2024年3月16日のダイヤ改正で開業した北陸新幹線。
並行在来線となる北陸本線はハピラインふくいとIRいしかわ鉄道に移管されました。
北陸地域にとってお祭り騒ぎの一件ですが、その影で消えゆく列車たちがありました。

特急サンダーバード
特急しらさぎ
特急ダイナスター
特急おはようエクスプレス
特急おやすみエクスプレス

サンダーバード(旧雷鳥)としらさぎは敦賀以南で残存しますが、北陸と関西を60年近く結んだ列車であるため、北陸に行かなくなることは一つのピリオドと言えます。

誰でも知ってるような前置きから始まりましたが、最終日の北陸本線と北陸特急たちを記録しに北陸地方を訪れました。
朝京都を出て、最初の目的地は湯尾。
実は昨年末に一度訪れているので、二度目の下車。
ただ、薄れた駅名標はハピラインの駅名標にシールで貼り付けたものに更新されていました。移管間際ということを実感させられます。

最初に向かったショバは湯尾インカーブ。先客多数だったので少し離れたポジションで。
さっそく来たのはツーマン4両。普通はワンマン2両が多いので、4両はやや珍しいです。
4M しらさぎ4号 名古屋行き
一桁列番は特急街道の特急らしさが溢れています。
最終日は平日でしたが、増結編成を用いた9連運転でした。
4010M サンダーバード10号 大阪行き
警笛にビビって、引いたカットが没。予備の手前カットでお茶を濁します。
ちなみにこのサンダーバードは小松・敦賀通過の最速達便。福井を出ると京都まで150km近く停まらない狂気の列車でした。表定速度はもちろん100km/h超え。
4012M サンダーバード12号 大阪行き
金沢を10号の10分後に出てきた停車タイプの12号。北陸特急は通常サンダーバードの方が停車駅が少なく、松任と武生か鯖江のどちらかを通過していましたが、この列車と36号はその3駅まで停車。後続のしらさぎは松任通過のため、珍しくしらさぎの方が速くなっています。
ごく普通の521系。最終日は当たり前のようにハピライン区間を走っていましたが、この編成(J18編成)はIRいしかわ鉄道に移ったようです。
5056M しらさぎ56号 米原行き
米原止まりのしらさぎ。京都に転属してV44編成となった「ゾンビ」こと元W12編成には及びませんが、この編成もやや傷んでいます…。
4014M サンダーバード14号 大阪行き
金沢福井敦賀と停まる一般的な速達型サンダバ。
平日なのに本当に増結編成までフル稼働です。先頭は一時期289系化された為、旧塗装未リニューアルのR15編成。

この後暫く特急が途切れるので、その間に次の撮影地に移動。湯尾駅を去りました。
さあ福井行き普通で移動…

ところがその普通がとんでもない混雑…。乗車率は200%を超えていました。(日本民営鉄道2協会の目安で当てはめると250%はあった)
【引用 日本民営鉄道協会】
武生ではこの有様。1時間に1本レベルの普通ですが、勿論積み残しが発生していました。(他駅でも発生していた模様)
最終日×18きっぷ×北陸応援キャンペーンでこうなったのか…?
武生でしらさぎに乗り換える予定でしたので、武生で地獄の普通から脱出。
特急から見る新幹線。北陸地域の高速移動のバトンが渡されようとしていました。
加賀温泉で下車。
列車によって編成が全然違ったため、乗車位置札がずらっと吊られた光景が北陸の特急停車駅での当たり前でした。
8M しらさぎ8号 名古屋行き
2つ目の撮影地に到着。駅からやや離れていますが、手軽に俯瞰構図で撮れます。
8号の車両はこの後、しらさぎとして最後に金沢を出発するしらさぎ66号と金沢に最後に到着する特急だったしらさぎ65号に就き、59年間の特急街道の歴史に幕を閉じました。
4022M サンダーバード22号 大阪行き
先ほどのしらさぎは6連でしたが、サンダバは12連。
長編成が映える撮影地。加賀温泉の巨大観音像も見えますね〜。
普通列車はお客さん満員で次の街へ。
今更ですが、北陸って跨線橋とアンダーパスが多いですよね。踏切がもっとあっても良い気がするんですが…。踏切の新設というのはできないそうなので、新しく線路を越える道路を作る際にはそういうものになるのでしょうね。
4017M サンダーバード17号 和倉温泉行き
和倉温泉直通のサンダバ。49号、50号と共に早々に満席になった列車です。ゆうトピア和倉から始まった和倉温泉直通の特急ですが、二度と大阪から和倉温泉に直通する列車は運転されないでしょう。
5060M しらさぎ60号 米原行き
521系は昨年末からJRマークと編成表記が消されはじめました。3次車は車番から調べるしかないですが、2次車は編成番号が運転台の札に書かれてるのでなんとか分かります。写真のG23編成はIRに移りました。IR車は富山まで乗り入れ運用がありますので、2015年以来乗り入れてなかった富山まで入線する日もありそうです。
編成番号表記、結構好きだったんですがね…。
5M しらさぎ5号 金沢行き
東海管内での車両確認で70分遅れ。
最終日はそもそも混雑で普通は遅延ばかりでした。敦賀〜南今庄の車両確認も多発したり…。
私も実は遭遇したのですが、北陸トンネル内で突然停電するんです。
自分の普電は惰性で1分近く走行した後電気が復活しましたが、停車した列車もいたようで。この時は案内が無かったため原因は不明ですが、デッドセクションでの交直切換に失敗したという案内をした列車もあったそう。
でもデッドセクションは北陸トンネルの数百メートル手前にありますし、これまでそんなに失敗してなかったような。場所が場所なので怖いですね…。
4024M サンダーバード24号 大阪行き
陸橋の下からも1枚。平日でも12連が走るのが北陸特急の姿でした。
この撮影地はこれで撤収。駅からやや離れていて超有名という訳ではないので、同業者氏は数名でした。

