やまとじライナー特急らくラクやまととして復活とうれシート拡大で時間帯別変動料金導入と特急まほろば今後廃止か! JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正(2024年3月16日)

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やまとじライナー特急らくラクやまととして復活へ! JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正(2024年3月16日)

JR西日本近畿統括本部は2023年12月15日、プレスリリースにて2024年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した。今回はこれからJR西日本の大阪周辺でのダイヤ改正について見ていく。

1. 特急「らくラクやまと」運転で「やまとじライナー」復活へ!

今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、大和路線に通勤特急「らくラクやまと」を新設する。

通勤特急「らくラクやまと」は平日朝は奈良7時16分発天王寺・大阪うめきた地下ホーム経由新大阪行き、平日夜間は新大阪19時43分発大阪うめきた地下ホーム・天王寺経由奈良行きの平日1往復を運転する。

停車駅は新大阪、大阪、天王寺、久宝寺、王寺~奈良の各駅となっている。

使用車両は287系(「くろしお」型車両)3両編成で、全車指定席となっている。

新大阪~奈良間の運転距離は52.3kmとなっており、新大阪~奈良間を利用の場合は50km超の通常期特急料金1,730円(J-WESTチケットレスなら750円)、それ以外の区間は通常期特急料金1,290円(J-WESTチケットレスなら600円~650円)となっている。このほか運賃がかかる。

かつて大和路線には1988年3月13日から2011年3月11日まで着席保障列車「やまとじライナー」を運転していた。381系(旧「くろしお」型車両)6両編成で、乗車整理券は310円だった。物価が上がり乗車料金は値上がりしているものの、阪和線特急「くろしお」の間合い運用であることに変わりないようだ。

このほか大阪うめきた地下ホーム~新大阪~奈良間運転の特急「まほろば」も2024年3月~6月の土休日を中心に再び設定する。




2. 大和路線「うれシート」設定列車拡大へ!

また今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、大和路線で平日朝に設定している指定席「うれシート」を拡大する。

2023年10月23日より大和路線区間快速大阪環状線行きおよびおおさか東線直通大阪うめきた地下ホーム行き直通快速各2本計4本の大阪方面後方1号車の20席のみを座席指定とし、ネット予約e5489で300円で着席保証としたものである。このため座席は通常自由席で運転する221系の転換クロスシートと何ら変わりはない。

今回のダイヤ改正では平日朝の指定席「うれシート」設定列車を拡大する。

今回平日朝に拡大するのは区間快速1本と直通快速2本で、合計区間快速大阪環状線行き3本と直通快速新大阪方面大阪行き全4本の合計7本に指定席「うれシート」を設定する。

設定列車を拡大するということは、使う人が多かったというわけなのだろう。大阪~奈良間ではJR大和路線と近鉄奈良線が競合しているが、近鉄奈良線では朝夕に特急を運転することで着席保障列車を設定している。その特急料金が520円(80000系「ひのとり」型車両の場合620円)であることから、大和路線区間快速・直通快速「うれシート」の乗車料金300円は安く見えていて使いやすいのかもしれない。

ただなぜ需要の多い区間快速の方が設定本数が少ないかというと先述した通勤特急「らくラクやまと」を平日朝の一番いい時間帯である大阪8時13分着で設定するためである。朝オフピークの大和路線区間快速は旧やまとじライナーとさほど変わらない300円、一番人気の高い朝ピーク時に運転する特急「らくラクやまと」は650円程度の乗車料金を設定することで人気のある時間帯の着席保証料金を高く設定する時間帯別変動料金を導入しているのである

つまりJR西日本は時間帯によって着席保証料金を変えることで需要が多い列車で高い料金を徴収することとしたのである

また土休日にも指定席「うれシート」を設定、奈良発の区間快速3本と直通快速全4本の合計7本に設定する。

もっとも着席保障列車が増えるのは良いことではあるが、わざわざ車内改造してまで導入したJR京都線・JR神戸線新快速「Aシート」の立場よ。

また土休日の直通快速は朝2往復と夕方2往復のため、臨時特急列車「まほろば」と運転時間帯がかぶる。今後特急「まほろば」の廃止も目論んでいるかもしれない。




3. おおさか東線直通快速が城北公園通増停車へ!

