2024年3月16日、北陸新幹線が金沢駅から敦賀駅まで延伸する。入れ替わりに敦賀から金沢・和倉温泉までが廃止となった特急「サンダーバード」に乗った。

  ​大阪駅はすごい人出

特急サンダーバード号は金・土休日運行の列車も含むと、1日25往復が大阪駅と金沢駅を結んでいた。そのうち、午前中の1往復が金沢駅からIRいしかわ鉄道、七尾線へ直通して和倉温泉駅へと直通していた。

金沢行き最終は夜遅いので、和倉温泉行き最終に乗ってみた。


10時42分発の特急サンダーバード17号だ。この時間に撮れば夕方に流せるからか、テレビ局の取材などもあった。ただ、電車をゆっくり取れる雰囲気ではないから、撮る風景自体が被写体になってしまう。


明日からは敦賀止まり、そこから新幹線乗り換えなので、この複雑な停車パターンともおさらばだ。


車掌さんからはラストランである旨のほか、「普段と変わらぬ日常を送っているお客様もいるので、他のお客様のご迷惑とならないよう」との注意放送もあった。


車内はほぼ満席と言われながら、一部に空席があった。短区間だけ乗った人もいたようだ。


自由席(3/16からは設定なし)も、少し覗いたところ、座席が埋まる程度の混雑だったが、数名立っている人がいた。


梅田のデパ地下でランチに買った駅弁(予約購入)を食べながら、さらに北上する。


敦賀からは3/15限りで北陸本線でなくなる区間。一つ一つの放送にも耳を傾けた。


▲特急乗車位置案内、これも見納め(加賀温泉駅にて)


大阪車掌区の車掌さんが乗っていた金沢駅到着前には北陸本線の特急が59年前から大阪と直通運転していたこと、並びに七尾列車区の方に交代した発車後には七尾線との直通特急が1991年から運行し続けてきたことが放送された。

金沢駅では後ろ3両を切り離す。これもかなり人が殺到していたので、切り離しを撮る人々の後ろ姿が被写体に。


金沢からは七尾線を進み、和倉温泉駅へ。この駅も能登半島地震で被災し、駅舎側の1番のりばは被災して使えない。



ここから先はのと鉄道というローカル線に乗り換えることになるが、それも途中の能登中島まで、本数も少ない。そういうわけで、七尾線で金沢へ戻った。



3/16からは大阪〜(サンダーバード、1割引)〜敦賀〜(北陸新幹線、1割引)〜金沢〜(能登かがり火号、無割引)〜和倉温泉という移動になり、敦賀で13分ほどの乗り換えが発生するなど、値上げもあって大変になる。

もっとも、京都から富山など、単に値下げで所要時間が短くなる区間もあるので、便利になる人も多い。


  ​特急街道としての北陸本線もさよなら

大阪、名古屋、以前は新潟や青森、札幌、上野からも直通特急が運行していた北陸本線。2015年3月に北陸新幹線が長野から金沢まで延伸されて金沢から東を地元3セク鉄道に移して以後も、乗り換え駅・金沢駅を拠点に2時間半で大阪、3時間で名古屋へ結ぶ「特急街道」であった。


ただ、明日からは米原と敦賀を結ぶのみの短距離路線として、敦賀で乗り換えないと福井や金沢、富山に行けない新幹線リレー特急「サンダーバード」「しらさぎ」が短距離を走るのみとなる。


もう、北陸本線としては無くなってしまうのが寂しいものの、福井県で快速電車を走らせる「ハピラインふくい」や、石川県で新駅を開業するIRいしかわ鉄道としてローカル電車の運行は続く。北陸新幹線のみならず、こちらも応援・利用したい。

▲翌日からは「サンダーバード」もなくなり、あいの風ライナーと七尾線の一部特急を除き、全て普通列車となる。