2015年3月、北陸新幹線が金沢駅へ延伸された。これで札幌、新潟、富山と京阪神の鉄道アクセスに乗換が生じた。一方、その数日後、大阪から久々に1本で行けるようになった海外の都市がある。


それがアメリカ第2の都市、「ロサンゼルス」である。日本航空(JAL)が毎日、ボーイング787で大阪/関西国際空港(関空)からロサンゼルス国際空港を結んでいる。
※コロナ禍の回復途上で現在は週5便

しかも、ディズニーランドやユニバーサルランド、ハリウッドなども有する、エンタメ都市として多数の観光客を集めている。円安ドル高で出費が厳しいとはいえ、面白いに違いない!

というわけで行ってきた様子を簡単に報告する。詳細についてはいずれ別媒体にまとめる予定だ。

  ​関空の検査、実はスムーズ?

ロサンゼルス行きのJAL/JL60便は17時50分ごろ関空を出る。現在、JALの便は昼前後にはないので、出発3時間ほど前にカウンターが開く。工事中のため、カウンターの場所は日によって変わる。


チェックインの後は、保安検査場を通り抜けて、出国審査場へ向かう。10分で抜けられたが、混雑してるのは確かで、2025年春に保安検査場が大幅拡大するのが待ち遠しい。


​サクララウンジのカレーも健在

関西国際空港では国内線サクララウンジがリニューアルで廃止された(ANAと共同ラウンジに)が、国際線サクララウンジは2023年7月に再開。名物のカレーも楽しめる。


​加湿されたB787の機内は快適

17時30分ごろから搭乗を開始した。


この路線には羽田ー伊丹線や関空ーバンコク/スワンナプーム、上海/浦東、台北/桃園線と同じ、ボーイング787が用いられている。ただし、それら路線は「ボーイング787-8」というメジャーなもの。これに対し、関空からハワイやロサンゼルスへ向かうのは機体が長めの「ボーイング787-9」というタイプだそう。


先日、この787-9がチリ「ラタム航空」で急降下する事故があった。しかし、調査によれば、客室乗務員が誤ったスイッチを押したことが原因のようで、この飛行機に重大な欠陥はないそうだから安心できる。


座席はビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの3クラス。

エコノミークラスですら他のエアラインでいう、「プレミアムエコノミークラス」のような快適な2-4-2列配置の座席である。高めの運賃設定でも納得できる。

今の時代なので、コンセント、有料だがWi-Fiも完備している。


全部食べてしまう機内食

離陸後、1〜2時間ほどすると夕食が配られる。これらは月替わりであり、現在は以下のメニューと異なっている。


鶏つくね丼とカレードリアの2種類で、カレードリアを選んでみた。若手の有名シェフとコラボしたものだという。


食後はハーゲンダッツも付く。


離陸後、8時間ほどで現地時間でいう朝食となる。こちらは選択なく、無印良品とコラボした中華丼だ。寝起きの時間に優しい味だ。



食事から1時間ほどで、ロサンゼルス国際空港へ着陸した。関空からは9000キロほど東となる。


時差があるので夜3時から、前日(関空を出た日)の12時(冬時間なら11時)に戻ることになる。


​混雑がひどい入国審査

ロサンゼルス国際空港の入国審査は厳しいとネットで評判である。

しかし、実際はアメリカに入国できない人物にはESTA(ピザ免除プログラム、出発72時間前までに申請必要)の承認が降りない。目的を偽る、質問をはぐらかすなどしない限りは入国審査は通る。

問題は入国審査までの行列である。1時間ほど待たされた。南北片方へ逃げられる関空の保安検査場より、よほどしんどかった。

羽田、関空、成田と3便もアジア路線が飛んできたからだろうか…。


​市内へはフライアウェイ(リムジンバス)が便利

ロサンゼルス国際空港の近くにはアヴィエーション/LAX駅という、メトロ(地下鉄のような新交通システム?)の駅がある。しかし、2024年開業予定でその駅までの新交通システムが建設中で、開業までは連絡バスに乗らなければならない。また、メトロの新路線も建設中だが、いずれにしても遅い。都心へは1時間かかる。

物理的には関空より都心から近いものの、時間的には関空(難波から特急で36分)くらいでは遠いとは言えないようだ。


タクシーやUber(ライドシェア)も少人数で乗ると円安もあって高い。タクシーやライドシェアも、これまた乗り場まで連絡バスに乗る必要がある。


タクシーやライドシェアよりも安く、メトロよりも早い「フライアウェイ」というバスが便利だ。アプ

リから乗車券を買うか、タッチ決済のクレジットカード、TAPカード(現地のICカード)で決済するのが便利だ。

降りる際に精算する手もあるが、いずれにしても現金では乗れない。



片道9.75ドルである。円安の現在でも、日本のリムジンバスと大差ない値段で移動できる。

行き先はヴァンナイ行きと、都心のユニオン駅に行くものがある。基本的には観光客は後者を選ぶとどこへ行くにも移動がしやすい。

(続く)