KATO製の先頭車キハ85-0番台を、京都丹後鉄道KTR8500形に改造した際に、動力設備一式を供出した中間車キハ84-0番台はボディ単体となり休車になっていました。当初は、3月に発売された動力ユニット・動力台車を使用してM車に復元する予定でしたが、先日投稿の様に新車キハ84-200番台の動力化に振向けた結果、M車復元への途が途絶えてしまいましたが、T車化することで第一線に復帰させることにしました。

 

キハ84-0番台(以降、キハ84と呼称)として残った部材です。

 

その一方で、KTR8500形の動力車に変身したキハ85-0番台からは、多数の余剰部材が発生しています。そこで両者の残材を再活用することにより、キハ84をT車として復元します。

 

キハ84のボディ一式と、下回りは正規のキハ84のT車(ボディの手前側)をサンプルにして再活用する部材(ボディと手前の2列)を決めました。ボディとカプラーと照明板は無加工で再利用しますが、下回りは修復が必要です。

 

再活用部材を組み合わせてみました。床板は左側部分(スカートがあった運転台部分)が切断されて欠損していますので、この欠損部分を修復して座席を設けることが今回の主たる作業になります。

 

欠損箇所を修復するための部材を、手持ちパーツから集めてきました。座席板(手前)はモハ183-1000番台(品番4440)用で、特急車両としてシートピッチ(座席間隔)がキハ85系と一致しており好都合です。また、床板(中間)はキハ28(品番6050)用で、素材が灰色であると共に、欠損部分の形状がサンプル(奥側)と良く似ていることから選びました。

 

ところが、床板の上面側を比較してみると、床板サンプル(奥側)は側面に沿って単純な壁があるだけに対し、キハ28用(手前)は非常に複雑な形状となっており、全てを削り落として側壁だけに作り替えるのも手間が掛かりますので、この床板の採用は取り止めることにしました。

 

代替に選んだのは、JR東海の113系2000番台の3両編成(C編成)の加工でも使用した0.8mm厚の灰色プラ板(→こちら)で、これでサクッと作ることにしました。

欠損部分の寸法に合わせて、長さ11mm×幅16.8mmに切り出して瞬間接着剤で接着しました。

 

床上面に設ける側壁は同じプラ板を2mm幅に切り出して、壁面外側に合わせて接着し先端まで延長しておきました。元床板にあった側壁の一部を敢えて撤去して、新しい壁を両方の床板に跨るように接着したのは、接合した床板の接着強度を補完するためです。連結面部分はサンプルに合わせて中央に幅7mm×奥行1mmの切れ込みを入れました。

 

床板はこれで完成です。

 

 

続いて、キハ85で余剰になった座席板を加工します。

 

最初に左側の照明板の保持柱(2本)を移設するため、糸鋸で根元から切断しておきました。

 

次に、左側に追加する座席3列分をモハ183-1000番台用(奥側)から切り出しますが、側面側の凹凸を考慮して中央部分で「座席2列+座面のみ1列」を長さ11mmになるように切断しました。

切り出した3列分の座席板は接着する前に加工を済ませています。

 

サンプルの座席板を参考にして、座面のみの箇所の両側面部分をそれぞれ前後方向1.5mm×奥行1mmで切り落とし、左側の両隅はヤスリで角を落としておきました。

 

座席板を床板に仮乗せしてみました。切り出した183系の座席(左側の座席2列と座面のみの1列)は、キハ85系の座席に比べて背摺り・ひじ掛けが一回り大きくて、このまま装着したのではアンバランスです。背摺りは、高さが床面から5mm/4.5mmと0.5mm高いので低くすると共に厚みを薄くして、ひじ掛けも小振りになるようヤスリで加工します。

 

前列側座席の加工が終わりましたので、後方に続く座席板に接続(瞬間接着剤で接着)してから、照明板の保持柱を新たな1列目座席の直後に建て直しました。

 

座席板の底面側にある台車をネジ止めするためのボスが、両方とも馬鹿になっていたので、183系の座席からボスを切り取って移植しておきました。全ての加工には正味2日間を要しましたが、床板と座席板の修復が無事に完了しました。これを組立てます。

 

手前が修復した下回りです。奥側のサンプルの下回りに比べても遜色なく仕上がりました。

 

 

ボディと修復した下回りを組み付け、T車として復活しました。

 

継ぎ足した座席であることも一寸見には殆んど判りません。照明板の保持柱(左端の小窓と次位の大窓の間に建っている)も目立ちません。

 

最後に室内照明が点灯することも確認できたので、修復作業は完了です。

 

キハ84が第一線に復帰を果たすことが出来ました。なお、欠損を修復した箇所には走行中に力が加わることもないので、運用には何ら制限もありません。(完)

 

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