(廃止予定区間のJR根室本線 落合駅)
2016年(平成28年)8月31日の台風10号被災により、東鹿越〜新得間の鉄路が長期間不通(バス代行)のJR根室本線。
不通区間を含む富良野〜新得間は元々利用客が少なく、JR北海道の単独維持困難路線に含まれることもあり、2024年(令和6年)3月31日(日)の最終運行をもって富良野〜新得間(実際上は石勝線と合流する上落合信号場まで)部分廃止。
●在りし日の根室本線①
新得→富良野(2013年(平成25年)7月下旬)
この頃は、まだ台風災害で不通になる前で、根室本線は一本に繋がっていた。
新得駅に停車中のキハ40単行気動車
JR根室本線 滝川行き。新得・富良野間を走る数少ない列車。
根室本線富良野〜新得間は、キハ40形気動車普通列車とキハ150形気動車快速「狩勝」のみが走る閑散区間。列車本数は下り6本、上り7本のみ。(乗車当時)
乗客がまばらな車内
根室本線 滝川行き、午前11時33分新得(しんとく)駅を発車
非冷房の車内。夏は窓を開けて涼をとる。
新得駅と、滝川方へ24.1km先の上落合信号場の間は、根室本線と石勝線の重複区間
眼下に新得の街を望み、広大な牧草地を駆け上る。
新狩勝トンネル内の上落合信号場で石勝線と分かれ、トンネルを抜けると、根室本線はルウオマンソラプチ川に沿って深い森の中を行く。
この区間(上落合信号場〜東鹿越駅)は2016年(平成28年)8月31日の台風10号被災で不通になり、復旧されることなく、2024年(令和6年)4月1日(月)、そのまま廃線になる。
新得駅から28.1km、次の落合(おちあい)駅に到着
ここで2両編成のキハ40形気動車と行き違い。行き違い列車は、根室本線の滝川発釧路行き2429D普通列車。308.4kmの行程を、日本一長い所要8時間2分かけて走る。(滝川駅9時37分発→釧路17時39分着)
映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台になった幾寅(いくとら)駅
東鹿越(ひがししかごえ)駅を過ぎ、かなやま湖を渡る。
山間部から富良野盆地へ。
13時03分、富良野(ふらの)駅到着
●在りし日の根室本線②
富良野→東鹿越→新得(2017年(平成29年)7月下旬)
2016年(平成28年)8月31日の台風10号被災により、根室本線・東鹿越駅〜新得駅間の鉄路が不通になり、同区間はバス代行になった。
JR根室本線 滝川駅 朝5時49分発・東鹿越行き 2421D普通列車(キハ 40系気動車単行)に、滝川駅から乗車中。
富良野(ふらの)駅から大勢の高校生が東鹿越行き列車に乗車。南富良野町(最寄駅:幾寅駅)の高校へ通う学生で車内は賑やか。
午前7時20分、富良野(ふらの)駅発車
布部(ぬのべ)駅
山部(やまべ)駅
富良野盆地から山間部へ。空知川に沿って走る。
下金山(しもかなやま)駅
金山(かなやま)駅
トンネルを抜けると、かなやま湖に架かる橋梁を渡る。
かつては、ここから日鉄鉱業東鹿越鉱業所へ続く専用線があった。
終点・東鹿越駅で、幾寅駅(南富良野町)近くの高校へ通う学生が、列車代行バスに乗換え。
この先、新得駅まで台風災害で長期不通のため、
代行バスが走る。
新得駅行きの列車代行バス、午前8時09分東鹿越駅を発車
二度と列車の来ないか細い線路
鉄路が長期不通の幾寅(いくとら)駅
南富良野町の中心駅で、富良野駅から列車と代行バスを乗り継いできた大勢の高校生は全員ここで下車。
幾寅駅は、1999年の映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となる「幌舞」駅の舞台。当時の映画セット駅舎がそのまま残る。
幾寅駅横には、映画で実際に走行したキハ12のカット車体が静態保存
この「キハ12」、映画撮影用のため、キハ40系気動車を改造したもの。
側窓を昭和30年代主流のバス窓タイプにし、塗装は国鉄首都圏色に改造。
映画撮影後、映画の舞台を訪れる観光客のためしばらくの間、富良野~落合間の臨時列車としても活躍していた。
映画用のキハ12と「だるま食堂」
高校生が全員下車した幾寅駅を過ぎると、新得駅へ向かう代行バスの乗客は僅か3人。
列車代行バスは、不通区間の落合(おちあい)駅にも立ち寄る。
根室本線(旧線)に沿って走る狩勝国道を代行バスは走る。狩勝峠を越え十勝地方へ。
午前9時00分頃、新得(しんとく)駅到着
★動画(動画撮影は2023年(令和5年)9月上旬)↓↓