従来の電気機関車のイメージを一新し、定格出力6000キロワットを誇ったJR貨物のEF200形。2018年3月以降、引退までの最後の1年間は定期運用を持たなかったため、EF210形の代走に充当されると注目を集めました。

 

 

瀬戸内海の堤防沿いを走るEF200-17。長大な貨物列車をけん引する姿は魅力的でした=富海—防府、2018年

 

 

幡生操車場の留置線で休むEF200-2。同機は2018年夏の西日本豪雨で山陽本線の不通が続いた際は長く構内に足止めされていました=普通列車の車内から

 

 

 

 

EF200形は1990年に試作機が登場。92年から20両が量産されました。99年4月以降は吹田機関区所属し、最末期は2、17〜19号機の4両が大阪以西でEF210形の代走をこなしていました。

 

沿線では以前から「EF200は危ない(早期に引退する)。今のうちに記録しないと」と言われていました。特に最後の1年間は撮っている人が多かった印象です。

 

 

EF200形で流し撮りの練習をしたことも。この時は18号機の次位に無動力回送の17号機が連結されていました。「EF200の重連風」を記録するチャンスでしたが、事前に確認しておけば普通に撮ったのに…と後悔したものです=新下関—幡生、2019年

 

 

 

 

私がよく見たのは幡生操車場(山口県下関市)を午前11時台に出発していた2072レで、EF200形の次位には時々、大宮車両所(さいたま市)で検査を受ける門司機関区のEH500形などがくっついていて楽しめました。

 

 

EF200-2がけん引する2072レ。この時はEH500-71が連結されていました=2018年

 

 

2072レのEF200-19。次位にHD300形ハイブリッド機関車が連結されていました(望遠レンズでつぶれていますが…)=2019年

 

 

 

 

EF200形は高性能の大出力機でしたが、変電所など地上設備との兼ね合いなどがあり、EF66形と同等程度に抑えて運用。性能を十分に発揮できなかったのは不運でした。

 

それでもJR形電気機関車の始祖として歴史に刻まれていくことと思います。引退から5年。EF210形ばかりになった貨物列車を眺めると、EF200形にワクワクした頃も懐かしく感じるようになってきました。

 

 

新製されたEF210形300番台(右)と並ぶEF200-18(手前)とEF200-2。この写真を撮った5日後に運用を終了しました=幡生操車場、2019年