普電で細呂木へ移動。金沢方面に比べたら混雑はマシです。
10M しらさぎ10号 名古屋行き
さすが細呂木。夏ショバなんて言われてますが激パです。なんとかポジションを確保。
切り位置決める前に来た遅延しらさぎはとりあえずこれで。
4028M サンダーバード28号 大阪行き
京都だとこの時期エロ光線で撮れる28号。221系の797Tのついでによく撮ってました。
列番不明。(4060レ?)
ハピラインの走行位置だと貨物や配給列車まで表示が載るんですが…。
この辺りで空から爆音が。
隊列を組む戦闘機(なお実際はT4訓練機)。ブルーインパルスです!
自分は岐阜で一度見たことがありますが、カメラで撮るのは初めて。鉄道と違ってカメラを動かす必要があるので全然慣れないです笑
この後数回細呂木上空を飛行。(この写真も数回の内の一回です)敦賀ではスモーク出してたらしいですね。
12M しらさぎ12号 名古屋行き
ブルーインパルスが明日のリハーサルをする下、特急たちは駆け抜けます。ちなみこの編成はこの後名古屋発の最終金沢行きしらさぎ15号として盛大に見送られたとのこと。
4030M サンダーバード30号 大阪行き
こちらは敦賀を通過して福井しか停まらない再速達便。金沢福井44分、福井京都84分の伊駄天です。まあ新幹線は金沢福井ノンストップが20分台。全駅停車でも30分台後半となってますがね…。
敦賀は北陸関西の需要において金沢駅福井駅ほど無いため通過も頷けました。新快速もあくまで直流の限界であるから敦賀止まり。正直敦賀を一番の目的地としたことはほとんどありません。地理的に交通の要所だったから栄えていたのです。関西人的には観光なら敦賀よりも長浜をオススメします。敦賀〜米原では一番栄えていますし、長浜をダイヤ改正で新設された臨時快速や一部しらさぎが通過するのはちょっと惜しい気も。
デイタイムは基本的に毎時1本の普通列車。4両だとツーマン運転になります。
写真先頭のG29編成もIRに移るようです。2次車では新しい部類でJR時代は13年間となりました。
4032M サンダーバード32号 大阪行き
先行の速達型サンダーバードが拾えなかった乗客を回収する停車型サンダーバード32号。金沢を22分差で出発し、30号が通過する6駅(小松加賀温泉芦原温泉鯖江武生敦賀)に停車して京都で32分差。なかなか優秀です! 何なら金沢福井なんか3駅停まって3分しか差が広がってませんよ。
5062M しらさぎ62号 米原行き
停車型サンダーバードの30分後を追っかけて来たしらさぎ。北陸本線は金沢敦賀間で基本30分間隔で特急が走っていました。北陸新幹線は1時間間隔になるのでちょっとね…。金沢福井の需要も相当あるんですが…。
4034M サンダーバード34号 大阪行き
再速達型>速達型>一般>停車型で分けるとすると速達型と一般の間をゆく変化球タイプのサンダバ34号。
速達型(金沢福井敦賀停車)に加賀温泉を足した列車で、加賀温泉郷帰りの旅行客がターゲットのようです。時刻表には683系と書かれていたのに先頭にバリバリ681系V編成が就いていたのは公然の秘密笑
あ…
ここで時刻表不記載の列車が登場。681系N02編成です。北越急行所有車として160km/hで爆走した過去を持ちます。前日金所109運用(9運用のラスト)に就いているのが確認できたので、昨日で一足早く運用離脱しJRのうちに移管区間から脱出させたようです。
68X系列は金沢駅に必ず関わりがある列車一筋だった以上、北陸の鉄路を去るのは無念でしょう。
リネン類はそのままで座席の向きから整備済の様。
実際、翌朝敦賀駅新ホームを出発する最初のしらさぎ2号に就いたようです。
4036M サンダーバード36号 大阪行き
朝の12号と同じ停車型サンダーバード。編成はV12+B39。この列車は大阪に19:21に到着し、宮原入庫。その後大阪発最終サンダーバード49号として多くの人に見送られて金沢に向かいました。
唯一のサンダバ旧色681とサンキュー編成とというお涙頂戴組成なのもポイント。もう意図された組成としか思えません。

