みなさんこんにちは。前回からの続きです。
「北陸新幹線 敦賀〜金沢間開業」と入れ替わり、長年親しまれた在来線特急が姿を消した、敦賀から先の「北陸本線」。
全国的にも稀少な「特急街道」を最後に味わいたいと、大阪発「特急サンダーバード」に乗り、昨年11月に石川・金沢周辺をさまざま日帰り乗り鉄した際の道中記をお送りしています。
ただいま「北陸鉄道(北陸)野町駅(金沢市)」。今回の日帰り旅の主目的、金沢郊外に延びる2つのローカル私鉄を乗り鉄しようと、始発のこの駅にやって来ました。
発着しているのは、白山国立公園のふもとに向かう「石川線」です。グーグル地図より。
さて、金沢市内にありながら大変静かな佇まいのこの駅を、まずあれこれと観察しています。ホームは2面、2線あることがわかりますが、手前まで延びているこの「2番線」は使用されていないものだと、前回記事でわかりました。
屋根や駆体はそのまま。
列車が発着するのは、左側の「1番線」です。
そこから反対側、構外に出ようかというところまでやって参りました。街なかの細い路地を分かつ、踏切なのですが。
線路向こうに立ち並ぶ、灰色の工場の壁面。
そしてその横はアパートでしょうか。あまりに日常的なまわりの様子も相まって、実に味わいがある光景が広がっていました。
さらにこの踏切、遮断器がありません。
金沢という大都市のさなかにありながら、なんというローカルな情景(列車が行き交う際にはブザー警報音が鳴動していましたが)。
大阪ではお目にかかれない、珍しいものです。
第3種踏切 遮断機はないが踏切警報機が設置されている踏切。現在は警報器更新時に遮断機が追加設置される事が多いため非常に少ない。これですね。出典①。
通行量がさほどでもない証左なのでしょうが、線路とを隔てる柵も踏切の部分だけというのも繰り返しますが、なんと風情のあるものです。
そして、踏切を渡ったところのホームぎりぎりで発車待ちをしているのが、これから乗車する「石川線 鶴来(つるぎ)ゆき」。
県南部の白山市にある、山あいの駅です。
平べったい顔をした2両編成の電車は「7000系」という車系。石川線の主力車両です。
午前中に乗車した「浅野川線」の車両は「東京メトロ日比谷線」からやって来た、とその項で触れましたが、こちらは「東急電鉄」から譲渡されたもので、日本初のオールステンレス車両として知られているものです。
東急時代の形式もやはり「7000系」でした。
昭和30年代半ばに、鉄道車両メーカー「東急車輛」が「バッド社」というアメリカのメーカーからステンレス製車両のライセンスを得て、多数製造したというもの。出典②。
平成に入り新型車両の導入で廃車が進んでいたところ、老朽化した車両を入れ替えたい地方私鉄との思惑が合致するということがあり、全国各地の地方私鉄にこの「東急7000系」が旅立って行きました。これも、その一例なのでした。
先ほど触れたように、車体は腐食しないオールステンレス。電気機具類も平成年間としては近代的なもので、さらに車長が18m級で短い編成も組めると、地方私鉄にとっては抜群の条件が揃っていたこともその要因といわれています。
東急では、1962(昭和37)年から4年間にわたり134両が製造。1999(平成11)年8月に完全引退する前後に、全国5つの鉄道事業者に合計76両が譲渡されるに至りました。
ひとつの形式がそれほど複数の事業者に、さらに多数の車両が譲渡された例というのは、現在のところ「東急7000系」しか見当たりません。
北鉄にやって来たこの車両は、合計10両。
平べったい顔つきなのは、中間車両だったものに運転室部分を後づけしたためでした。
オリジナルの顔つきの車両もあるといいますので、道中で見られたら良いのですが。
金沢は雪国ということで、東急時代にはなかった排雪器(スノープラウ)が取り付けられているのも特徴のひとつです。
と、ここまで記して、以前にもこの「元・東急7000系」に乗り鉄したことを思い出しました。
大阪府南部、泉州の「貝塚市(かいづかし)」を走る「水間鉄道(みずまてつどう)」にも、北鉄と同じく10両が渡っていたのでした。
https://ameblo.jp/kyle-of-lochalsh/entry-12477840863.html
東急時代そのままの、車内の様子も取り上げていました(汗)よろしければどうぞ↑2017(平成29)年5月12日アップ。
次回に続きます。
今日はこんなところです。
(出典①「フリー百科事典Wikipedia#踏切_日本の踏切」)
(出典②「同#東急7000系初代」)