平行普通列車

常磐線と新京成に魅せられた者のブログです

東急・相鉄 共通1日乗車券 定期券機能のないPASMO限定は見直しを

定期券機能付きPASMOSuicaや、磁気券の発売は設定趣旨に合わない?

東急と相鉄が1日乗り放題の切符が2024年3月16日から毎日発売されます。

「東急・相鉄 共通1日乗車券」の名称は東急での発売上のもので、相鉄では「相鉄・東急線 共通1日乗車券」です。

以下、便宜上「東急・相鉄 共通1日乗車券」と表記させていただくことがありますが、ご了承ください。

価格は大人で1,300円ですが、通常の切符(磁気券)は発売せず、有効な定期券情報のあるPASMO定期券、モバイルPASMOJR東日本Suicaでは利用できないことが特色です。

 

既存の自社路線フリー切符を見る

東急では「東急線ワンデーパス」があります。

PASUMO定期券やSuicaは使えませんが、磁気券は購入できます。

相鉄は「相鉄・鉄道全線1日乗車券」があり、磁気券とPASUMOの両方が使えます。

いずれも磁気券での購入は可能となっています。

 

東急線・相鉄(相鉄・東急線) 共通1日乗車券」の利用者制約に疑問

今回の「東急線・相鉄(相鉄・東急線) 共通1日乗車券」は、交通系ICカードPASUMO限定です。

ただしPASMOであっても、有効な定期券情報のある「PASUMO定期券」「モバイルPASMO」、クレジットカード一体型PASMO等は不可。

Suica等、他社の交通系ICカードも不可。

磁気券購入も不可です。

 

私鉄を基本としたPASMOで、さらには定期券機能を付加していないタイプのPASMOを持つ人は果たしてどの程度いるでしょうか。

しかも現在、PASMOの発売は中止しており、発売再開の見通しはまだ立っていません。

そのような状況下で磁気券、PASUMO定期券、Suica等のすべてを一切扱わない姿勢はいかがなものかと感じます。

 

東急では「東急線ワンデーパス」でPASUMO定期券やSuicaを使用不可としており、そこに磁気券不可も加えたイメージですが、そこまで拡大する必要があったでしょうか。

 

Suicaについては、JR東日本等の絡みから使用を避けたと考えられます。

元来、定期券機能を付加したPASMOであっても、PASMOにかわりはありません。

磁気券の不可は、ICカードでの自動改札機通過による改札口での迅速性、切符の紙詰まりの解消、乗降データの把握等を考慮したものと思われます。

 

東急線・相鉄(相鉄・東急線) 共通1日乗車券」の主旨

この企画乗車券の発売主旨について、東急及び相鉄のホームページを見てみたいと思います。

両社のホームページから一部を引用させていただきます。

 

◆ 東急のホームページから

(以下引用)

相鉄・東急新横浜線の開業1周年を契機に、さらに多くのお客さまに相鉄線東急線沿線の魅力を再発見いただき、実際に街を訪れていただけるよう、また、相鉄・東急新横浜線の利便性をより体験いただけるよう、本乗車券を発売します。
本乗車券を利用して、東急線沿線へのお出かけはもちろんのこと、相鉄線沿線の魅力的な街や自然豊かな公園などにもお出かけしていただき、両社沿線の魅力をお楽しみください。

(以上引用)

 

◆ 相鉄のホームページから

(以下引用)

2023年3月18日の全線開業から1年となる相鉄・東急新横浜線の利便性を、沿線内の皆さまに広く知っていただき、ご利用いただくこと、この乗車券をきっかけとして神奈川県央部や横浜市西部から、東京都心部への新しいお出かけ機会の創出を行うことを目的に発売するものです。

(以上引用)

 

両社の主旨に沿って今回の「東急線・相鉄(相鉄・東急線) 共通1日乗車券」を企画するにあたり、定期券機能のないPASMOのみに特定、磁気券取り扱い無しとする必要があったかどうかは、別の話と考えます。

定期券機能付きPASMOや磁気券を対象外とする意図や必然性までは理解しかねます。

 

この制約では利用する人はかなり限定され、一般的ではないと考えます。

通常、首都圏の私鉄沿線居住以外の人には無縁の乗車券となります。

東急・相鉄沿線で通勤通学とは無縁の人を呼び込む、ただしPASMOを事前に持っていて、鉄道乗車時にはPASMOで乗っている人だけに絞った印象を受けます。

 

最低限、磁気券は発売することが望ましく思われます。

前記、自動改札機通過を考慮しての磁気券ICカードによる効率性を優先するならば、定期券機能付きPASMOSuica、定期券機能のないSuicaの3種は利用可能とすべきではないかと考えます。

その分、価格を1,500円から1,600円に設定するのは仕方ないと思います。

前記3種や磁気券がまったく利用できないよりはよいことと受けとめます。

 

東急線・相鉄 共通1日乗車券」「相鉄・東急線 共通1日乗車券」の名称を一体化してはどうか?

以下は、今回の乗車券名称についての余談です。

東急での発売は「東急線・相鉄 共通1日乗車券」、相鉄での発売は「相鉄・東急線 共通1日乗車券」であり、それぞれ自社名称を頭に出しています。

企業として当然なのかもしれません。

しかしながら同じ効力、内容ならば両社共通の名称の方が、利用者にとっては馴染み、定着がしやすく、一層の利用促進にもつながるのではないかと考えます。

そこでもう決定していることではありますが、名称の提案をしたいと思います。

 

語呂、語感から、「相急(そうきゅう)1日券」とするのはどうでしょうか。

相急(そうきゅう)は、「相」鉄と東「急」の合体・合成語であり、「そうきゅう」の語呂は「とうきゅう」の名称もイメージする意味合いを込めたものです。

東急にとっては「相急」では不快かもしれませんが、「相鉄・東急線 共通1日乗車券」「東急・相鉄共通1日乗車券」よりは親しめるかと思います。

両社の頭文字をとって「東相(とうそう)1日券」では逃走、闘争を連想してしまいます。

また、「相東(そうとう)1日券」では、東急よりも相鉄が筆頭のイメージになります。

東急には相鉄が頭文字となることを理解していただいたう上で、「相」鉄と東「急」一体での「相急」(そうきゅう)は、相鉄のイメージと、東急(とうきゅう)の語呂に近いイメージで東急のことを思い浮かべると考えますが、いかがでしょうか。

 

(※ 記載にあたり、旅行総合研究所タビリス『東急・相鉄 共通1日乗車券』の概要。PASMO限定、両社線が乗り放題!」を参考にさせていただきました。)

 

※写真は本文と無関係です。