光線は4036Mが限界でしたので、細呂木とお別れ。
機会に恵まれず今回が初めての来訪でしたが、感想は「もっと前に来ておきたかった」の一言。楽しい3時間でした。

普電で昼間に来た加賀温泉へ。どうせなので特急に乗り換えます。が、この列車も件の車両トラブルで20分遅れ。さらに後続のしらさぎも北陸本線車両確認とのこと。どうなってるんだよ…。
17時でみどりの窓口は閉まったため1台のMVに人が集中し、指定席は買えずに自由席で乗車。
他駅でも同様だったようで自由席のデッキは満員。指定席のデッキで金沢まで過ごしました。
サンダーバード・しらさぎの自由席もこの改正で廃止となりました。ある時はグリーン車デッキまで立ち客で満員になったことあったり。立席移動も思い出話の一つとなりそうです。
金沢到着。能登かがり火が待ってくれていたようです。金沢で特急が並ぶのもこの日で最後。


鼓門も特急出発までの空き時間でよく見に行ったものです。

金沢で夕飯を済ませていよいよ…


大阪行き最終、サンダーバード50号を待ちます。先頭車12号車付近はとても近づける状況ではありませんでした。さよならセレモニーがあったようなのですが、外から見たらまともに遂行できてたのか疑うレベルです。

50号指定席はe5489の10時打ちで取れました。売り切れまで4〜5分ぐらいだったかな。
20時29分入線。
編成はB36+V36。
金沢〜関西でサンダーバードは何度か利用しました。2番のりばは金沢で1番思い入れのあるホームかな…。
特急街道の乗客を案内していた編成案内。21年に廃止されたダイナスター6号だけ消されています。
12号車付近。
それでは乗車します。さよなら金沢!
特別デザインの乗車記念カードが配布されました。大阪車掌区からラストランまでの2週間程の間、一部列車で乗車記念カードが配布されていたようですが、自分はその列車には当たらず。50号限定のカード1枚がコレクションになりました苦笑


サンダーバード速すぎ!
あっという間に北陸本線を駆け抜け、1時間15分ほどで敦賀に到着。北陸新幹線なんて要らないんじゃないの…。そりゃこんなに速かったら関西から福井までで3分しか速くなりませんよね。(新幹線は一直線、北陸本線はカーブが結構あります)
敦賀のカーブしたホームを発車する特急はこの列車と金沢行きしらさぎ65号が最後になります。


終点大阪に到着。高槻手前から先行の遅れ新快速の後ろを走ることになった為、大阪には10分程遅れて到着となり、残念ながら定着とはなりませんでした。
自分も遅れた影響で終電帰りです苦笑
大阪には23時台到着の50号ですが、最終日もビジネス客がよく見られました。(寝ていたサラリーマンを1人起こしましたよ)
降車終了を確認し、宮原へ入庫。明日からも見られる光景なのですが、今日は特別です。
拍手でお開きとなりました。関係各所の皆様、お疲れ様でした!


列車調べる作業に時間がかかって、気付けばあの日からもう1週間。これを編集してる最中に北陸新幹線のCMが流れてきて複雑な気持ち…。