り返しています。大崎までは埼京線湘南新宿ラインが一緒に走っており、横須賀線は別。そして西大井~武蔵小杉までは全路線一緒に走ります。その後、武蔵小杉の後は埼京線(JR相鉄直通)のみが別の路線を走り、横須賀線湘南新宿ラインが同じ路線を走っていくこととなります。
今回のタイトルに基づいて考えるのは以下のような場合です。




羽沢横浜国大に赤色で×がついていますが、要するに羽沢横浜国大より相鉄側で、相鉄直通線に何らかの事象が発生し、武蔵小杉よりも新宿側にいる車両の相鉄直通が出来なくなってしまった場合です。この場合、当然埼京線の車両は相鉄に行けなくなります。しかし、羽沢横浜国大駅に行くことが出来るとなれば、そのまま羽沢横浜国大行きとなります。ただし、羽沢横浜国大駅は東急直通も使う駅で、なおかつ線路が2線しかありません。結構狭い駅なんですね。そのため、新横浜駅を出た後の東急直通車が駅に止まっている場合もあり、新たに車両が入線出来ないという事態もありうるわけです。それ以外にも羽沢横浜国大で長時間留め置くと運行に支障が出る可能性もあるわけですね。そうなると、JR線側のどこかで停車しなければなりません。大崎を出てしまうと、西大井と武蔵小杉しか駅はありませんが、この二つの駅は上下一本ずつの線路しかない駅となっており、この駅で列車を止めてしまうと、後続の列車もすべて止めなければならなくなります。大崎駅は4線ありますが、りんかい線の折り返しなども走っており、長時間留め置けるほど余裕があるとも言えません。この区間が相鉄直通の専用路線ならば、全列車が相鉄に行けないだけので、まだ良いです。しかし、この区間横須賀線湘南新宿ラインも走っています。仮に西大井や武蔵小杉で列車を止めてしまえば、横須賀線湘南新宿ラインもすべて止めなければならないわけですね。あくまでもこの区間は、横須賀線の路線ですし、本数も横須賀線は一番多くなっています。対して、相鉄直通は昼間は毎時2本しか走っておらず、「横須賀線の線路を貸してもらっている」運行形態と言って良いと思います。そのようなサブの路線に何かあった場合、その路線のメインともいえる横須賀線湘南新宿ラインへの影響を最小限に抑えたいところです。そこで、なんとか共用区間での運転見合わせを阻止する方法が無いかと考えると、横須賀線に流すことで、いったん共用区間から埼京線を脱出させ、そして横須賀線上の余裕のある場所で停車させるという方法が、他路線への影響を最小限に抑える方法になるというわけですね。そういったからくりで埼京線の横浜行が誕生するということになります。




まあ、考えてみればその通りですよね。相鉄直通に行けないのに、途中駅に止めておけないならば、行ける方の横須賀線に流すしかありません。横浜に行くのは、あくまでも相鉄に行けないけれども、供用区間に止めておけない場合の最終手段ということになります。
ちなみに、横須賀線に行った後、横浜で止める理由については、横浜駅のすぐ先の保土ヶ谷駅付近に折り返し設備があるからです。いったん横須賀線に流しても、逗子方面まで走らせてしまえば、訳が分からなくなってしまいますので、あくまでも横須賀線を走らせる範囲は最小限にとどめたいところです。その最小限の範囲が横浜駅ということですね。保土ヶ谷で折り返せば、そのまま横須賀線を上り、武蔵小杉に戻ることが出来ますので、その後は普通に埼京線を走ることが出来ます。
このように、相鉄直通が動けなくなってしまった場合、横須賀線に流すしかないんですね。そうしないと、横須賀線湘南新宿もすべて止めなければならなくなってしまうからです。他路線への影響を最小限に抑える秘策、それが「埼京線横浜行」ということになります。

昨日の事例は?


↑相鉄12000系
それでは昨日はどのような状況だったのでしょう。まず昨日は新宿19:16発の海老名行きに12000系の12004Fが充当されました。そして相鉄線内での人身事故が発生したのは19:18頃と見られています。つまり、人身事故が発生していた段階では、既に新宿を出発した段階であったようです。そうなると、新宿~武蔵小杉の間で3線以上のホームがある駅は大崎駅しかありませんが、大崎駅もりんかい線の折り返し列車などを運転しており、長時間留め置くほどの余裕もないかと思います。そうなると、そのまま走らせ、武蔵小杉から直通線に行かず、そのまま横須賀線に流してしまった方が良いという判断になったのだろうと思いますね。このように新宿を出発し、武蔵小杉に着く前に相鉄側で何かしらの支障が出ると、横浜行きは誕生しやすくなるのだろうと思います。

ちなみに私は2023年2月に12000系ではく、E233系ではありますが、埼京線の横浜入線をたまたま目撃しました。
e231211.hatenablog.com
本当に時々E233系7000番台や12000系が入線することがありますので、見かけた方は撮ると良いと思います。
今回はJR相鉄直通線に関する記事でした。
最後までご覧いただきありがとうございました!