【TOMIX】JR 321系通勤電車(2次車)<92358/92359>

3月21日と言うことで「321系の日」。いつも通り車両の説明と模型の解説と行きたいところですが、あいにく1編成しか持っていない。

そのため、違う方向の実験の話をします。

この模型は2008年製ですが、その頃は例の持病が発生する。これはTOMIX製の少し前の車両をお持ちの方だったら、ピンとくると思う。

それは「ウエイトの錆」だ。

2010年頃以降の製品は「メッキウエイトが採用」されているため発生しにくくなっているが、それ以前の製品は「鉄ウエイト」が使われており、経年劣化と共に錆が発生し「ライト不点灯」「室内灯不点灯」と言う問題が発生する。

以前は今ほど「室内灯が普及していない」為、そこまで問題にはならなかった。さらに「台車集電板+スプリングは別売り」だったので、なおさら問題にならなかったのだが、近年は室内灯が無いと「回送列車はいやですからね」と進めてくる店員さえいたぐらい室内灯は普及している。

 

今回の製品は7両編成だが、「両側先頭車+動力車」以外は室内灯が全く点灯しない状況だった。しかも3年前に「ウエイトの洗浄」まで行っている。ある程度はしかたない話で、TOMIX製旧製品の持病とも言える。まぁ磨けば良いのだが・・・。

ちなみに各社問題があるので、TOMIX製に限った話では無く、「KATO製=ピポッド軸汚れ・黒染め車輪の劣化」「マイクロエース製=グリス固着問題」等、弱点は存在する。

これらを把握した上で「メンテナンス整備」して、車両と長く付き合うことが大事だと思っている。

※室内灯を装着しない方だと、TOMIX&KATO両社の問題はわかりにくいと思います。

 

話を戻しますが、実際のところ「錆ウエイト問題」の対策方法として、「メッキウエイト化」と言う構想は2013年の時点で思いついていた。そこで「自宅でメッキ化できないか?」と言うことで色々と調べたところ、2016年に「日清工業さん」から、「めっき工房」というキットが発売されていたことが判明。その時点で取り寄せていたのだが、全然時間が取れないことから紹介が出来ないまま、「Yahoo!ブログが終了」してしまうと言う、大ミスをやらかしてしまった。

これ記憶にあるのは、「南武蔵野線さん」ぐらいかもしれない。

細かい方法は、終盤に載せます。

 

●先に下処理

まずは車両の分解から、今回は初めてなのでとりあえず通常の「ウエイトのさび取り」から入っていきます。

ウエイト見てもわかりますが、全く輝きはありません。

 

●ピカールで磨き出す

上が処理後、下が処理前だが、写真だと差がわかりませんね。

目視だとハッキリと光が反射しています。

 

●無水エタノールで洗浄

一応、これで脱脂したことになります。

 

●右が洗浄後、左が処理前

7両編成中、動力を除いた6両分です。

色が違うのはわかると思いますが、光っているのは写真には出ませんねorz

ちなみに、残り二両になった段階で、疲れて雑になってきたので中断して、通院。帰宅後に残りの作業を行いました。

 

●すべて下処理終了。

正直4時間はかかっています。磨き出しがかなり骨の折れる作業でした。

いつもなら、この時点で車両にセットするところなんですが、今回はここからが本番。

 

【日清工業】メッキ工房

こちらはキットとなっており、「メッキ筆本体」「筆先4種」「フェルト保液材」「金属磨き」「脱脂液」「メッキ液(銅・ニッケル・金)」「ピンセット」「説明書」から構成されており、これでメッキ化が出来るようになっています。

実際はこれに「液体の受け皿」「洗浄用の水+うつわ」が必要でした。(ピンセットも変更)

 

●脱脂

正確な手順は「金属磨き」→「脱脂」→「水洗い」の工程が先に入るのですが、「脱脂」まではやってしまった。

ただし、「線用筆で脱脂、その後は手で触れない」とのことだったので、その工程から始めました。

基本的には「ピンセットに電極を付ける(多分マイナス)」→「受け皿に脱脂の液を入れる」→「専用筆を浸す」→「ピンセットにウエイトを挟む」→「筆でウエイトに液を塗りたくる」→「水を浸したうつわに入れる」→「水道水で水洗いする(手で触らない)」

 

うつわはこんな感じの物を使い、うつわごと水道水で流しました。

 

●ニッケルメッキ化

今度は本命のメッキ化。メッキの液は「銅メッキ」「ニッケルメッキ」「金メッキ」の各液が18ml付属しており、用途に余地選んで使用します。ちなみに模型メーカーなどが使っている、「クロムメッキ」は、資格が必要なので取り扱うことが出来ない。と言っても「錆防止」が目的なので、あまり関係ない。

写真のように、「ニッケル液」を出す。

筆の先端は緑色の物へ変更した後、ピンセットでウエイトをつかみ、同じように筆の先端を浸してウエイトに塗りたくる。

 

ピンセットの方には「ワニ口クリップ」をはさみ、電気を流れるようにします。

おそらく「電着」と呼ばれる方式で、電気の+から-に流れるチカラを利用して、部材(ウエイト)に蒸着刺せているんだと思います。(磁石の原理)

「蒸着」と聞いて、「宇宙刑事 ギャバン」を思い浮かんだ方、「昭和のおじさん・おばさん認定」ですよ。

 

とりあえず「ニッケルメッキ化」を2回行い、水に浸しています。

その後水洗いして、さらに「金メッキ化」を行うんですが、それは後編にします。

 

まぁ、うまくいけば良いんですが、果たしてどうなるやら・・・。

 

以上、「錆ウエイトの対策となるか?ウエイトのメッキ化テスト、開始」でした。