また今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、おおさか東線直通快速が城北公園通に増停車する。

これまで梅田から城北公園通駅周辺へは大阪シティバス34系統を使うほかなかったが、前回の2023年3月18日JR西日本ダイヤ改正でおおさか東線が大阪駅うめきた地下ホームに矩理恵を開始したことによりおおさか東線で直通で行けるようになった。

これにより大阪駅と城北公園通を直通する列車が1日4往復増加、おおさか東線直通快速の停車駅がまた増えることとなった。

もはやおおさか東線直通快速は大阪と奈良を結ぶというより大阪と大阪市東部および東大阪市を結ぶ列車の側面の方が強いと思うのは気のせいだろうか。




4. 特急「びわこエクスプレス」、「らくラクびわこ」改称で運転時刻繰り上げへ!

また今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、琵琶湖線特急「びわこエクスプレス」を特急「らくラクびわこ」に改称、夜間の運転時刻変更する。

今回のダイヤ改正では大阪21時36分発特急「びわこエクスプレス4号」米原行きを廃止する。この代わりに大阪19時20分発特急「らくラクびわこ2号」米原行きを設定、関空特急「はるか」の野洲行きと合わせ19時台から約30分~40分おきに着席保障列車を運転する。

なお特急「びわこエクスプレス」改め特急「らくラクびわこ」のうち米原発着列車1往復は、683系9両編成から683系または681系6両編成に減車する。どうやら特急「サンダーバード」用車両から特急「しらさぎ」用車両に変更するようだ。




5. 特急「らくラクはりま」運転区間拡大へ!

また今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、JR神戸線特急「らくラクはりま」の運転区間を新大阪~姫路間から京都~網干間に拡大する。

今回の2024年3月16日ダイヤ改正で特急「スーパーはくと」の京都乗り入れが7往復から2往復に大きく削減、朝の京都発鳥取・倉吉行きと夜の京都行き各2本ずつしか設定しなくなった

このため救済として平日朝の京都行きと平日夜間の京都始発の列車をJR西日本289系6両編成による特急「らくラクはりま」で代替することとした。




6. 特急「くろしお」和泉府中停車拡大へ!

また今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、阪和線特急「くろしお」の和泉府中停車を拡大する。

これまで特急「くろしお」の和泉府中停車は大阪に9時20分までに到着する特急「くろしお」4本および大阪を21時40分以降に出発する特急「くろしお」和歌山行き2本に限られていた。というのも、そもそも特急「くろしお」は和歌山県に行くための列車のため大阪~和泉府中間の近距離で満席になってしまっては長距離客が乗れず減収してしまうほか、そもそも和泉府中には関空特急「はるか」が大阪10時30分着までの京都行きと大阪17時00分以降発関西空港行きが停車するため、特急「くろしお」をわざわざ停車させる必要性は低かったのである。このため新大阪・大阪から50kmをわずかに越え特急列車が「くろしお」しか来ない和泉砂川へは朝夕の多くで特急「くろしお」が停車する一方で、新大阪・大阪から50km以内で特急「はるか」もやってくる和泉府中への特急「くろしお」停車はあまり本数を設定してこなかったのである。

が、今回のダイヤ改正では特急「くろしお」の和泉府中停車を拡大する。

今回和泉府中に増停車となる特急「くろしお」は、大阪を17時以降に出発する特急「くろしお」6本となっている。このため1日1本しか運転がない京都17時47分発「くろしお23号」白浜行きや、長距離運転の新宮行き2本も和泉府中停車対象となっている。

もっとも和泉府中に特急が停車すれば東岸和田や熊取へも利用できることからそこそこ利用客はいるが、50km以内と特急料金で一番安い料金区分のため満席時に減収のリスクがある。ただ、そのリスクを考えても和泉府中に増停車するということは、和歌山県が過疎化でどんどん人口が減っており特急「くろしお」の利用客が年々減って空席が多くなっており、特急「くろしお」の運転本数を維持するために短距離でも乗ってもらおうとしているのではないだろうか。


7. 結び

今回の2024年3月16日今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、大和路線通勤特急「らくラクやまと」を運転開始することとしたほか、大和路線区間快速・直通快速「うれシート」設定列車を拡大し、平日朝の着席保証料金に時間帯別料金変動制度を導入することとなった。

また琵琶湖線特急「びわこエクスプレス」を特急「らくラクびわこ」に改称、運転時間帯を変更して利便性を向上するほか特急「くろしお」の和泉府中停車拡大で通勤利用に使いやすくなる。

今後JR西日本でどのような列車を運転していくのか、見守ってゆきたい。

2024年3月鉄道ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:2024年3月16日にダイヤ改正を実施します – JR西日本

関連情報:より便利になる通勤特急を「らくラク~」シリーズに統一します – JR西日本

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